ライブバンド・Organic Callが紡ぐ”最後の愛”の話

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過去に2度、当ブログの主催イベントにも出演してもらった​​Organic Call。今回は「最後の愛」というシングルがリリースされるということで、その楽曲のお話を訊くべく、当ブログとしては久しぶりにインタビューを敢行させていただいた。Organic Callのギターボーカルであるヒラタナオヤとのインタビューである。

それでは、どうぞ。

2022年を起点にした「最後の愛」の話

──まず、2022年はバンドにとって、どんな一年でしたか?

ヒラタ:自分たちにとってプラスの一年でした。やれることが制限される中で、何をやれるのかをずっと考えてて。一昨年くらいから考えてきたことが、去年、徐々に色んな形になったなーと。(例えば)サーキットをやろうだとか、初のワンマンはダブダブ(渋谷WWWというライブハウスの略)でやろうとか、そういうことを有言実行できた年でした。

──「最後の愛」も、2022年の活動の中で制作を進めたんですか?

ヒラタ:レコーディングは、日輪祭(東京日輪音楽祭というOrganic Call主催のサーキットイベントの略)の時くらいの、10月頃から開始しました。で、この曲を作るきっかけになったことがあって、Made in Me.ってバンドがいるんですけど、そこも下北沢でサーキットをやっていて。で、SANAGARAっていう、10人から20人くらいのデザイナーとかクリエイターがいる服のブランドがあるんですけど、SANAGARAがMade in Me.のやっているビリフェス(通称:Re:Habilis Festival)とコラボして、ビリフェスに出演する数バンドでSANAGARA × ビリフェスのコラボシャツを出そうっていうのに声をかけてもらって。で、Organic CallとSANAGARAのコラボロンTっていうのを出したんですけど、その試作品が送られてきたときに、担当してくれた方の手紙も一緒に入っていて。「今、大変な世の中だけど、服を作るってことで誰かを幸せにしたりとかできると思って、一緒に盛り上げられたら嬉しい」みたいなことが書いてあって。僕らなりにも、今なんとなく(世の中が)大変ってわかっているから、音楽面で何か表現したいなあって思ったのが、書き始めたスタートでした。

──なるほどですね。

ヒラタ:歌詞とかでも、「名前も知らない人が亡くなって 悲しいニュースで溢れてしまった 戦争は止められないけれど」という部分が入っていたり。(近隣の国で起こっている戦争の)映像とか観たりして感じた言葉が入っていて・・・。

──「戦争」というワードが入っているのは、そういう世の中で起こっていることで感じたことを受けて、使われた言葉だったということですね。

ヒラタ:そうですね。

──個人的には「フタリ」というワードがカタカナなのが気になりました。

ヒラタ:これは感覚的な話で、曲のタイトルとかもそうですけど、カタカナと漢字と平仮名とかで、イメージって変わるじゃないですか。数字の”二人”だと、”二人”感が強すぎるというか。この”フタリ”っていうのはMVではちょっと恋人風の、恋人のストーリーになっているんですけど、恋人じゃなくてもいいというか。数字の”二人”だとそう見えちゃうなと思って、それが嫌で、僕はよくカタカナにしがちかもしれません。

──ここで描かれている愛の意味とは何なのでしょうか?

ヒラタ:Organic Callの曲って恋愛ソングがないし、僕も別に興味がなくて。そういうので書きたいなと思うことが本当になくて。どちらかというと、より生活的というか、日常的に思ったこととか、周りにあるものを曲にしたいってことが多いので。愛の歌ではあるんですけど、恋”愛”の歌ではないっていうのをわかってもらえたらなって思います。

──言葉の展開も面白い歌ですよね。

ヒラタ:言葉遊びも面白く詰めたりはしてますね。「傷は消えないようだ」という歌い出しに対して、「傷は見えないようだ」というのがあったり。”さよならであいを知った”が三つの意味を持っていたり。そういう言葉遊びは、曲の意味がとおる範囲でしていますね。

──ちなみに歌詞ってどんな風に書くんですか?

ヒラタ:歌詞ノートがあって、それに一番最初に書きたいこととかを(見開きの)右左の、右にどんどん書いていきます。例えば、「最後の愛」だと、<戦争><悲しい人>みたいな。そっから紐づけて、ワードを入れていって、で、その中から一文になりそうなやつをどんどん作っていく。というのと、iPhoneのメモ帳。そのダブルですね。ただ、紙描きは今でも全曲分、やってますね。データだと消せちゃうんで、間違っても残せるのがいいなあと。

──ちなみに、「最後の愛」のアレンジはすぐ決まったんですか?

ヒラタ:はい、アレンジはわりとスパスパ決まりました。「最後の愛」自体は、けっこうOrganic Callらしさみたいなものがあると思っていて。「ブルーアワー」とか「朝焼けに染まった街へ」とか聴いていた人も「あ、Organic Callだ」と思ってもらえるというか。こういうものを作るのは得意ではあるので、わりとスパっと決まりました。

カップリング曲である「Night Forever(feat.ナナジュウハチ)[kai Remix]」の話

ヒラタ:「Night Forever(feat.ナナジュウハチ)[kai Remix]」自体は少し前に出したんですけど、「Night Forever」はgatoのManipulatorのkai君っていう、僕のお友達にリミックスしてもらいました。gatoって聴いたことありますか?

──そこまで深くは・・・ですね。

ヒラタ:gatoってエレクトリックで、僕らとはけっこう遠く離れた存在で。でも、エレクトリックをバンドサウンドでやる、みたいな。ドラムも打ち込みなんですけど、生ドラムも叩いていたりとか。

──なるほどです。・・・にしても、kaiさんって、お友達だったんですよね。

ヒラタ:そうなんですよ。kai君とは大学が一緒で、はじめサークルどこに入るみたいな話のときに一緒だったんですよ。で、僕はOrganic Callを始めて、そのちょっと後に彼はgatoを始めて、そこからそれぞれ音楽を突き進めて。で、一年くらい前に一緒にご飯食べに行ったときに、なんかリミックスを作ってよ、みたいな。(というのも、)彼がgatoのときにセルフリミックスをやっていて、自分のアルバムの曲たちを自分でセルフリミックスするみたいなことをやっていて、それを聴いたときにめちゃくちゃいいじゃんってなってて。それで、「Night Forever(feat.ナナジュウハチ)」のリミックスをお願いしました。

──なぜ「Night Forever(feat.ナナジュウハチ)」は、原曲のままの収録ではなく、リミックスにしたんですか?

ヒラタ:もともと配信でリリースしていたから、ではあるんですけど、僕ら、音楽で自由にやりたいと思っていて。「Night Forever」の原曲は、ナナジュウハチっていうシンガーソングライターの子に、2番のAメロを書いてもらって歌ったりとかしていて。(音楽的に)縛られたくないなっていう。形ってどんどん変わっていくと思うし、やったことないことにどんどん挑戦していく。(冒頭の質問にかけて答えると、2022年は)フューチャリングだったりリミックスだったりっていうのを色々チャレンジした年でもありました。

──なるほどです。

ヒラタ:今までOrganic Callはみんなでスタジオで曲を合わせるということが多かったんですけど、コロナ禍でなかなかみんな会えない時間が増えて、スタジオに入れないけど、それをなんとかプラスにしたい、それじゃあ曲を作りたい、コロナが明けたらアルバムもどかんと出したい、くらいの曲をストックしようと思って。そこからパソコンを買って、環境を整えて、DTMをはじめて。最初はしょぼかったんですけど、今はだいぶデモのクオリティーが上がって。で、「Night Forever(feat.ナナジュウハチ)」はほぼデモのまんまで。僕が一人で全部打ち込んで、ギターも弾いてっていう感じで、家で一人で作りきったみたいな形でした。

「最後の愛」のMVの話

──このMVは、誰のアイデアだったんですか?

ヒラタ:監督さんですね。わりとストーリーチックというか。監督さんがこうしたいっていうアイデアを出してくれて。MVのとき、昔はけっこう一緒に考えてやってたんですけど、逆になんか、ここはこういう風で・・・とかって、初っ端に言うのはあんまりよくないのかなと思っていて。

──といいますと?

ヒラタ:(自分が思っている)そのイメージになっちゃうというか。それより、一回聞きたいなって、最近。何にでもそうなんですけど、俺なら思いつかない、めっちゃ良いってなる可能性もあるので。このミュージックビデオもわりとそういう感じでした。

──たしかにとても良いMVですね。

ヒラタ:ただ、内容はとても良いんですが、撮影がとても大変でした。

──そうなんですか?

ヒラタ:山梨の富士山の標高の高いところで撮影したんですけど、当日は雪が降っていて車が走れなくなって撮影時間が大幅に押したりとか。帰りも車が山道を登れなくなって、ドラムセットが撮影場所に取り残されてしまったりとか・・・。とにかく大変な1日でした。

──でも、MV自体はそんなドタバタを一切感じさせない、とても良い内容ですね。

「最後の愛」を引っ提げたツアーの話

ヒラタ:(『最後の愛』 – Daybreak Tour 2023 -のツアーは)渋谷が3markets[]とanewhite、名古屋がプッシュプルポットとAtomic Skipper、大阪がbokula.とBlue Mashで、ファイナルがIvy to Fraudulent Gameとやらせてもらいます。

──なるほどです。

ヒラタ:群馬にKAKASHIってバンドがいるんですけど、去年の夏に後輩のAdlerっていうバンドの企画に出て、KAKASHIとAdlerと僕らのスリーマンをクレスト(Spotify O-Crestというライブハウスの略)でやったんですけど、そのときに、アイビー(Ivy to Fraudulent Game)のベースのリョウタロウさん(カワイリョウタロウ)が、KAKASHIに会いに遊びにきてて。で、そこで会って話して・・・がスタートですね。なので、意外とちゃんと話したのは、ここ半年以内ですね。

──なるほどです。

ヒラタ:他公演は年下だったり、今きてるバンドだったりするんですけど、(ツアー)ファイナルはやっぱり挑戦したなーっていう気持ちが(あって)。

──やっぱり年下のバンドと違いますか?

ヒラタ:そうですね。年末のクレストって五日間くらい、すんごいアーティストがばーっと出るんですよ。で、そこで久々にアイビーのライブを観たらめちゃくちゃ良くて。正直、ライブのかっこよさでいうとそこらへんとは(違って)群を抜いて良いなあと思いました。久しぶりに話すのもドキドキしましたね。宣さん(寺口宣明)ってマジでオーラがある人というか。バンドをやってないときにアイビーのライブにも行ってたので。

<リリースツアー>
New Single『最後の愛』
– Daybreak Tour 2023 –

■3月1日(水)渋谷Spotify O-Crest ※2MAN SHOW
w/ Ivy to Fraudulent Game

▼「Daybreak Tour 2023」 一般発売チケットご購入先
https://eplus.jp/organiccall/

2023年、そして今後の展望

ヒラタ:新しい雰囲気の曲を作りたいですね。去年のリリースで(Night Forever(feat.ナナジュウハチ)のような)新しい曲を出して、わりとみんなに受け止めてもらえた感覚があるので、そういった曲を世に出したいです。あとは、ライブをわりとやってるんですけど、去年は80本くらいだったので、今年は100本やりたいという気持ちがあります。たくさんライブをやりたいです。

──なるほどです。

ヒラタ:あと、今年は東京日輪音楽祭を違った形でやろうと別の企みをしていて、いつか日輪音楽祭を日の丸の元でできるように、キャパをもっと広げたところとか、2会場とかでライブをやりたいですね。

──今年はライブを100本やりたいという話がありましたが、ライブの本数にこだわる理由は何なのでしょうか?

ヒラタ:僕、よく、ライブハウスで待ってるって言うんですけど、純粋にライブが多ければ、人が来れるタイミングが多いじゃんという話で。みんな仕事をしてて学校があって、個人の予定がある中で、(例えば)月に一本しかライブがないと、その空き時間が被ることって少ないじゃないですか。でも、いっぱいライブをやっていれば、その確率が上がるので、来やすくなるっている純粋な考えです。で、俺はライブハウスで(ライブを)観てほしいし、それが一番でありたいって思うので、それを行動で体現して・・・って感じですかね。

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