前説
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5月最後の週末。
ということで、今月聴いた歌で気に入ったものを紹介したい。
題して、2020年5月のバンド・アーティストの個人的ベストソング15。
なお、選曲対象にアルバム曲を含むと膨大になってしまうので、この記事では基本的にはシングル曲・配信曲・YouTubeにあがっている音源に限定しております。
あと、5月より前に発表された楽曲もあるけれど、その曲に出会ったのがこのタイミングだったということで、その辺の曖昧さは許してほしい。
では、どうぞ。
本編
YOASOBI「ハルジオン」
時勢的にわりと重さのある歌というか、ある種の辛気臭さをはらんでしまう歌が多い中で、YOASOBIの綺羅びやかなポップさにはまぶしいものがあった。
ボカロ的な文脈を抑えつつ、ダンサンブルに落とし込んだトラックがどこまでも痛快である。
物語的というよりも、軽やかさを感じさせる温度感が今の自分にはちょうど良い。
このタイミングで明らかに存在感を強めていると思うけれど、良い意味で今の空気と迎合してないからこそなのかなーと思うし、自分もその迎合をしていない感じがたまらなく好きなのである。
藤井風「何なんw」
とにかくニューアルバムである「HELP EVER HURT NEVER」が良かった。
ファーストアルバムとは思えない完成度。
ブルース的な震えと深みを宿した表現力のある声が、楽曲に独特の表情を与えるのだ。
あと、単に洒脱なだけではなく、現代の若者ならではのユーモアを楽曲に落とし込む感じも良い。
方言をいれたり、タイトルに「w」を付けてみたり。
ツッコミがないほど楽曲の完成度は高いんだけど、不思議と目線の高さを感じないというか、親しみやすさもあるからこそ、藤井風の歌はどこまでも中毒になってしまうのかなーと思う。
Vaundy 「怪獣の花唄」
Vaundyも新しいアルバムが面白かった。
「strobo」というタイトルのアルバムなんだけど、なんせ曲の幅が広いのだ。
音数の少ない現代ラップ的な発想で作られた歌もあれば、「怪獣の花唄」のようにポップなロック色が強い爽やかなナンバーも歌ったりする。
カテゴリーを貪欲に取り込んで、とりあえず手につくものを何でも形にしてしまう、そういうとりとめのない面白さがあるのだ。
「不可幸力」のような不思議な展開の楽曲も面白いけれど、「怪獣の花唄」のような王道的な曲展開もぐっとくる。
ここからどう化けていくのか。
そういう期待も含めて、今後楽しみなアーティストの一人である。
RADWIMPS 「新世界」
Vaundyの項目で、楽曲の幅が広いという評価をしたけれど、これって2つの意味があって。
ジャンルを横断するように、様々な意匠の音楽を咀嚼する人と、カテゴリーで言えば「ロック」なんだけど、そのロックの派生のさせ方が相当に分かれているパターンとふたつあるように思うのだ。
RADWIMPSも相当に楽曲の幅が広いバンドだけど、RADがすごいのはバンドという枠組みの中で様々な音楽をアプローチするところにあると思う。
言ってしまえば、ルーツはロックにあり、基本的にはベースにロックがあるんだけど、そこから派生させて、入り組ませて、他のバンドにはサウンドに着地させてしまう。
そういう凄さがこのバンドには、ある。
色んなアプローチができるバンドだからこそ、「新世界」のサウンドを聴いたときに感じたのが「なるほど、こうきいたか」という印象だった。
サウンドの構築の仕方、メロディーの展開、全てが今までのRADとはまた違う味わいで、何度も聴いてしまいたくなるのである。
秋山黄色 「Caffeine」
秋山黄色に関してはもう少し前からめっちゃ聴いていたんだけど、リモート期間、なんとなく上半期の音楽を振り返るモードになって、そこからさらにハマるに至ったという次第。
ロック色の強さが秋山の持ち味だと思うけれど、エレキギターの音が炸裂しないと個性が出ないのかといえば、まったくそんなことがないのが秋山の凄さ。
「Caffeine」は、アコースティックな音色とかダンスビートが響く、ロックとは対照的な楽曲なはずなんだけど、トータルでみると、ちゃんと秋山のロック性がにじみ出ている。
声の張り詰め方が絶妙で、どんな歌もエモーショナルに変えてしまうのだ。
だからこそ、ゴリゴリなサウンドじゃなくても、楽曲にロック性が宿るのである。
Age Factory 「Dance all night my friends」
Daneというワードがタイトルに入っているのに、いわゆる「踊れる」感じになっていないギャップがたまらなく良い。
Danceというワードだからって、いわるゆダンスビートを取り入れるのではなく、自分たちの持っているサウンドを研ぎ澄ませて勝負する感じが良い。
Age Factoryってやっていることは初期から変わっていないはずなのに、作品を出すたびにどんどんサウンドがシャープに鋭くなっている。
ギターとベースとドラムだけなのに、どんなジャンルも貫通させてしまうような鋭さがあるのだ。
とにかくギターの音色が良い。
なきごと 「癖」
ノイジーに響くギターサウンド。
煩く響くギターのあとにやってくる静寂というギャップが良い。
静と動の使い分けが絶妙で、シンプルなのに楽曲に劇的な物語が生まれていく。
サビも過剰にキャッチーにするのではなく、ドラムがダッダッダッとリズムを刻み、言葉を噛みしめるように展開させていく感じが良い。
Hakubi 「大人になって気づいたこと」
歌詞が感情を揺さぶりをかけていく感じのする歌。
ただでさえ刺さる歌詞を、刺さるように情動的に歌いあげ、バンドサウンドがそれをもり立てるように感じるのだ。
音を抑えめにして、ゆっくりと温度感をあげていく曲の展開も良い。
「大人」である人が聴けば、この歌が語る喪失の部分にぐっとくるのではないだろうか。
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Sano ibuki 「emerald city」
どこからしのBUMPの風味を感じて、それがとても個人的なツボとなる。
爽快なんだけど、決して曲のスピードは速いわけではない。
だからこそ、言葉の意味を追い、意味を咀嚼しながら痛快なテンポを楽しむことができる。
そういう感覚がBUMPの疾走感のある歌と通底しているように思うのだ。
THE NOVEMBERS 「理解者」
L’Arc-en-Cielのyukihiroがサウンドデザインおよびプログラミングを担当したというこの歌。
THE NOVEMBERSの持つゴスっぽい暴力さと、yukihiroの細かな電子音の混ざり具合がたまらなく気持ちよくて、かっこいい。
ロックにおける「オルタナ」が霧散しつつある中で、もしオルタナティブなロックというものがあるとすれば、こういうサウンドを指差すのではないか。
そういうワクワクさを今のTHE NOVEMBERSのサウンドに覚えるのである。
Mom 「カルトボーイ」
THE NOVEMBERSの楽曲にある種の暴力さを覚えるなーと思っていたら、「暴力的な音楽」ってこういうの言うんじゃないの?と突きつけられたような感じをしたMomのこの一曲。
Momはこういうテイストの歌も歌えるのかと驚いたし、自分のボーカルをこういう加工させる発想が圧倒的にグッジョブなように思う。
とはいえ、単に過激な歌かといえば、そんなこともなくて、曲が進むとまるで別の曲に変わったかのような様変わりするパートにも出会う。
なんにせよ、面白い楽曲なので、ぜひ一度聴いてみてほしい。
SIRUP 「HOPELESS ROMANTIC」
自分が挙げたベストディスクを曲順通りに聴いていくと、SIRUPの今作の完成度の高さを改めて実感する。
他の楽曲は「危うさ」もひとつの味にしているようなフシがあるけれど、SIRUPの歌にはそういうスキはなくて、徹底的に表現者としてスキのないものを提示しているように感じるのだ。
つまりはとにかくクオリティが高いということ。
やはり、このアーティスト、只者ではないよなーと改めて実感するのである。
あいみょん 「裸の心」
メロディアスなフォーキーな歌を歌わせたら、あいみょんの右に出るものはいないよなーと思う。
シンプルなサウンドであり、メロディーラインもわりと淡々としているのに、一度聴いたら頭に残ってしまうのだから、不思議である。
サビのささやくような裏声がたまらなく好きである。
あと、ちょっとレトロな雰囲気がかおる音使いも好きである。
宇多田ヒカル 「誰にも言わない」
本当にすごいアーティストの新譜って「○○系」ってくくることすら許されない空気がある。
近年だと三浦大知の新譜なんかにそれを感じることが多いんだけど、宇多田ヒカルもまたそういうタイプのアーティストだなーと改めて感じさせられる。
だって、他のアーティストと楽曲の発想とかアプローチがまったく違うもんなあ。
宇多田ヒカルにしかできない表現を実にさらっとやりのける感じ。
歌の譜割りも独特だし、声の響かせ方も特徴的だし、やっぱり宇多田ヒカルの凄さは実感せずにはいられない。
Mrs. GREEN APPLE 「アボイドノート」
ロックなミセスってやっぱりいいよね。
心の底からそう思わせてくれる歌だ。
「PRESENT」が良くも悪くも、海外のボーイズグループのような完成度だったからこそ、それぞれの楽器が生の音が炸裂しているこの歌がたまらなく気持ち良い。
相変わらず、ボーカルはカラオケで歌わせる気がないような、キレキレのメロディーラインを歌っているけどね。
懐かしさと新しさの両方を感じさせる、今のミセスならではの歌だと感じる。
まとめ
というわけで、ざらっとではあるが、個人的に推したい楽曲を15曲を紹介してみました。
あれがないこれがないは各々あるかと思いますが、この記事が新しい音楽との出会いのきっかけになれたら嬉しい限り。
では今回はこの辺で。
ではではでは。
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