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よくインディーズバンドをディスるとき、こういう物言いをする人がいる。

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上手いことは上手いんだけど、なんかグッとこないんだよな〜。

そう。

これは音楽に限らず、最近のあらゆる芸事に言われがちな物言いである。

お笑いであれ、漫画とかの創作物であれ、演技的そういうのであれ、上手いんだけどグッとこないな〜ってのは本当によく言われる話である。

全体の平均レベルは上がっていて、技術的に上手い人は増えたんだけど、綺麗にまとまりすぎているから、ピーンとこないんだよなーみたいなこと、バンド界隈でも本当によく耳にする。

でも、たまに思うのだ。

それって実は「上手い」とは言わないのではないか、と。

いや、上手いことは上手いとは思うし、そういう言い方をしちゃう人の気持ちもわかるけど。

でもさ、それって、やっぱり上手くないんだよ。

技術の物差しなんて時代によって簡単に変わるわけだし、上手いの方向性というか要請って、すぐに変わっちゃうものなわけで。

まあ、もちろん、ここでいう上手いとは別に専門的なレベルの話ではなくえ、もっとざっくりとしたレベルでの「上手さ」であるんだけど。

そもそも、僕なんかでは技術的なレベルでの上手さを語れる資格なんてないしね。

だから、どういう技術が簡単に習得できる技術であり、どういう技術が一見簡単そうには見えるけれど、簡単には実践できない技術、という線引きはわからないし、わかる人からみれば、この「上手い」の線引きが色々と違うこともわかる。

ただ、そういう諸々含めて、あえて言いたい。

技術はあるけどなんだかな〜と多数の思う人が言う「上手い」は、あるいは、平均的なレベルてまみんな上手くなってきているけど〜というときの「上手い」は、もはや「上手い」ではなくて、ただの「普通」なんじゃないかということ。

そして、もしそれが「普通」なのだとしたら、普通のことを普通にやっているだけでは、そりゃあ魅力なく映るわけで、芸事において、普通というのは致命的だよね、という話。

やっぱり大事なのは「他とは違うこと」だし、他と違うことをはっきり意識させたうえで、その世界にのめり込ませることに意味があるわけだ。

感動する小説なら、その世界に没頭させて感動させるから良いな小説わけだし、面白い漫才なら、二人の掛け合いに引き込まれて、屈託なく二人の掛け合いに笑うからができるから、良い漫才なわけで。

没頭させず、相手に上から目線で評価されてる(させている)時点で、そこから生まれる上手いとか上手くないとかだの判断にあまり価値はないのだ。

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そいつらは没頭させられていない段階で、そいつはその芸事が上手くないわけだ。

そもそも芸事が上手い上手くないがわかるのは、何十年もそれをやってきて初めて見えてくることで、20代とか30代で判断できるものではないとも言えるわけで。

音楽だって事情は同じなわけだ。

ってことを考えてみたとき、流行りのインディーズバンドを指して、上手いんだけどなんだかな〜みたいな物言いをしたり、実力はあるんだけど、う〜んって感じたり、感じられたりするのは、もうダメダメなのだ。

あえて言う。

大事なのは、どんな方法を使ってもいいから、その世界に(バンドなら音楽とかライブとか)陶酔させることができるかどうかなわけだ。

素人としてやるのではなく、お金を貰うつもりであるプロが、売れる売れないレベルで考えるうえでは、ここに尽きると思う。

やっぱり、全員がそのライブに入り込んでいるライブはすごいわけで。

例えば、ハイスタが凄い凄い言われてるのはその辺りなわけで。

音源で聴くときはともかく、ライブで彼らをみるとき、技術がどうとかそんなのどうでもよくなり、ただただそのライブに飲まれてしまう。

もちろん、この飲まれるっていうのは色んな方法があって、色々と使い分ける必要はあるわけだが。

バンドの音で落とす場合もあれば、単純に恋愛脳にさせてしまって落とすパターンもあるわけで。

売れないバンドと売れるバンド、あるは、ここ数年でお客が減ったバンドと増えたバンドの最大の違いは、ここだ。

ちなみに、この世界に引き込むという発想は、ブログみたいな文章を書くときだって同じだなーと実感する。

反応が良い記事は、書いた文章に感情移入してくれたり、書いた文章の世界に引き込むようにして読んでくれている。

で、反応が悪い記事は、その逆だったり、場合によっては読んで苛つかれたりする。

だから、その世界に引き込むトリガーをもう少し勉強するべきなのだ。

引き込む演奏は「上手い」し、引き込めない演奏は技術があっても「下手」なのだ。

例えば、ヤバTは演奏がそんなに上手くないのになんで売れたんだよ?とクレームがくるとする。

それは、彼らが自分たちの世界にたくさんのお客さんを引き込んだからであり、世界に没入させることに成功したからだ。

それができるヤバTは、下手じゃなくて「上手い」んだよ。

もちろん、どういうふうに自分たちの世界に引き込むのかを考えていくなかで、技術を磨く必要が出てくるだろうし、下手な演奏は、世界に引き込むこと阻害する恐れがあるので、磨く必要はもちろんあるわけだけど。

マイヘアとかオーラルが急に伸びてきたのは、ここでいう「世界観」が明確になってきたからだし、その世界観に引き込むのが上手いからだ。

言葉を変えれば、それは、キャラ立ちとも言えるかもしれない。

いずれにせよ、言いたいのは「上手い」のに売れないのだとすれば、「上手い」の視座は変えていかなきゃいけないということ。

そうじゃなきゃ、それは上手いではなく、ただの凡庸ってことなんだよ、という、そういう話。

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