UNISON SQUARE GARDEN の「Silent Libre Mirage」の歌詞について書いてみたい。

*歌詞については他サイトでご確認ください。

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1番の歌詞について

冒頭の嗅ぎ慣れた匂いってどんな匂いだろうか。

意外と自分の匂いって分からなかったりするから、よく使ってる駅のトイレとかの匂いだろうか。

「僕を試すような風」というのも抽象的な表現だが、「ずかずかと土足で上がり込む」のだから、相当に僕を試してきていることがわかる。

これはAメロなので、歌詞的にはボディーブロー的な感じがするので、何を主張したいのかまだはっきりとはしない。

続きのフレーズをみていくと、「ソラシド〜」なんてフレーズが出てくる。

ソラシドの次は「レ」じゃないの?というのは野暮なツッコミで、精神という名のピッチが不安定であり、ゆえに音程も安定しないので、ソラシドの次にすぐに「レ」を選べるような状態じゃないわけである。

その不安定な原因はおそらくずかずかと土足で踏み込む風のせいであり、僕は風にすごく苦しめられていることがわかる。

今は誰かが歌うのを良しとするということは、普段なら誰かが歌うのは良しとしないということだろうか。

なんだか僕の一匹狼っぷりが垣間見える瞬間である。

次のフレーズでは「位置についた〜」と展開されるわけだが、位置につく、ということは今から僕は何かをしないといけないわけだが、それが何なのかはわからない。

また、その用意はまだ八分目であり、完璧じゃないということがわかる。

純粋であるとはどういうことだろうか。

何かに集中するうえで、その集中が散漫になっている状態が純粋ではないということだろうか。

例えば、勉強しなきゃいけないのについついケータイ触ってSNSやっちゃうみたいな感じとか。

んで、いざやろうとするとノイズが邪魔になるとあるけど、このノイズとは何だろうか。

まさかずかすがと上がり込む風のことだろうか。

それとも、都合よく歌った誰かのことだろうか。

この辺は不明瞭なので、歌詞の続きをみていこう。

サビでは、タイトルにもなっている英語の意味について。

silentは「無言の」とか「静かな」という意味。

Libreはスペイン語で「自由」という意味。

mirageは「蜃気楼」とか「幻影」という意味。

直訳すると、静かな自由の幻影という意味になる。

たぶんここでいう幻影はAメロででてきた僕を試す風と近しい存在であると思われる。

花びらが舞う花と見間違ったということにもかかっていると思われる。

ちなみに「蝶々乱舞」という言葉はないので、造語なのか単に聞き間違いかはわからないが、乱舞とは踊り狂うことなので、蝶々のような飛び方で踊り狂うことなのではないかと推察される。

歪み合い=重たいことであり、それは後にしてくれ、そういうのはいらないし、そうなるのなら白黒付けなくていいよ、といっている。

これだけでは、繋がりそうで繋がらない歌詞の意味。

とりあえず、続きをみるしかなさそうだ。

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2番をみてみよう。

まずは単語の意味を押さえよう。

五臓とは、5つの内臓のことである。

六腑とは、6つのの内臓のことである。

難しい言葉を使ってるが、情に熱いことをハートが熱いというし、そのハートは胸を指していう(本当は脳みそを指差すべきなのに)わけで、それと同じようなものと考えたらいい。

また、クイックモーションとは、少ない動きで投球するピッチャーの投げ方のことだが、身体では大して動いていないようにみえても、身体の中では劇的な動きがあるんだぜ、みたいな話だと思う。

漂ってるだけかもしれないけれど、心は震えていて無敵モードなわけであり、逃げるわけにはいかないからとにかく前に進んでるんだぜ!今!って感じだろうか。

少しずつ主人公の状態が見えてきただろうか。

次のフレーズで「踊りたいなら〜」と出てくるが、踊る=前に進むという感じだろうか。

何の準備もしてなければ、確かにガタがくる。

とはいえ、踊るためのフェーズ(要は準備中に)に刺すやつがいたらそいつらはゴミクズであり、外野は黙っとけという話だろう。

踊るというからややこしいが、夢を追いかける、とかの言葉を言い換えたらもう少しクリアに見えてくるのではないだろうか。

つまり、夢を叶えてプロになったら結果を出さないといけないわけで、周りにとやかく言われるのは仕方ないけど、夢見る少年の間は外野が余計な口出しするな、する奴はゴミクズだよ、という話だろうか。

もちろんこの口出しとは、夢を追いかけることに対して否定的な言葉を投げかけることであろう。

そして、サビにいくわけだが、「張り切って跳べ」とあるから、要はこの歌はまだプロにはなってない夢見る少年を応援する歌なのだと思う。

だから、夢見る先は幻影なわけだけど、その幻影はどんな姿にも変えられるわけで、「自由」だし、けれどその幻影が何かを教えてくれるわけでも誰かを説得してくれるわけでもないから、「無口」でもあるわけだ。

横目にちらついたライバルだって、結局のところ夢見る少年であるという意味では同じであり、自分が夢を目指すうえで、相手がどうあるかというのは関係ないわけで(自分がやるしかないのだから)、左右にちらつく両方のライバルは無視して、むしろ余白を開けて目に入らないようにしとけ、というわけである。

茶化してるだけのようなアドバイスに見えるかもしれないが、これは真面目なアドバイスなのだ。

先哲とは、ここでは先人の哲学というニュアンスであり、夢を叶えるにはこうすればいいのだ、という夢を叶えた者の御託のことなのだろう。

で、そういうのは耳に入れず放っておいてもいいけれど、であれば今自分にぶら下げている二択の甘さを直せといってるのだ。

要は、本気で夢を叶える気があるのか、と問い直しているわけであり、その決意の固さを確かめているのだ。

Cメロの歌詞について

音の無い空間とは、自分の内面のことだろう。

夢を見れば他人の色んな声(「やめとけ」とか「お前には無理だ」というような否定的言葉から、毒にも薬にもならない微妙なアドバイスとか色んな言葉が)聞こえるわけだが、そういったノイズは剥ぎ取って、自分の声だけを聞いて集中しろ、というわけだ。

それができれば派手にやれるはずだがら、さっさと構えろというわけだ。

そして、ラストのサビへと向かう。

「絶対息をしてる限り〜」と言葉を紡ぐわけだが、生きてる限り、自分が物語の主人公は自分であり、自分に最終的な決定権はあるわけだ。

今をかき分けろ、とは自分の意志で決めて、全力でやれ、ということである。

そして、サビに出てくる「歪み合い」とは、夢を目指す上での障壁のことだろう。

親と話し合いが必要なケースもあるし、友達とか恋人を説得しないといけないケースもあるかもしれない。

この夢が叶えられるどうかの白黒をつけたら、夢を追うことを止める人間も納得できるのだろうが、そういう重たい話は後にして、今は自分の頭に映る自由な幻想を実現するべく集中し行動させて、という話である。(実際答えはやるまでわからないわけだし)

正直、当てはないけれど、自分を信じてかき分けするしかないわけで、周りからとやかく言われるのはプロになってからでいいでしょ、まずは集中して行動するべきだ。夢追い人よ、頑張れって感じで、この歌はエールを送っているわけである。

応援歌、といえばチープになるが、色んなミュージシャンが歌い尽くしたこのテーマをここまでひねくれた表現でできるのが、田淵の、そしてユニゾンの凄さなのだという話。

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