前説

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BUMP OF CHIKENが好きである。

どれくらい好きか、と問われると難しいところではあるが、バンドをよく聴くきっかけのひとつは間違いなくBUMP OF CHICKENだと思う。

じゃあBUMP OF CHICKENをよくきっかけは何だったのか、と問われたら「天体観測」だったように思う。

今、BUMP OF CHICKENをよく聴いている人に、BUMP OF CHICKENで好きな曲は?と問うたらわざわざ「天体観測」の庵前を挙げる人は少ないように思う。

でも、多くの人は、少なくとも00年代前半にBUMP OF CHICKENに出会った人の多くは、「天体観測」が入りだった人は多いと思うのだ。

なぜ「天体観測」はこれほどまでにたくさんの人の心を掴んだのか。

この記事では、改めてそのことを書いてみたい。

本編

印象的なイントロ

冒頭のイントロが印象的である。

そこまで複雑ではない。

オクターブ奏法で弾かれているものだとは思うんだけど、シンプルであるがゆえに耳馴染むのである。

基本的に印象的なイントロって、音数が少なくリフレインされていることが多い。

「天体観測」もそういう範疇のイントロだと思うんだけど、なんにしてもイントロの時点で「良い曲に出会った感」がして、一気に曲の世界に引き込まれる。

ここがまず大きいように思うのだ。

歌詞が新しかった

それまでのテレビで流れるような音楽しか聴いてこなかった自分にとって、「天体観測」の描き方はとても新しかった。

景色の描写が優れていて、どこか物語調な面白さがあって、不思議と歌に出てくる主人公に同期するように聞いてしまう。

そういう奥深さがあったのだ。

別に全体の話だけじゃなくて「午前二時 フミキリ」とか「見えないものを見ようとして」とか、フレーズの部分でもずっと頭に残る不思議な求心力があったのだ。

歌詞にここまで広がりを感じて、食い入るように歌詞カードを見ながら曲を聴いた歌はあまりなかったように思うのだ。

声が良い

そして、重要なのは、この歌詞にこの声だった、ということだ。

上手くは言えないんだけど、この頃のBUMPの声ってテレビの中のスターって感じじゃなくて、その辺にいる「兄ちゃん」感が強かったのだ。

でも、この微妙な距離感がたまらなく心地よかったのだ。

完成されているというよりは、発展途上って感じなんだけど、キメるべきところはしっかりキメているような歌声がよかった、とでも言えばいいだろうか。

とにかくこの声が紡ぐ物語に酔いしれてしまう、というところがあったわけである。

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トータルとして新しかった

たぶん00年代のこの頃ってわかりやすいロックヒーローがいなかったと思うのだ。

もちろん、テレビの世界ではミスチルもいたし、GLAYラルクもいた。

ちょっと上の世代にはDragon Ashやくるりなんかもいた。

でも、「自分たちと同世代」な感じがなかったし、世代的に距離感的にも遠くの人感が強かったのだ。

そういう意味でいうと、BUMPの歌声やサウンドや歌詞は、ちょうど自分たちのものって感じがすごくしたのかなーと思う。

また、サウンドにしても歌詞のセンスにしても、本当に当時の若者の感覚に、BUMPの世界観はぴったりハマっていたのだ。

いわゆるロック好きに刺さったというよりも、ゲームやアニメに親しんでいた当時の若者だからこそ刺さったというニオイが強いのかもしれない。

FFとかエヴァとか吸収してきたBUMPだからこそ、そうい感性との共鳴がすごかったのかなーと改めて思うのだ。

何がいいたいかというと

「天体観測」って、今の地点からみたら、ただのベタ曲って感じになるのかもしれない。

しかし、この歌ってロック史においても、音楽史においても、、革命を起こしたような歌だったということは改めて語られてもいいのかなーと思うのだ。

当然、好みはあると思うが、この歌が果たした役割はとても大きいように思うのだ。

サウンドの意匠の違いはあれども、BUMPがこういう世界観の歌を作り出したからこそ、ロックの中での「アリなもの」が大きく拡張されたことは間違いないのだから。

そもそも、BUMPに影響を受けた音楽をはじめたアーティストがこの世にたくさんいるという事実があるわけなのだから。

やっぱりいま振り返っても「天体観測」ってすごい歌だったんだよなーと改めて思うとともに、その歌をリアルタイムで享受してきた人間だからこそ、今後もこの歌の良さはことあるごとに伝えていけたらいいなーと思うのである。

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