「ミックスナッツ EP」をもって、やばいに磨きをかけるOfficial髭男dism

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ちょっとだけ冷静になって振り返ってみた。

今年のOfficial髭男dismのリリースを。

リリースされたepはひとつで、『ミックスナッツ ep」である。

この楽曲には、2曲の映画主題歌が収録されている。

口に素麺を入れるかのように、するっと楽曲紹介の欄に入っている「映画主題歌2曲」という文字。

よく考えると、これ、やばいよなあと思うのだ。

どういうことか?

だって、こんなに軽やかに「映画主題歌」を担当していることなんて、そうはないやん、と思ってしまうのである。

いやね、もちろん、バンドの方向性によって、タイアップを好むケースとそうでないケースがある。

これは、バンドをどういう形で進化させていき、どういう規模感でリスナーに楽曲を届けたいかの話だと思うので、良いも悪いもない。

ただ、そのバンドがタイアップはなるべく行いたい、という意志を持っていたとすると、映画主題歌という大きな目標にはなると思うのだ。

なぜなら、映画主題歌って、タイアップにおいてもまた違う意味合いを持つから。

だって、提供した音楽は映画館で鳴らすことを想定されて作ることになるわけだ。

しかも、その映画館にいるのはきっちりお金を払って視聴した人たちだし、その人たちのために作った映画は相当な時間をかけて作ったものであるケースがほとんどだ。

たくさんの時間を経て作られた作品が、色んな感情をひきつれて、その作品の最後を締めくくるために登場するのが、映画主題歌になるわけだ。

そりゃあ、タイアップとしても生半可なノリで受けれないと思う。(バラエティー番組のエンディングで流れる場合とは、やはり<重さ>に違いはあるように感じてしまうわけだ)

どのタイアップだって重要な意味合いはあるとは思うけれど、やはり映画主題歌は気合いの入れ方がちょっと違うように感じるのが、自分の持論なのだ。

・・・ということを考えた時に、だ。

ひとつのepの中に映画主題歌2曲が収録されているOfficial髭男dismって、やばあ・・・・っ!!!!と思ってしまうのである。

しかも、同じ映画主題歌といっても「Anarchy」と「Choral A」でまったく色が違うのも凄いし。

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Official髭男dismの「ミックスナッツ EP」の話

そう。

単にタイアップがたくさんある、とかそういう話でもない辺りにヒゲダンの「やばさ」が潜んでいる。

「Anarchy」は80年代的ダンスミュージックの装いのある一曲で、「Choral A」はマーチング的な装いのある楽曲だ。

「ミックスナッツ」と「Choral A」では、アレンジにホーンセクションが際立っているという意味で、共通点はあるかもしれないが、管楽器のアプローチがまったく違っており、楽曲が目指している美学はまったく異なっていることを実感する。

まあ、「Choral A」は島根県警察音楽隊でサックスを演奏していた経験を持つメンバーの楢崎が楽曲を手掛けたのだから、藤原が手掛けた楽曲とは違う質感があるのも当然なんだけどね。

まあ、でも、そういうところを踏まえなかったとしても、バンドとしての引き出しの多さと<色合いのかぶらなさ>は強く実感することになると思う。

カップリング曲の「破顔」で入れて、楽曲の色を比べていくと、なおのことカオスになっていく。

初期の大乱闘スマッシュブラザーズのキャラクターはまだ整理できたが、最新のスマブラだと参戦ゲームキャラクターが増えすぎて?????になってしまうことがあるけれど、それに増えてしまったときのようなカオス感を感じる。

ただ、スマブラと大きく違うのは、ヒゲダンは四人組のバンドであるということであり、メンバーが固定されているはずのチームであるということだろうか。

いや、ほんと、振り返れば振り返るほどに、そのカオスに卒倒しそうになる。

だって、ヒゲダンはメジャーシーンに躍り出た際は、ピアノポップバンドだったり、ブラックミュージックの担い手、みたいな立ち位置だった気がするのだ。

が。

そういうものさしだけで語ることができない音楽しか、今作のepには収録されていないのだ。

とんでもない話だよなーと思う。

しかも、大衆的なポップの気持ちよさと、変態的音楽センスのマニアックさの両輪を持ち合わせた絶妙なバランスで成立させている楽曲が多いのも特徴で。

恐怖させることに容赦がないお化け屋敷と同じくらい、出会うたびの驚きが半端ない。

ただ、お化け屋敷と大きく違うのは、ヒゲダンは四人組のバンドであるということであり、メンバーは驚かせるつもりではなく、自分たちの音楽追求しているだけ、ということだろうか。

しかも、だ。

これだけ毎年話題を提供するアーティストであれば、勢いにおいてはそろそろ底が見えてもおかしくないはずである。

「あ、ヒゲダンってあのプリテンダーの一発屋よね」と噂されてもいいはずなのだ。

ところが、そういうトピックをぶち壊すかのように、数字から見る人気においてもこのバンドは容赦がないことを実感させる。

「ミックスナッツ」は自身最速でストリーミング累計1億回再生突破したというニュースは、そういう実態のエビデンスのひとつといえよう。

「ミックスナッツ」は、間違いなくヒゲダンにおいての新境地的な一作である。

少なくとも、今までの楽曲とは違うアプローチをいくつも取り上げた楽曲であるし、今の演奏技術だからこその見せ所を作っている楽曲でもある。

そういう楽曲をもってして、確かな偉業を達成するのだから、Official髭男dismの底なし感が漂うのである。

それこそ、SPY×FAMILYの各キャラクターのスペックくらい、やばいよなあと思ってしまうのである。

まとめ

ただ、SPY×FAMILYの各キャラクターと大きく違うのは、ヒゲダンは四人組のバンドであるということであり、メンバーはごく普通(?)人たちで構成されたチームであるということだろうか。

いや、普通・・・という表現はさすがに無理があるか。

やばいもんな、やっぱり。

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