メンヘラの皆さん、こんばんわ。ハロウィンですけど、楽しい恋愛できていますか?

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いや、ほんとこの数年で「メンヘラ」って言葉が驚くほど広がったなーと。

これほどまでに市民権を得た言葉もないと思うんですよ。

それこそTwitterで「メンヘラ」とググれば出るわ出るわ。報われない恋愛をしてきたことを自慢するような恋愛ポエムツイートの数々が。

まあどんな形であれ、その恋愛を楽しそうに「ネタ」にできるなら、それは素晴らしいことだと思います。

で、それに呼応するかのように「メンヘラ」という言葉でラベリング・カテゴライズされるバンド、アーティストが増えてきたよなーと感じる次第。

でもね、たまに思うんですよ。

あれ?メンヘラってなんだったっけって。

ここで言われているメンヘラは本当にメンヘラなのだろうか?僕たちが愛していたメンヘラって、こういうことだったんだろうか?そんなことをふと思うんですよ。

そこで、この記事ではメンヘラと呼ばれているアーティストやバンドは、本当にメンヘラ的なのかを改めて考えてみたいなーと。

メンヘラとは何か?

まず、大事になるのが「メンヘラ」という言葉の捉え方。

一体どういう要素を「メンヘラ」と呼ぶのか?

まずはそこから考えてみたい。

もちろん、カタカナワードなんて人によって意味の捉え方が違うことはよくある。

「アイドルとは何か?」「ロックとは何か?」そういうカタカナワードにクエスチョンを突きつけると、往々にして「いや、それは違うでしょ?」と文句を言われるのが人生の性で、それはメンヘラにも同じことが言えると思う。

とはいえ、まったくの参照点なしでメンヘラの話を進めていくのも少し酷なので、この記事では、キュウソネコカミの「メンへラちゃん」を参考にしながら、メンヘラ的要素とは何かを考えてみたい。

この歌では「メンヘラっぽい女の子」を揶揄するフレーズが幾つも散見されるが、その部分を抜き出していくと、メンヘラとは、こんな感じになる。

・連絡頻度がえぐい
・束縛がえぐい
・依存度が高い
・常に男(女)がいる
・SNS荒れる
・酒で薬(睡眠薬)飲む
・想い重い

で、これって、つまり下記のようなことが言えると思う。

・相手のことなど御構い無しで、とにかく一方的に自分の気持ちを相手に押し付けようとする

・少しでも自分の期待通りに相手が動かなかったら、取り乱し、その心の乱れを自分でコントロールできないため、自分以外の何かで満たそうとする。

こんな感じだと思う。

連絡を送りまくったり相手を束縛しようとするのは浮気をされることが不安というよりも、そこで生じる不安をコントロールできなくて、先に自分で相手のことをコントロールしたくなる自分本位が問題であるように感じる。

自分の感情をコントロールできないから浮気だって簡単にするし、相手にひどいことも簡単にできる。

ここが大きいように思うのだ。

つまり、自分のことはコントロールできないくせに相手のことをコントロールする。

これがメンヘラの本質だと思うのだ。

そこで、ここをベースにしながら改めて色々と考えていきたい。

クリープハイプ

メンヘラと言えば?こう訊ねたら、かなりの確率で返ってくる解答がクリープハイプだと思う。

クリープハイプはメンヘラバンドの代表格と言われることが多い。

けれど、本当にそうだろうか?

例えば、クリープハイプの歌で、相手の迷惑を顧みずに、一方的に相手の気持ちを送る歌があるだろうか?相手の感情なんて御構い無しで、一方通行になっている歌があるだろうか?

もちろん、歌という性質上、不在の相手に対して自分の気持ちを表現するため、ある種独りよがりになる部分はあると思う。

感情をダラダラと垂れ流している部分もあるだろうし、表現の仕方が少し独特であるのも確かだ。

けれど、相手のことなんてまったくの御構い無しで気持ちを送り続ける歌、というのは少ない気がする。

むしろ、クリープハイプの歌は、関係が終わった後の歌や、別れたことにより気づいた心の空白とか、その別れに対する後悔とかを題材にした歌が多い気がする。

別れた相手に対して思うこと自体は、別にメンヘラ的態度とは思わない。

相手のことを色んなレベルで思い続けることと、依存しまくることは違う気がする。

確かに心の空洞を意識させる歌が多いため、依存先を失ったメンヘラに刺さる歌は多いのかもしれないが、クリープの歌自体が根っからのメンヘラかといえば、そんなことはない気がするわけだ。

関連記事:クリープハイプを好きな理由について

My Hair is Bad

元カノのこと、引きずりすぎでしょ?という歌は多いが、ほとんどの歌は相手と向き合った果てに別れを決断をした歌が多いように思う。

その別れに後悔したり、思い出のなかでズルズルすること自体は、個人的にはメンヘラだとは思わない。

ちゃんと別れているところ、後悔を抱きながら前を向こうとしているそのスタンスは、メンヘラと非なるもののように思うのだ。

クリープもそうだが、別れを惜しむこと自体は決してメンヘラ的態度とは思えない。

自分の意志のままに相手をコントロールしようとする態度や、自分の思い通りにならなかったときに出る態度の横暴さこそがメンヘラであり、それと比較したときのクリープやマイヘアの「メンヘラ性」なんて可愛いものである。

関連記事:僕がMy Hair is Badとその周りについて思うこと

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Syrup 16g

内向的というか、鬱ってるなーという感じはする。メンがヘラっているという意味では、ある意味メンヘラ的と呼べるのかもしれない。

けれど、Syrup 16gのヘラり具合は自己完結型というか、相手の方に向かうようなものではあまりない感じがする。

Syrup 16gは相手のことをコントロールしたいというよりも、俺ってダメなんだ〜ぐわあ〜もうダメ〜死ぬ〜みたいな感じというか、闇のベクトルが恋愛中毒者的メンヘラのそれとは少し違う気がするので、ここでいうメンヘラ的カテゴリーとは、また違う気がする。

あいみょん

あいみょんの場合、「貴方解剖純愛歌 ~死ね~」のおまえは死ね、ってスタンスがメンヘラ的に見えるだけで、トータルの楽曲で見たアーティストとしてのあいみょんは、別にメンヘラではないように感じる。

むしろ、色んな歌を歌い分けるという意味では、恋愛そのものに対してはドライなようにすら見えてくる。

大森靖子・ミオヤマザキ

この2組も言葉としては過激であるし、メンヘラ的要素を兼ね備えた歌がいくつか散見される。

ただし、どれだけ過激な言葉を使おうと、そこに宿っているのは、相手をコントロールしたいという欲望よりも、自分を認めてほしいという気持ちの強さのように感じるのだ。

言ってしまえば、自己表現としてのメンヘラという気がするのだ。

悪い言い方をすれば、アイコンとしての「メンヘラ」というか。

アーティストそのものがメンヘラというよりも、メンヘラ的アプローチを使いながら自己表現をしていくタイプのアーティストであり、ここで主題としているアーティストそのもののメンヘラ性とは乖離している印象を受ける。

もしミオヤマザキが本質的にメンヘラ的なのだとすれば、相手をコントロールしたい欲望が楽曲を通じて透けてみえるはずだが、MV含めて見えるのは自分を表現したい(メッセージを伝えたいということ含めて)ことだけであり、つまりそれはメンヘラをアイコン化することで、表現しているだけのように見えるわけだ。

だから、メンヘラ的アーティストなのか?と問われたら、またちょっと違うように感じるわけだ。

関連記事:あいみょん、すごく良いみょん!!

誰がメンヘラなのか?

相手をコントロールしようとする…自分の気持ち優先で相手のことは御構い無し。

本論がポイントとするメンヘラはここで、ここに噛んでこないとメンヘラアーティストとは言えないわけだ。

しかも本人がメンヘラを意識してそれをやってたらまだ微妙で、それはビジネスメンヘラでしかない。

本人が「自分はメンヘラである」ということを自覚していない感じもポイントとなるのだ。

そんなアーティストいるのか?

いるのだ。それが。

西野カナ。

彼女である。グダグダと言葉を並べるのも愚かしいので、とりあえず「トリセツ」という歌を聴いてほしい。

…………。

……。

…。

聴きましたか?皆さん?

もうね、メンヘラ要素の役満じゃないですか?この歌?マジでマジでマジで。

相手の気持ちなんて無視して自分の感情を一方通行で押し付ける。しかもそれは善意100%だと思っている。しかも「永久保証」という言葉を用いて、相手への依存度を示しながら、相手の全てをコントロールしようとするその態度。

これですよ、これ。

精神的メンヘラっていうのは、こういうのを言うんですよ。

他の楽曲をみても、一見相手に対して「大好き」の気持ちを伝えているだけの、献身性を装いながら、本音の部分では、相手をコントロールすることしか考えていないような歌が幾つも散見されるんです。

死ね、って過激な言葉を言わないからこそ、相手が自分の思い通りにならなかったら、絶対に包丁とかを持ってそれをぶん投げてきますよ。

浮気とかじゃなくて、単純に自分の理想に相手がいないだけで「裏切られた」って思うタイプですよ、絶対に。

アイコンとしてのメンヘラではなく、ビジネスとしてのメンヘラでもなく、マジモノのメンヘラ。

それが、西野カナです。

そんな彼女も今年度で30歳。

この先が楽しみです。

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