スピッツ「こんにちは」の歌詞の意味は?解釈と考察

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スピッツの「こんにちは」の歌詞についてみていきたい。

この曲はアルバム「醒めない」の最後を飾る曲であり、アルバムの中心曲といっても「醒めない」の対になっており、ある種同じテーマを歌っている曲のように見える。

どういうことだろうか。

歌詞をみてみよう。

作詞:草野正宗
作曲:草野正宗

また会えるとは思いもしなかった
元気かはわからんけど生きてたね
ひとまず出た言葉は「こんにちは」
近づくそのスマイルも憎らしく

最初のフレーズ、一体誰と誰が会ったのだろうか。

具体的に明示されてはいないけれど、「醒めない」という曲と合わせて考えてみると、この歌の主人公もスピッツのように見えてくる。

そして、「醒めない」はスピッツとファンの「これからもよろしくね」を歌った曲であるが、「こんにちは」に出てくる「君」は、スピッツファンのことではないだろう。

だって、スマイルが憎らしいと言いのけているのだ。

マサネムさんがファンにそんな乱暴な言葉を使うはずがあるまい。

ファンでなければ、君は誰を指しているのかというと、言葉のニュアンスから「悪友」という単語が浮かんでくる。

滅多に会えないけど、でも、たまに会うこともある関係。

それって、ずっと一緒に音楽業界の第一線で戦ってきたライバルたちのこではないかと思うわけだ。

奥田民生しかり、ミスチルしかり、真心ブラザーズしかり。

思えば、この「こんにちは」はロックロックこんにちはの「こんにちは」と通ずるものがあるような気もするし。

音楽業界の第一線で活躍したとしても、長い月日が経てば、売れなくなって活動を止めちゃうアーティストもいるし、ロックの夢から醒めて現実的な社会に戻ってしまう人たちもいるのだろう。

最近、あのバンドが何しているのか聞かないなんてーなんてのは「元気かわからない」のフレーズとイコールになる話だ。

でも、たまに会うこともある。

それはテレビ番組とかの共演かもしれないし、ロックロックこんにちはのようなイベントでかもしれない。

そのときに「あ、元気だったんだ」と思うのだろう。

で、元気だとわかると笑顔でいられることもなんだか憎らしくも感じちゃうわけで、言葉としては「こんにちは」くらいのものしか交わさなかったりするのだろう。

話そうと思えばいくらでも語るけど、あえて余計なことは語らない的な。

だって、ライバルなわけだし。

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次のフレーズをみてみよう。

嬉しくなると 涙がホロリ
反逆者のままで 愛を語るのだ

そんな悪友であっても、やっぱり生き残っていてくれることは嬉しいし、年をとればそんな嬉しさのあまり涙がホロリとすることもあるのだろう。

スピッツはいつだって、音楽業界において異端児であり、それは「反逆者」といってもいいものであった。

そんなスタイルは維持して、けれど、色んな思いを詰め込んで歌を歌うのだ。

自分なりの「愛」を込めて。

心に生えた足でどこまでも
歩いて行けるんだと気がついて
こんな日のために僕は歩いてる
おもろくて脆い星の背中を

心にはえた足でどこまでもってのは、言葉で勇気づけられて「よし。やってやるぞ」って気持ちになって、まだまだ歩みをとめず歩き続けるということだろう。

「醒めない」とまったく同じことを語るフレーズなのである。

こんな日のためとは、悪友と出会い、「よし、もういっちょ頑張るか」みたいな気分になった日のことだろう。

仲間がいるから、音楽を諦めずに続けることができた部分があるのだろう。(スピッツの場合、あまりそういうことは匂わさないにしても)。

おもろくて脆い星の背中とは、地球のことであり、日本のこであり、これから回るツアーの各所のステージのことなのだろう。

怖いから無難な 演技もしたけれど
勝手なやり方で お茶を濁そうぜ

心に生えた足でどこまでも
歩いて行けるんだと気がついて
こんな日のために僕は歩いてる
おもろくて脆い星の背中を

スピッツにおける「無難」とはなんなのか定義することは難しいけれど、不本意にベストが出されたからといってレコード会社と喧嘩したりはしなかったことも「無難」のひとつに含まれるかもしれない。

無難じゃなければ会社の偉い人とやり合ってる可能性だってあるわけで。

でも、スピッツはそんなことはしない。

代わりに、自分でコントロールできるところについては(例えば、曲であったりツアーの内容であったり)「勝手なやり方をしてお茶を濁すようなもの作ってくぜ」と宣言してるわけである。

爪痕を残す、とかそんな言葉ではなく、「お茶を濁す」と表現するのが実にマサネムさんらしいなと思う。

要は、まだまだ他のアーティストにはできない音楽を鳴らし続けるから、これからもよろしくね。

この星を歩き続けるから(ツアーを回り続けるから)、よろしくね

星のどこかで会ったら「こんにちは」をしよう。

また対バンでもしようぜ。

悪友であり、旧友であり、ライバルであるおっさん(おばさん)たちよ。

みたいなメッセージを放っているのではなかろうか。

わからんけれど。

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