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好きなバンドがメジャーデビューをしたり、それまではライブハウスでしかライブをしなかったのに、最新のツアーはホールしか回らなくなったりしたとき「ああ、このバンドは大きくなってしまったなあ。遠くに行っちゃったなあ」という思いを呟く人がけっこういる。

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昔から応援していたのであれば、その気持ちはよくわかるし、個人的にも、数百のキャパすらソールドアウトしてなかったバンドが、万単位をホールを埋めているサマをみると、ただただ凄いなあ、と思うことが多い。

ただ、こういう感想を聞いていて面白いのが、どうみても「あなたがそのバンドを好きになったときから、既にそのバンドは大きかったよ」という事例がそれなりにあるということである。

例えば、天体観測以降にBUMPのことを知ったBUMPファンも、メジャーデビュー以降にRADWIMPSを知ったWimperも、[Alexandros]改名後にようぺいんを知ったドロスファンも、Mステに出てるのをみてWANIMAのことを知ったWANIMAファンも、今のバンドを状況をみて、一様に同じ反応をする。

「すっかり大きくなったなあ。遠くに行っちゃったなあ」という感想を呟くのだ。

まあ、自分の好きなバンドと自分との距離には自分なりの決まりがあって、その距離よりもさらにそのバンドが遠くなっていってしまい、それまではそのバンドの名前さえ知らなかった人もいつの間にかそのバンドに熱中していくサマをみていると、なんだか寂しさを覚えるのが人間のサガなのかもしれない。

それでも言いたい。

いやいやいや、そのバンド、あなたが知る頃に十分大きかったし、バンドが大きなったからこそ、あなた程度の音楽ファンにもその存在が認知されたんやで、と。

でも、寂しく思う気持ちは十分にわかるし、大きくなると嫌だなあと思う気持ちも十分にわかる。

バンドが大きくなるということは、音楽であったりメディアの露出のあり方だったりにも変革が生じるわけであり、自分が望んでいない方向にそのバンドが変化する可能性は高いわけだ。

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また、売れるということはライブの倍率も上がるし、自分の欲しいグッズを手に入れるのも大変になるし、彼らを見ようと思えばフェスであれワンマンであれ、アホみたいにでかいステージでしか拝めなくなるわけで、そのバンドとの距離に違和感が生まれる気持ちも理解できる。

そして、そんな状況ゆえにバンドそのものに対する熱も冷めてしまい、別のバンドに熱中していくになるということもあるだろう。(これは昔からのファンの人の方が多いだろうが)

別にそれが悪いことだとは思わないし、好きにしたらいいと思う。

でも、大きくなったから熱が冷める、というのは音楽に対する接し方としてはそれこそ個人的には違和感を覚えるし、そのバンドの音楽そのものが好きだったのではなく、人から認知されていないバンドを知っている音楽通な自分、というステータスが欲しかっただけなのでは、と疑念が生まれなくもない。(まあ、そんな接し方している人に限って音楽的に中途半端なミーハーではあることが多いんだけど)(また、新譜の方向性が自分の好みと違うから離れるというのはもちろんいいし、離れる人のほとんどは別にミーハーだからというわけではないのもわかってはいるけども)

ただ、これを受けて思うのが、絶対の真理として、売れようが売れなかろうが、バンドというものは変わるものである、ということである。

この「変わる」というのは音楽的なこともそうだし、バンドそのものの活動についても言えることである。

変わることのできないバンドはほぼ例外なく、いずれ第一線から消え去っている。

今のファンにしか向いていないバンドは、今のファンにしか支持されなくなるわけで、やがてそのファンが年を重ねることで現場から去っていくなかで、少しずつそのバンドの売り上げは先細っていき、やがてそのバンドは音楽でメシを食うことができなくなってしまい、活動そのものが止まってしまうわけだ。

だって、バンドが変わるのと同じ速度で、あるいはそれ以上のスピードで、今いるファンの感性や趣向も変わっていくのだから。

昔は人気だったのに、今はもう活動できなくなったバンドをたくさんみてきたからこそ、それはすごく思う。

古参が嫌だなあと思うレベルの舵きりをすることは、むしろ「バンドを続ける」上で必須の決断だとさえ個人的には思うわけだ。

常に何かしらの「新しさ」を求め、活動の幅を変えて、挑戦を続けるバンドこそ、ブームを超えて生き残るバンドであり、古参がおっさんおばさんになっても第一線で活動し、本当の意味で青春の思い出を生かし続けてくれる大切な存在となるわけだ。

変わることを恐れないことこそが、変わらないでい続ける最大の方策だということを、もしかしたら彼らは知っているからこそ、変わるというチャレンジをし続けるのかもしれない。

エアジャムバンドでもいい。

青春パンクロックでもいい。

あるいは昔のロックフェスでよく出ていたバンドのその後をみてもらっていい。

人気バンドでさえも、やがて人気がなくなり、活動を止めざるを得なくなった事例なんて山ほどあるということがよくわかるから。

そんなことを踏まえると、どんな挑戦であれ、どんな変化であれ、バンドが何かしらの決心をして、一歩を踏み出そうとしているときは、ひとまずは応援する側に回りたいなあ、と一人の音楽好きとしては、いつも思うのである。

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