前説

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プロでバンド活動をやるということ、お仕事でバンドをやるということは、ある程度はビジネス的発想も必要になってくる。

言ってしまえば、どうやってお金を稼ぐのかという発想が必要になってくるわけだ。

バンドの場合、お客さんからお金をもらって活動をしている以上、一人の一人のお客さんとの関わりの密度を濃くするよりも、よりたくさんのお客さんに届くような振る舞いをする方が得策である。

例えば、人気の音楽番組に出演して自分たちのキラーチューンを披露するとか、そういうやり方じゃなくて「少ない労力でよりたくさんの人の目に留まるパフォーマンスをすることが重要になるわけである。

普通ならば。

しかし、そんなメジャーバンドの常識的を覆すようなことを行っているバンドがいる。

ヤバイTシャツ屋さん、だ。

え?どうことと思っている人は「ヤバT サイン」で検索してもらえたら、様相がわかると思う。

普通のバンドは手書きで何万のサインも作ろうとしない。

メジャーバンドのビジネス戦略としては、あまりにも費用対効果が悪いからだ。

でも、ヤバTってそういう費用対効果の悪いことを真面目にやり抜く熱さがある。

本編

ヤバTの魅力

例えば、ヤバTはその気になれば(たぶん)日本武道館でライブを行うことができるバンドだ。

少なくとも、武道館を埋めることができる動員力は誇っている。

けれど、ヤバTは日本武道館でのライブを目標にしないし、そこをバンドのストーリーの中に組み込むこともしない。

むしろ、そういう大きいところでライブをやるのだったら、Zepp(のようなライブハウスで)何日も連続してライブをやりたいと公言しているバンドである。

大きい会場でライブをするのが目標なバンドは多い。

それは単純に夢であるからだとは思うが、興行的に考えても一度にたくさんのお客さんを相手にする方が絶対にいい。

でも、ヤバTはそういうビズネス的な計算は入れずにバンドのキャリアを考えている。

こういうところがヤバTの良さなんだよなーと思う。

音楽番組出演におけるスタンスにおいても、ヤバTは「紅白」の出演を達成してからではない限り、他の音楽番組では演奏しないことを公言している。

だから、Mステをはじめ様々な音楽番組に出演していてもおかしくなさそうなヤバTは、(たぶん)まだ音楽番組で演奏を披露していない。

ネタっぽい歌を歌うくせに、一見すると色んなものに媚びをうっているように見えるくせに、ヤバTはこういう頑固なところがある。

そういうところがヤバTの良さなんだよなーと思う。

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ヤバTの良さについて

通底してあるのは、お客さん一人ひとりと向かっていくという姿勢なのだと思う。

売れれば売れるほど、バンドってお客様を「数」として捉えざるを得ないところがある。

それは寂しいことではあるが、仕方がないことだし、活動を持続可能なものにするためには、ある程度「数」にこだわった戦略をとっていく必要がある。

しかし、ヤバTは違う。

相当な数のお客さんを動員できるようになっても、お客さん一人ひとりと向き合っていくような熱さがあるのである。

そして、そういう熱さが音楽にも宿っている。

いや、たしかに歌詞はふざけたものが多い。

でも、ライブの立ち振舞いとか、熱くなったときのMCとかは胸に突き刺さるものがある。

10-FEETやロットンのような熱いバンドに可愛がられている(ように見える)のも、ヤバTが本質的には「熱い」バンドだからだと思うのだ。

楽曲は熱いノリだけど、口先だけで行動は伴っていないバンドだってたくさんいる中で、ヤバTは真逆を行くからかっこいいのだ。

口ではふざけたことを言っていても、行動で自分たちの「熱さ」を示す。

そんなユーモアと熱さを同居させたヤバTが、満を持して今年アルバムをリリースするというのだから楽しみで仕方がない。

そういう話なのである。

まとめ

昔、ヤバTが泡の歌を作ったので、AWAというサブスクでその歌についてコメントを書くというダジャレ的なボケをかましたところ、AWAに拾ってもらった。

AWAで泡の歌にコメントを載せるという、Creepy nutsもびっくりの韻踏みを魅せたのだが、その「ボケ」が伝わることなく、泡のようにツイートが消えていったことを昨日のことのように覚えている。

もしかしたら。

ヤバTの音楽をコメントするのに、「ボケ」はもう必要ないのかもしれない。

なぜなら、ヤバTの音楽は実は「熱い」ものであるということをたくさんの人が知っているから。

今はただ、彼らの新譜が楽しみで仕方がない。

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