BUMP OF CHICKENの春ソングは「pinkie」である派閥の声

スポンサーリンク

この記事を書いている今はまだまだ肌寒い季節だけど、もう少ししたら春の兆しも感じそうな昨今。

こういう時期、自分はわりと春ソングを聴きたくなっている。

春ソングってなんぞやと思う人もいるかもしれないが、どんなバンドでも、わりと春ソングって存在していると思う。

自分的に言えば、UNISON SQUARE GARDENの「春が来てぼくら」や、クリープハイプの「栞」とかが、わりと春ソングとして好きだ。

まあ、何をもって春ソングと捉えるかは人によって違うとは思う。

これは春の歌だ!という言及が歌側の方にはなかったとしても、歌の感じから春に似合う歌だなーというケースもあるだろうし。

ところで。

BUMP OF CHICKENであれば、どういう歌が一番”春”を感じるだろうか。

春の要素を感じる単語で構成された歌はいくつか思いつくが、直接的に春を舞台にしたと思われる歌はそこまでない印象。

冬を舞台にした歌ならいくつか存在しているが、BUMP OF CHICKENの歌は捉えようによって色んな解釈をできるものが多い分、これこそが春ソングの決定版と言えるほどの楽曲はないのかもしれない。

ちなみに自分的にBUMP OF CHICKENの春ソングをひとつ挙げるならば、「pinkie」を推しておきたい。

この歌は、「HAPPY」のカップリング曲である。

ただカップリング曲として、知る人ぞ知る歌として君臨するのは、あまりにももったいないと思う、そんな一曲である。

そこで、この記事ではBUMP OF CHICKENの「pinkie」の話をしてみたい。

スポンサーリンク

BUMP OF CHICKENの「pinkie」の話

ちなみに、「pinkie」は”桜”をテーマにして書かれた歌である。

なので、アレンジといい曲の雰囲気といい、どことなく春の空気感をもった一曲になっている。

ただ、藤原基央は”桜”というテーマをもってしても、独特の感性と言葉遣いでメッセージを紡いでいる印象だ。

桜をテーマにした楽曲を歌っているバンドっていくつもいると思う。

ただ、往々にして、桜をテーマにすると、特定の型にハマるケースが多い。

これはバンドの感性というよりも、桜という存在の大きさが理由と思われる。

桜ときけば、卒業式や入学式のイメージが強くなりがちだ。

それ故、出会いと別れを印象深く描くことが多くなる。

確かに春って新しいフェーズに進む季節であり、人生の門出になることも多い。

前述した「春が来てぼくら」や「栞」も、描き方はバンドの個性が出まくっているが、テーマとしてはそういう部分が軸になっている印象。

ただ、BUMP OF CHICKENの「pinkie」は、出会いと別れをテーマにした歌、という言葉だけで表現するには、スケールの大きさを感じる歌になっている。

いや、確かに出会いや別れが歌のキーワードにはなっている。

・・・んだけど、歌の中で表現される出会いや別れが、もっと観念的なものとして登場するのである。

歌のサビでは、「未来の私」と「あなたとの今」というワードが出てくるのだが、ここにBUMP OF CHICKENの歌らしい、独特の時制を感じることになる。

例えば、BUMP OF CHICKENの「天体観測」でも、過去と今と未来が独特の描き方をしていることに気づく。

あるいは、「ray」でも時間の飛び越え方(あるいは巻き戻り方)が独特であるが故に、様々な解釈が可能な歌になっていることに気づく。

冒頭で、BUMP OF CHICKENの春ソングといえば、「pinkie」だという風に書いたが、その一方でいわゆる春ソングの範疇に留まらない独特の世界観を覚えることになるのだ。

そして、時制の流れに独特のものを感じるからこそ、この歌で描かれる”あなた”とは誰で、”私”という一体誰なのかの想像をはためかせることにもなる。

「pinkie」の音楽的な魅力

「pinkie」は楽曲の構成の仕方にも独特な感じが際立っている。

例えば、この歌はBUMP OF CHICKENにしては珍しくサビ始まりである。

さらに、次のサビに入るまでの流れも独特で、あ・・・このアレンジのままでここまで突き進むんだという驚きもある。

だからこそ、2番になって楽曲の空気が変わるのも心地よいし、その次のサビで一気にバンドサウンドが全開になって疾走感が際立つ流れにもぐっときてしまうのである。

カップリングという立ち位置だからこそ、という部分もあるのかもしれないが、タイアップとかでガチガチになっていないBUMPソングだからこその面白さが、楽曲構成やアレンジでも際立っている。

あと、メロディーの流れも独特で特にAメロとBメロのメロディーの紡ぎ方は秀逸である。

藤原基央の歌って、サビに至るまでのメロディーにこそメロディーを紡ぐ自由さみたいなものが際立っていて、ここで音を伸ばすんだ・・・!とか、ここで休符を打つんだ・・・!という面白さが溢れている。

「pinkie」もまた、そういう面白さに溢れているのだ。

BUMP OF CHICKENって、知名度のわりには意外とどんな人でも知っている、メジャーな歌って存在していない印象なんだけど、それってわりとメロディーにちょっとクセがあるからだと思っていて。

聴いて一発で頭に残るメロディーというわけではなくて、実はけっこう独特の行進をするものが多い。

だからこそ、ふわっと聴いただけで頭に残る類ではないんだけど、刺さる人にはとことん刺さるし、言葉も響く。

そして、BUMP OF CHICKENはこの”とことん刺さる人”の範囲が桁違いだったからこそ、この世代のバンドにおいて、不動の存在になったのだと改めて思うのだ。

まとめに替えて

・・・・話がだいぶそれてしまった。

とにかく「pinkie」って良い歌なんだよ、ということが言いたい。

もしかすると、BUMP OF CHICKENの楽曲においてはメジャーではないのかもしれないが、自分的にはBUMP OF CHICKENの中で一番の”春ソング”であるということも書いておきたい。

なぜそう思うのかと問われたら、それは単なる春ソングではないからという、ちょっと逆説っぽい言い回しになってしまうのだが、この辺りはぜひ楽曲を聴きながら体感してもらえたらなーなんて思う自分。

なお、この歌は藤原基央らしい楽曲内で登場する逆説的な歌詞フレーズも冴え渡っているので、ぜひ言葉の描き方にも注目して聴いてみてほしいと思う、そんな次第である。

スポンサーリンク

LINEで送る
Pocket