Mrs. GREEN APPLEがフェーズ2で放つ「ニュー・マイ・ノーマル」について

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Mrs. GREEN APPLEが1年8ヶ月ぶりに新曲「ニュー・マイ・ノーマル」を発表した。

長い活動休止からの待望のシングルとなったわけだが、単純に「わーい!新曲だ〜」とならないのが、今のミセス情勢。

というのも、フェーズ2と銘打って開始されたMrs. GREEN APPLEは、いきなり体制が変更される発表を行ったからだ。

そう。

大森元貴(Vo/Gt)、若井滉斗(Gt)、藤澤涼架(Key)の3人体制で活動させることになった。

メンバーが変わる中で、どういう会話がメンバー間でなされたのかはわからない。

ポジティブな変化なのか、誰かにとっては悔いの残る結果だったのかは、正直なところわからない。

ただ、リスナーからしてみたら、体制が変わるというのは、やはりあまり良いイメージはない。

少なくとも、あの頃の好きだったミセスとは違うミセスになってしまうんじゃないか・・・そんな想像はどこまでも頭をよぎることになってしまう。

この変化を受け止めるか否かはリスナーごとによって違うだろうし、どのタイミングでもって受け止められるかも人によって変わるとは思う。

ただ、大原則としてミセスの音楽が好きになったうえで、とても重要なのはミセスが新曲でどんな音を鳴らすのか、ということだった。

良くも悪くも色んな期待を背負って、「ニュー・マイ・ノーマル」は世に放たれたわけだ。

「ニュー・マイ・ノーマル」の話

実際に曲を聴いた人は、どう感じただろうか。

もしかしたしたら、人によって感想が異なるかもしれない。

ただ、自分が単刀直入に申しならば。

一言で感想を言ってしまうならば。

「ニュー・マイ・ノーマル」はMrs. GREEN APPLEだからこそのイズムが炸裂している歌だった。

ソロ活動ではミセスとはまったく違ったアウトプットを披露していた大森。

もしかしたら、フェーズ2になって今までのミセスとはまったく違う音楽を奏でる可能性もあった。

良い意味で、ミセスは枠を破っていくバンドだからこそ、そういう想像も突飛ではないと思っていた。

そんな中で放たれた「ニュー・マイ・ノーマル」は、どこまでもミセスの眩しい輝きを放っている歌だった

少なくとも、今までのミセスの良さをきちんと踏襲しながら輝きを放っている歌であるように思えた。

大森の輝かしいハイトーンボイス

Mrs. GREEN APPLEがMrs. GREEN APPLE足らしめているのは、やはり大森のボーカルがあるからこそだと思う。

世にハイトーンボイスなバンドとはいうのは、たくさんいる。

でも、大森のハイトーンボイスって、他のハイトーンボイスなボーカルのいるバンドと違うのだ。

同じハイトーンでも、<強さ>よりも<弱さ>、<大胆さ>よりも<繊細さ>が際立つハイトーンボイスって多いと思う。

でも、大森のハイトーンボイスはどこまでも溌剌としている。

だからこそ、綺羅びやかな歌がどこまでもハマるし、ライブでそのボーカルを放ったときの迫力が半端ないのだ。

「ニュー・マイ・ノーマル」は、そんな大森らしいハイトーンボイスがどこまでも炸裂している一曲だと思う。

伸びやかで、エネルギッシュで、表情豊かなで、眩しいのだ。

でも、ミセスの歌ってポジティブなのかといえば、そんなこともなくて。

内面の奥深い感情を歌っていたり、ネガティブど真ん中の鋭い言葉を使うことも多い。

でも、その<暗さ>に引っ張られすぎない力強さを大森のボーカルは持っている気がするのだ。

だからこそ、パブリックなMrs. GREEN APPLEのイメージは明るいものになるのだと思う。

でも、光と闇を絶妙なバランスで折り込みながらメロディーにのせる破壊力があって、そんな破壊力が「ニュー・マイ・ノーマル」にも宿っている。

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アグレッシブなバンドサウンド

脱退を経て、バンドとしてのバランスは大きく変わったMrs. GREEN APPLE。

いわゆるリズム隊が正規のバンドメンバーとしては不在になったわけである。

当然ながら、そうなるとレコーディングのあり方も変わってくるだろう。

バンドの呼吸だってどこか変わったりもするとは思うのだ。

でも、Mrs. GREEN APPLEがそこに引っ張られることはなかった。

もともと、アンサンブルの完成度の高さに定評があったMrs. GREEN APPLE。

個々のパートのアイデアも豊富で、色んなアプローチを行うことができたバンドだった。

そのうえで、大森が中心に立つからこそ安定感があったわけだ。

今作でも、その原則は変わることがなかった。

Mrs. GREEN APPLEだからこそのサウンドがそこにあって、Mrs. GREEN APPLEらしい楽曲構成が宿っていた。

逆に活動休止を経て、Mrs. GREEN APPLEがど真ん中なポップチューンにチャレンジしたような雰囲気すら感じる。

<期待を超える>が前提にある中で、新しいを求め続けていたフェーズ1の後期とは違い、Mrs. GREEN APPLEが持つMrs. GREEN APPLEらしいポップをど真ん中から貫くまっすぐさも「ニュー・マイ・ノーマル」から感じたのである。

まとめ

もちろん、あの頃のMrs. GREEN APPLEは、もういない。

どうあがいても<同じ>ではないわけだ。

でも、それを踏まえたうえでMrs. GREEN APPLEの音楽はMrs. GREEN APPLEにしかできないことを感じさせる一曲だったように思う。

Mrs. GREEN APPLEにしかない高揚感があった。

初期っぽいテイストがありつつも、円熟した今のMrs. GREEN APPLEだからこその完成度が織り込まれていて、間違いなくフェーズ2の今のMrs. GREEN APPLEだからこその音楽がそこで奏でられていた。

もちろん、人によって色んな感想があるとは、思う。

でも、今のMrs. GREEN APPLEにしかない良さが間違いなくあって、「ニュー・マイ・ノーマル」はそんな良さが炸裂している、そんな一曲だったように思うわけだ。

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