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邦ロックと言っても色んな種類の音楽が混在している。近年は特に工夫しているバンドが多くなった故に、ジャンルも雑多となってきており、邦ロックという言葉で括るには限度のあるレベルまできているように思う。

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が、あんまり細かく分けてしまってもややこしくなってしまうだけなので、ざっくりとした分け方でロックというものを考えていきたい。

ここでいう分類はメロコアとかパンクというようなカテゴリーではなく、もっとざっくりとした分け方であることに注意してもらいたい。

そして、今回はこの分け方から考える。

身体を動かせる音楽と、身体より動かすより聴かせることを重視した音楽。

前者はダイブさせたり、モッシュをさせるトリガーを含んだ音楽。フレデリックや夜ダン、キートークなどが力を入れているダンスロックなんかもこのカテゴリーの入る。

フェスで人気者になることが大事になっており、フェスに参加するオーデェンスの多くが聴くことよりもノれることを求めているゆえ、こういった音楽が多くなっている印象をうける。サビに入る直前で男を一旦切り、サビに入った直後に爆音を奏でることでダイブを誘発したり、メロディーはギターの音を抜いて手拍子を誘発し、サークルを作らせるように仕向ける音楽もある。また、キートークのモンスターダンスのように合いの手や掛け声を入れるように作ることで、オーデェンスと一体感をもたせているような曲もある。

よくこの身体を動かせる音楽の特徴として高速なビートと四つ打ちが挙げられる。ノリやすい音楽もひとつのフォーマットになってるわけだ。

そして、そういう流れから意図的に這い出て、聴かせることを重視しようとしているバンドもいる。

ただし、基本的にこういった志向のバンドはあまりフェスには出ない。わざと出ないのか呼ばれないから出れないのかは定かではないが、とにかく出なかったりする。

しかし、一部のバンドで身体を動かせる曲でフェスで人気者になったが、少しずつ身体を動かせる音楽から聞かせる音楽へとシフトしようと企んでいるバンドがいる。

ゲスの極み乙女。とクリープハイプだ。

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これは口で説明するよりも、彼らの新曲を聴けばよくわかることである。

ゲスはキラーボールや餅ガールのように踊らせることを意識した楽器作りを行っており、そのキャラクターの魅力もあってたちまちフェスで人気者になった。

しかし、メジャーデビュー後に出した猟奇的なキスを私にしてや、魅力がすごいよ、のアルバムでは明らかにビートのスピードを落とし、モッシュをしにくい曲作りを行っている。

これはより聴かせることにシフトした結果だと思われる。元々、ゲスの川谷はメロディーを聴かせる曲作りを得意としており、4つ打ちやただ盛り上がるためだけの曲を嫌悪しているフシがあった。

そこに対するこだわりが、今のようなかたちに収斂したのだと思われる。

また、クリープハイプも昔はHE IS MINEや愛の標識などオーデェンスを盛り上がる工夫を凝らした曲が多かった。

しかし、新曲愛の標識は見事なまでにリズムを一定の速度に抑えている。また、メロディもAメロは音域を小さくし、起伏を少なくしており、Bメロで幅を広げながら、サビとテンションをあげるという、ポップスの王道のようなメロディーラインで作られている。尾崎世界観はゆずのような歌が好きと言っていたので、そことも繋がるような歌となっている。

このふたバンドは間違いなく、今のフェスシーンの次のシーンにも通用するような曲を作り、ブームが去っても生き残っていけるような幅を持った曲をもって、フェスに挑んでいるように感じる。

聴かせる音楽が虐げられている今の時代だからこそ、こういったバンドの活躍は貴重なものになっているのである。

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