前説

特定のバンドを集中的に聴いていると、このバンド、また歌詞に同じ単語入れてるやん!!!と思うことがある。

というわけで、この記事では、個人的にこのバンドといえば、この単語のイメージが強いなーと感じているものを紹介したいなーと思う。

そのバンドのことを味わう、新たなきっかけにしてもらえたら幸いである。

本編

サカナクション「夜」

サカナクションといえば、「夜」というワードのイメージが強い。

コアなサカナクションのファンじゃなくても、サカナクションって「夜」のイメージが強いよねーと思っている人が多いのではないだろうか。

まあ、「夜」という言葉自体は珍しいわけじゃない。

きっと、他のバンドの歌でもたくさん出てくる言葉だとは思うのだ。

けども、「夜」というワードをよく使うバンドと言えば?という問い立てをしたら、けっこうな確率で、サカナクションの名前を挙げるのではないかと思うのだ。

なんにせよ、サカナクションが歌詞の中に「夜」という単語を使うと、またこのワード使ってるやん、となる人は多いと思う。

それくらいには「夜」というワードの存在感が強い。

内面のことをネガティブに歌うことが多いサカナクションだからこそ、「夜」に想いを託すことが多いんだろうなーと思う。

サカナクションほど「太陽」とか「朝日」って言葉が似合わないバンドもいないもんな〜。

北海道のバンドではあるけども、ライジングサンで二日目の大トリをやる姿、想像つかないもんな〜。

なお、今年リリースされたアルバムには、そこまで「夜」というワードは出てこない。

関連記事:サカナクション「834.194」の感想とタイトルの意味

スピッツ「今」

スピッツは「今」という単語の頻出頻度がすごく高い。

実際、「今」という歌も発表している程度には、「今」という言葉に愛着を持っているのだと思う。

思えば、意外とスピッツの歌って過去の回想をしたり、未来に思いをはせるのではなく、今そこにいる2人のことを主人公にして歌った歌が多いような気もする。

妄想ひねくれバンドというイメージが強いけれど、意外と「今」と対峙するバンドなのだ。

なお、スピッツの「今」というワードが出てくるもっとも有名な歌といえば「空も飛べるはず」「ロビンソン」である。

また、「今」というワードが出てくる、個人的に今推したいスピッツソングは「大宮サンセット」である。

聴いてみてほしい。

関連記事:個人的スピッツお気に入り歌詞フレーズ7選

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UNISON SQUARE GARDEN「街」

ユニゾンの歌では「街」という言葉が印象に残ることが多い。

奇天烈な単語や独特の造語に目がいきがちだが、街のことをここまで言葉にしたためるバンドもそうはいないのではないかと思うのだ。

何より、作詞を手掛ける田淵の場合、自身のブログでも「街」という言葉はキーポイントとして使われることが多い。

ライブをすることやツアーを行う哲学を語るうえでも「街」という単位をトピックとしてよくあげるし、「街」という単位を大事にしているように思うのだ。

もしかしたら、「街」という言葉に着目してユニゾンの音楽を聴くと、彼らが歌詞を通して伝えたい自分たちの本音が見えてくるかもしれない。

実際、アルバムでは「自分たちのスタンス」をテーマにしていることも多いしね。

関連記事:徹頭徹尾な、ユニゾン「MODE MOOD MODE」解釈論!

andymori「風」

サカナクションもスピッツもそうなんだけど、頻出単語を駆使して歌詞を「っぽく」描くバンドマンは風という単語を高頻度で使いがちである。

風というのは歌詞を書くうえで便利な言葉だ。

だって、風を吹かせるだけで、景色をそれっぽく描くことができてしまうから。

しかし、ありきたりな言葉だからこそ、使い方を誤ると凡庸なフレーズになってしまう。

しかし、「風」という言葉を多用しながらも、「風」を使ったどんな歌も印象に残る歌に仕上げたバンドとして、僕はandymoriの名前を上げたい。

小山田壮平は本当に言葉の使い方が巧みだったし、どんな歌も景色の描き方が素敵だった。

もちろん、今の小山田壮平の歌だって歌詞の素晴らしさは際立っている。

だけど、やはりandymoriの歌の輝き方は、他のそれとはちょっと違っていたんだよなー、と今でも思ってしまうのである。

どれだけ小山田がキャリアを重ねても、andymoriの歌って別格だよなーと思ってしまうところはある。

良くも悪くも。

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まとめ

同じ人が歌詞を書く以上、偏って使いがちな単語って絶対に出てくる。

そして、頻出して使うワードにこそ、その作詞家の哲学みたいなものが見えてくることも多い。

そういうことを考えるきっかけになったらいいなと思って、このような記事を書いてみた。

自分の好きなバンドはどういう単語をよく使っているのかに注目しながら、歌詞を読み直してみるのも面白いかもしれない。

インタビューなんかでは語らない、そのバンドの「本音」が、もしかしたらそこに投影されているかもしれないから。

そんなことを思ったりする。

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