米津玄師は天才だというのは周知のことだと思う。

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ここ近年でも「ピースサイン」「砂の惑星」(これはハチ名義ではあるが)「打上花火」と、全てのカラーの違う楽曲でありながら、(僕が聴くぶんには)全てが名曲という強靭なソングライターぶりを発揮してる。

しかも米津くんの場合、やってることがわりとマニアックであるにも関わらず、きちんとポップスとして落とし込んでいて、かなり広い範囲の層に刺さった音楽を作っているところがポイントだと思う。

ということで、前述した3曲を中心に、米津くんって何がどう凄いのか、改めて考えてみたい。

変な音を使う

米津くんは「なんでここにこんな音入れちゃうの?」という冒険心が旺盛である。

綺麗なピアノが印象的な「打上花火」であるが、サビでは、どゅん、どゅんどゅんどゅん、とキーボードで作ったと思しきシンセの音が入ってきて、サビではピアノの音なんて聞かせねえよ、とばかりに、すんごい勢いでシンセが主張してくる。

2番のサビ前だって、キーボードがみゅみゅみゅみゅんという音を鳴らしたかと思えば、そこからギターに音のバトンをパスして、そっから、リーバス音→休符→インスト開始、という流れをおっぱじめる。

そうなのだ。

米津くんの歌は、すぐに音の主役が変わってしまうのだ。

さっきまでキーボードがメインでコードも旋律も奏でたかと思ったら、次の瞬間にはふいにベースソロを打ち込んだりいたりする。

そういうことを平気でするのだ。

だから、米津くんのサウンドは凄いのである。

そもそも「砂の惑星」の冒頭だって、キーボードとギターでグルーヴ作っているのに、なぜか打楽器は木魚みたいなポコポコ音と、鈴の音に任せてるしね。

不協和音状態で、釣り合わないコードをミックスさせるようなマネもしているしね。

おまけに、2番ではさらに音の種類を増えやしていき、カオス感を強くさせているしね。

間奏では、キュ〜て圧縮したような音をふいに打ち込んだりするしね。

音のバーゲンセール感が強いわけだ。

でも、くどくないから凄いのだ、米津くんのサウンドは。

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サビの入り方

結局、米津くんの歌が聴き心地が良いのはサビの入りが気持ち良いからだと思うのだ。(日本人はサビ市場主義だから、サビさえ気持ちよければ大体名曲認定するのである)

「打上花火」はサビ前の1小節のリバース音を使い、次の1拍目は休符、2拍目からインストが入る。

つまり、サビ前に意図的に間を作ってるわけだ。

これは、「ピースサイン」でも同じで、サビの前、ボーカルの休符と同じタイミングで、一瞬間全てのパートが音を止める。

そしてすぐその後に、シンバルがその間を引き継ぐようしゃあああああん、と音を鳴らしている(これは打上花火のリバース音と同じ役割を与えているように思う)

「砂の惑星」も、だっ、だっ、だっ、という音をBメロとサビの間に挟むことで、今からサビ始まるよ!ここから音楽盛り上がるよ!準備してね!と合図をしているわけである。

サビへの導きが優しいわけだ。

だから、気持ちよく「ノレる」わけだ。

やたらコーラス入れる

「ピースサイン」では冒頭からウォーウォーというコーラスをいれているし、サビでも2回、うあーうあーうあーのコーラスセットをひとつのサビ中に2回仕込んでいる。

Cメロでも、うあーうあーのコーラスを入れてるし、その後の間奏では、もちろん最初と同じようなウォーウォーのコーラス。

「砂の惑星」ではミクさんと絶妙なコーラスしているし、「打上花火」ではDAOKOと美メロコーラスをしている。

米津の声はサビに入ることで映えるタイプなのである。(同じ天才でも、桑田佳祐なんかはコーラスをやっても存在感が強すぎてコーラスにならなかったりするわけで、米津くんはその按配がちょうどいいのだ)

このように、米津くんの音楽には色々と魅力があるということで、その魅力が楽曲ごとに表情変えて現れる。

だから、米津くんは天才で、優れたメロディーメーカーと言えるわけだ。

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