売れるバンドの方程式を考えてみた

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次に売れるバンドは何ですか?みたいな問いをいただくことがある。

それがわかっているなら苦労はしない。

そもそも自分は別に”音楽業界”の人ではないので、常日頃から新人発掘を生業としている人からすれば、自分が触れている音楽なんて部分の部分でしかないと思う。

ただ、それでも、みんな「次に誰が売れるか」という質問を考えるのが好きだし、その議題についてアレコレ意見を戦わせるのが好きだよな、とは思う。

で、だ。

確かにこういう問いを投げかけたら「今の若い人たちはInstagramやTikTokで新しい音楽を知ったり触れることが多いので、そういう場に積極的に使われるバンドは売れますよ」とか、「なんだかんだで見た目がフレッシュで”華”がある感じのバンドが売れますよ」とか、そういうっぽいことは返せるし、当たらずとも遠からずな回答の用意はできる。

実際、そういう例が当てはまるケースは多いし。

でも、自分の感覚でいえば、ネットで話題になるバンドの多くは、それよりも前に現場で話題になっているケースが多い印象を受ける。

よく売れる売れないの話をすると、○○はもうとっくに売れているよ、みたいな返しをされることが多いけれど、そもそもとしてSNSで話題になるアーティストの多くは、とっくにすでに母数はともかく一定数のファンを獲得しているバンドであることがほとんどであるように思うのだ。

当然、そのファンやその周辺からしたらとっくに売れているわけで。

それまでは、その魅力に気づいている人が一定数だったから規模感が固定されていただけで、「魅力に気づく」の人数を増やすうえでSNSは大きな力を解き放てるが、0から1の魅力を生み出す、という意味でSNSは基本的に無力である印象を受けるのだ。

なので、売れるどうかの話を考えるうえで、実はTikTokがどうのこうのというのは、わりとナンセンスだと思うし、本当にまぐれで一曲がバズった場合、だいたいその曲だけが話題となって消費されて、その影響力が波及することは少ないように思うのだ。

つまり、そういうSNSのあり気の話は売れる・売れないを考えるうえで、実はそこまで本質的な話ではないのではないか、というのがこの記事の話なのである。

じゃあ、売れるバンドの方程式ってなんだよ、という意見があると思うが、こと「バンド」に限って言えば、いくつかバンドを観たけれど、結局のところ、良いライブをするバンドが売れていくよなーという意見に行き着く。

というよりも、ライブをするたびに「良いライブ」にどんどん近づいていくバンドが、売れるバンドの方程式になっているよなーと思うのだ。

そして、個人的には「良いライブ」と「曲が良い」は別にイコールじゃなくてもよいと思っている。

というのも、結局のところ、曲の良し悪しはある程度好みに依存する部分が大きいけれど、「良いライブ」は好みの依存度が少ないように思うから。

全然サブスクでは聞かないけれど、ライブはめっちゃ好き、というバンドってわりと一定数いると思っていて、で、そういうことがなぜ起こるのかを考えたら、それはそのバンドのライブがいいからだ。

どんなバンドでも、多くの場合、お客さんがゼロに近い状態からライブが始まる。

でも、繰り返しライブをしていくなかで、少しずつファンを増やしていき、そのバンドが集客していく人数が増える。

なぜこういう流れが生まれるのかといえば、ライブをするたびに少しずつライブが良くなるからだ。

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最初からめっちゃ良い、である必要はない。

売れるうえで、とても大事なのは、ライブをするたびに「良いライブ」に近づいている、その成長感になると思っている。

もちろん、ロッキンとかビバラみたいな大きなフェスの大きなステージに出るようになったバンドは「良いライブ」をするがとっくに前提というか、洗練された選ばしものだけがステージに立つフェスなんだからそりゃあそうだろう的なアレがあって、ちょっと見え方が変わってくるんだけど、そういうところを目的として切磋琢磨しているバンドで考えると、この成長感が何よりも大事な要素だよなーと思うのである。

そして、この成長というのは、単に演奏が上手くなったとか、それだけの話じゃなくて、MCの振る舞いとか、曲と曲の間の時間の過ごし方とか、お客さんとのコミュニケーションの取り方とか、新しい曲の扱い方とか、色んな要素で言えることだと思う。

そういうところで一定水準のレベルに達したとき、はじめてSNSでバズるかも、とかTikTokで取り上げてどうのこうの、という話が生まれるのだと思う。

そして、こういうバズの話は結果論だと思うし、運の領域だと思うので、売れるという意味においての方程式とはまたちょっと違うように思うのだ。

方程式、という話で考えたら、結局のところ、少しずつ「良い」に近づいているライブをしていること、ここに話が行き着くのではないか。

改めて、そんなことを思うのである。

まとめに替えて

まあ、そんなにライブを観ていない人間が何を偉そうに、という話ではあるが、ある程度の規模感まで大きくなったバンドで、ライブだけは本当にダメだし退屈で見てられん・・・というバンドはマジで観たことないので、やっぱりここはなんだかんだで根本ではあるよなーと思う。

もちろん、世代ごとに「良いライブ」の基準はかなり違っていて、世代によっては同期音でごまかすバンドなんて言語道断だろうというケースもあるだろうし、自分からしたらまだまだ荒削りと思う演奏をしていても、もっと若い人からしたらそれが「とてもかっこよくて上手い演奏」と見えることもあるしで、この辺りを細かく掘り下げたら、もう少し混沌とはする。

ただ、「良いライブ」が何か、ということが大事なのではなくて。

ライブをするたびに「良い」に近づくライブをしている、ということが大事なのである、ということを改めて強調したうえで、この記事を締めくくってみたい。

仕事終わりにノリで書いた、わりとテキトーな感じの、そんな駄文

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