良いライブとは何か?についての考察

スポンサーリンク

なんとはなしにライブを観ていると、こんなことを言うことがある。

このバンドはライブが良い、とか。

あるいは、このバンドはライブが良くない、とか。

ところで、ライブが良い、とはどういう状態を指すのだろうか?

人によって意見はいくつかあるとは思う。

ただ、ひとつ言えるのは<ライブが良い>と<ライブが上手い>は似ているようで、ちょっと違った概念だということだ。

<上手い>というのは、技術的な良し悪しを語る言葉になる。

ボーカルであれば<上手い>という言葉は、声量が出ているとか、音程を外さないとか、安定感があるとか、そういう技術的な要素を指差したものになるだろう。

でも、<ライブが良い>と評される場合、必ずしも技術的な要件を満たしていなくても良い。

もちろん、最低限のギジュ的な水準すら達していない場合は、<ライブが良い>と評価をされることはほとんどないだろう。

が、技術が高い方が常に<ライブが良い>という評価をされるかというと、そんなことはないように思う。

特にバンドの場合、技術的には上手いのに<ライブは微妙>みたいな評価をされることもある。

まあ、この辺りは観ている側の感性によって違いが出るので一概に言えるものではないけれど、少なくともライブの良し悪しは技術論に集約できるわけではない。

話を戻そう。

そこまで考えたとき、ライブが良い、というのは一体どういう状態を指すのだろうか?

スポンサーリンク

ライブが良い、に対する考察

例えば、ライブの良し悪しを考えるうえで、音源との比較するケースがある。

音源と比較して優れたパフォーマンスができる場合、そのアーティストは<ライブが良い>と評価をされる。

逆の場合は、<(音源は良いのに)ライブはイマイチ>と評価をされることが多い。

音源の場合、色んなやり方でその音源を修正できる分、完成度の高さを上げることができる。

けれど、その修正を積み重ねることで、現実との乖離が生まれ、場合によってはそれがライブが良くない、に映ってしまうことがあるわけだ。

確かに自分も音源とパフォーマンスに大きな違いがあるバンドのライブをみると、同じような感想を抱く可能性は高い。

でも、音源よりも技術的に優れていなかったとしても、<ライブが良い>と評価される可能性はある。

ライブでしかできないエモーショナルなパフォーマンスが、そのバンドのライブの評価に直結することもあるからだ。

MCだったり、曲を披露する際の空気感だったり・・・ライブだからこそ、の魅せ方で大きな加点を獲得した結果、<良いライブを行う>という評価を勝ち取るケースもあるわけだ。

<ライブが良い>の軸は、必ずしもひとつだけで語ることができない。

では、結局のところ、良いライブってどういうライブを指すのだろうか?

自分的に、ひとつ感じているものがある。

それは、ライブに対する没頭具合だ。

というのも、良いライブほど、そのライブの時間があっという間に終わってしまう心地になると思うんだけど、それはそれだけそのライブに没頭しているからだ。

逆にいうと、退屈なライブだと、そのライブの時間がものすごく長く感じてしまう。

それは、それだけそのライブに没頭できていないからだ。

この<没頭>を軸にして考えると、前述で説明した技術的な話にもうまく敷衍ができる。

要は、技術的に下手くそライブをみている場合、おうおうにしてそのライブへの集中を阻害されてしまう。

ここぞのところで演奏をミスされると、ライブから悪い意味で現実に引き戻されてしまうのだ。

こうなると、そこからそのライブが<良い>と思える印象に変化させることは、大変になる。

ただし、技術的なラインではその演奏に没頭させるラインに達していなかったとしても、MCの熱さだったり、独特のパッションといった、演奏とは違う技術的な要素で、そのラインを飛び越えるケースもある。

ライブの熱さが、時としてライブの良さに繋がることがあるのは、こういうケースがあるからだ。

ライブを没頭させるうえで、必ずしも演奏の技術的な部分だけに固執する必要はないわけだ。

そのバンドにしかない魅力で惹きつけることだって、できるわけだ。

ただし、能力を五角形で考えたとき、あまりにもひとつの項目の点数が低すぎると、そこがきっかけで現実に引き戻されてしまう可能性があるので、ある程度の技術は必要なのかなーと個人的には思ったりするけども

まとめ

良いライブとは素直にそのライブに没頭できるライブのこと。

自分は、そんなふうに思っている。

そういう意味でいうと、妙にMCで恥ずかしがったりするのは現実に引き戻してしまう可能性があるので、良いライブじゃなくなる可能性があるし、良いライブを目指すためには<現実に引き戻してしまう要素>をひとつひとつ潰すのが大事なのかなーと思っていたりする。

まあ、これは音楽に限らず、お笑いなどのような芸事でも同じなのかなーとは思うけどね。

そんなことを思いながら、春フェスの感想をSNS上で眺める、そんな休日。

スポンサーリンク

LINEで送る
Pocket