輝く星々のような音楽たちの幕開けに相応しいオープニング

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BUMP OF CHICKEN 9枚目のアルバム「aurora arc」で最後に作成した楽曲は1番最初に収録されている”aurora arc”である。

所謂インスト曲として、アルバムの最初を飾った楽曲とはどのような存在なのだろうか。

この曲を作るきっかけとなった出来事は、今回のアルバム「aurora arc」を作成するにあたり4人とスタッフでカナダのイエローナイフで実際にオーロラを撮ってきちゃおうぜ!というエピソードを起因とし、帰国後の藤原基央に「”aurora arc”って曲作ってよ」とスタッフが声をかけたことであると明かされている。

先日、テレビのインタビューで、藤原基央自身がこの曲のことを「旅がはじまる感じ、空港に行くまでの感じ、空港でみんなで飯くった感じ、着陸して雪の街が見えてくる感じ、帰る感じ、そういう旅のワクワク感とかせつなさとかが全部詰まった感じ」と語っていた。

また、別のインタビューでは「寂しい感じ」とも語っていた。

歌詞のない楽曲はいかようにもイメージを沸かせることができる。

もちろんインスト曲以外のすべての曲が解釈もイメージも自由ではあるが、”言葉がない”という性質上、より一層、答えも正解も無いものであると言えよう。

もしも正解があるとしたら、それぞれが聴いた時に脳裏にうかんだイメージすべてが正解であると思う。

そのため、この記事はわずかなインタビューの内容をふまえつつ、思いっきり主観を混ぜた内容になることをあらかじめご容赦頂きたい。

私がこの曲を一番最初に聴いた時に感じたものは、夜明け前、極寒の空で見る一面に現れるオーロラの景色だった。

aurora arcのジャケットに見えるオーロラよりは、少し夜の色が濃い時間帯から始まるイメージだ。

繊細なギターのアルペジオはまるでダイヤモンドダストのように細かい粒子がキラキラと舞っているイメージだったし、途中から鳴り響く鍵盤の音は虹色のオーロラのカーテンのゆらめきのようだった。

そしてチチチチ…と刻まれはじめるリズムはそんな止まったような荘厳な景色の中でも平等に流れていく時間を表現しているように感じた。

最後の音がなる頃には、夜の色が濃かった空は丁度アルバムのジャケットのようなグリーンとブルーのグラデーション色の空になっていると思う。

あくまで私の脳裏に浮かんだ創造の産物でしかないのだが、明確に頭の中では映像化できている。

そしてこれは、BUMP OF CHICKEN4人が今年の春に旅した、カナダはイエローナイフで見たオーロラとおおよそリンクするのではないかと感じるのだ。

勿論その光景を見たわけではないが、旅の様子はアルバムに封入されたブックレットにも少しだけ刻まれている。

その光景をたった2分06秒の音で鮮明に映像化できるほど、インスト曲”aurora arc”は少しの音だけでオーロラを再現しているように思える。

そして、この後に続く13曲は、宇宙や星を思わせるタイトル、過去と現在と未来を旅する歌詞、失われるもののせつなさ、見つけたものの愛しさ、絶望をもつつみこんでくれる無条件の優しさ…そんな輝く星々のような音楽たちだ。

もっと日常に落とし込んでいえば、冒頭で述べた藤原基央自身の見解である「旅がはじまる感じ、空港に行くまでの感じ、空港でみんなで飯くった感じ、着陸して雪の街が見えてくる感じ、帰る感じ、そういう旅のワクワク感とかせつなさとかが全部詰まった感じ」という日常のワクワクもせつなさも全てつまった音楽たちだ、ともいえる。

1曲目の”aurora arc”が幕開けに見せてくれる幻想的なオーロラの光景は、そんな音楽を虹色のカーテンの幕開けでスタートさせる。

『aurora arc』というアルバムの最初にこれ以上相応しいものはないだろう。

そしてオーロラの光景からスタートした『aurora arc』は14曲目の『流れ星の正体』で幕を閉じる。

夜明けのオーロラで始まり、闇夜に落ちる流れ星で終わる統一感、そして相変わらずBUMPらしく宇宙を感じさせる世界観。

アルバムというひとつの物語として、この曲で始まることによって非常に綺麗に収まっているなあと感じさせるのだ。

これを読んでいるあなたが感じたインスト曲”aurora arc”からイメージするものは全く違う光景かもしれない。

都会の雑踏かもしれないし、過去の懐かしい記憶の景色かもしれない、何も見えない真っ暗闇かもしれないし、ライブの光景であるかもしれない。

どんな光景であれ、”aurora arc”が紡ぐ音であなたが思い描いた景色がそれぞれの正解であり、このアルバムの幕開けの景色であるのだ。

関連記事:孤独から生まれた「流れ星の正体」の、強くやさしい光

筆者紹介

ちょの(@nagitan2)

BUMP OF CHICKENを愛する千葉県民。 地味で臆病でマジメだと思って生きてるが、リア友にはトガってて大胆でおもしろ変人と言われる謎。ビールが好き。

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