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ラシュボ2017。

僕は二日目のみ言ってきたので、その時に思ったことを書いてみたい。

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ただし、いわゆるライブレポではなく、このフェスに参加して概ねすべてのアーティストを観て、思ったこと、感じたことを徒然と書くだけなので、悪しからず。(人によっては気分の良い書き方ではないかもなので、もっと悪しからず)

ATMCでめちゃくちゃ客を集客してるバンドがいなかった

2015年だと夜の本気ダンス、2016年だとヤバイT-シャツ屋さんなんかのときは、もうステージから人が溢れちゃうよ、ってくらいお客さんがステージにやってきたものだが、今年は正直そこまで客を集めているバンドはATMCにいなかったように感じる。(1日目は知らないけど)

まあ、必ずしも普段のライブハウスの集客力=ATMC時の客の数というわけではないし、あくまでも僕の主観でしかないわけだけども。

でも、即日ソールドアウトした二日目において、ATMCで溢れるほどお客さんが集まるようなライブが一切ない、というのは不思議な感じがした。

これに関する、なぜそうなったのだろうか?という個人的な考えは、後述したいと思う。

WANIMA、オーラルの圧倒的人気

他フェスはともかく、この日のラシュボの客の感じで言えば、この二組のお客の数・熱気はやっぱりすごかった。

特にWANIMAに関しては、何やっても歓声があがり、お客のテンションうなぎのぼりで、ステージが全てを飲み込んでいるような感じがして、本当に時代がきてるんなだなーと改めて思ったりした。

サカナクションについて

さて、その後、トリはサカナクションだったんだけど、彼のライブは言うまでもなく圧巻で、精密なる照明のオペレート、、計算された音の構築、一郎氏のボーカルにも強さがあって、視覚的にも聴覚的にも飛び抜けたライブをしていたように思う。

その一方で、サカナクションのライブは、オーラルやWANIMAよりは客が少ない気がした。

ラシュボにおいては、サカナクションは2010年、2012年、2013年、2017年でトリを務めている。

で、僕はその全てのライブを観てきたけれど、今年のサカナクションのライブは過去で一番人が少なかったように思う。(ポルカのライブをギリギリまで観てたのに、余裕で前の方まで行けたんだけど、そんなこと、昔のサカナなら人が多すぎてあり得なかった)

まあ、サカナに限らず、ラシュボは立地の問題もあり、お客さんがトリを見ずして帰る傾向があることは確かだ。

ラシュボの立地は微妙なところにあるため、たださえ帰るのが遅くなるのに、明日、仕事や学校のことを考えると、トリを最後まで観ることは(帰る時間的に)リスキーであり、トリは諦めて混む前にさっさと帰ろう、と考えている人が多いのだ。

2015年のBRAHMANのトリがガラガラだったのはともかく、2016年のゲスにおいても、日中さあれだけ混んでたわりには「大して人が入ってない」感はあったし、実際けっこうの人がトリは観ないで帰っていたわけだ。

ただ、今までのラシュボのお客さんのほとんどは、サカナクションであれば混むことは承知でも見ずして帰るわけにはいかない、と考えていた人がほとんどだったし、だからこそ、サカナクションのライブは死ぬほど混んで、帰るときは毎年悲劇になっていた。(そう言えば、今年は帰るときもわりとスムーズに帰れたように思う)

彼らはそんな期待を超えるライブを常にしてきたからこそ、今でも「絶対王者」として、ほとんどのフェスでトリを務めているわけだ。

けれど、サカナクションにそこまでの情熱を持ったお客さんが減った。

だから、今までよりサカナクションを観て帰るお客が減った、というわけだ。

そして、一番のポイントは、もしWANIMAがトリだったら、こんなに帰る人がいたのか?というところにある。

これはあくまてまも僕の予想ではあるが、WANIMAがトリの方が、最後まで残るお客の数は多かったのではないかと思うのだ。

少なくとも昨日のラシュボの客層で言えば、サカナクションには興味はないけど、オーラル、WANIMAは絶対に観る、という勢が多かったように思う。

他フェスのシーンを全て俯瞰したわけではないが、これが、今のライブキッズは概ね反応なのではないか、と思うのだ。

僕と同じくらいの世代は、夏フェスのトリでサカナクションと言えば、「納得」「順当」と思う人が多数だと思うが、サカナクション=夏フェスのトリという時代は(若者の集客というところだけに焦点を当てれば)終焉を迎えつつあるというわけだ。

そして、このように、それまでの価値が変わっていくまさしくその瞬間を指して、僕は「シーンの世代交代」が起きたのだなあ、と感じるわけである。

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まあ、こんなこと言うと「僕はサカナクション好きです!一括りにしないでください!」なんて、怒られてしまいそうだけども。

でも、実際、シーンは3年ごとに移り変わるものだし、つい最近まで死ぬほど人気だったバンドが、3年後には同じキャパのライブ会場をソールドアウトできなくなるなんてよくある話だ。

なので、そういうものと言えば、そういうものなのだが、なぜWANIMAやオーラルは「刺さっても」サカナクションは「刺さらない」人がそれなりに出てきたのだろうか?

好みの問題と言えばそれまでだけど、あえて一つの結論を出すなら「テンポ」の一言に尽きるのではないかと思う。

簡単に言えば、ノれるスピードであるかどうか。

もっと言い方を変えれば、暴れるくらいのテンポの音楽じゃないと心を惹かれない的な。

要は、サカナクションのスピードだと「遅すぎる」からだれてしまい、聴いてもぴーんとこない人が多いのではないか、という説。(もちろん、単純に声が嫌いとか、重い音じゃないと俺の心は動かないとか、人それぞれ理由があるのは承知ではあるけども)

確かに、サカナクションのライブは好きな人でも「moon」とか「soraha」とか「SAKANATRIBE」の時間はあまり好きじゃないという人もそれなりにいると思う。

もしあなたがこの時間に退屈するとしたら、その理由はボーカルレスだから、というところもあるのだろうが、基本4つ打ちポップアンセンなリズムじゃないと反応しない、というところもあると思うのだ。

リズム的な「ベタ」に気持ち良さを感じるサカナクションファンは、そのベタを破壊しようとするDJタイムには退屈に感じやすくなるのかもしれない、という話である。

ただ、こういう人たちは「リズム」に退屈することはあっても「テンポ」に退屈することはなかった。

けれど、最近のライブキッズは、サカナクションの「テンポ」だと、退屈を覚える人がそれなりに増えたのではないか?と思ったりするのだ。

WANIMA・オーラルの特徴は、疾走感のあるビートと、わかりやすいサビにある。

多くのライブキッズはここさえ抑えておけば、演奏が下手だろうが、ボーカルの声が出ていなかろうが、関係なく、盛り上がれる。

そして、ライブで盛り上がることができれば、それで満足できるわけだ。

サビになるとスネアのテンポを倍速にする音楽が氾濫してるのは、その二つの要素を簡単に満たせるからである。

その昔、KANA-BOONがグイグイ来ていた時代があった。

それは「ないものねだり」をはじめとする、高速ビートとわかりやすいサビが若者にビビビビときていたからである。

しかし、KANA-BOONはそんな売れるバンドの常識に少しでも抗うため、ミドルテンポにした曲を頻繁にリリースするようになり、ライブで「速めの歌」も歌うときも、不必要にテンポを上げるようなことをしなくなった。

そのため、テンポ史上主義のライブキッズには、KANA-BOONが魅力的には感じ辛くなり、「人気」という意味では、オーラルやWANIMAに席を譲ってしまった感があったりするわけだ。

そして、これはバンドだけじゃなく、ポップス界隈でも同じことが言えるのではないかと思う。

例えば、星野源だって「恋」はあれほど人気だったのに、「Family Song」がイマイチ刺さっていない(ように僕が感じる)のは、端的に言ってテンポの問題だと思うのだ。

日本の音楽シーン、特にフェスシーンは、よりテンポ史上主義になってきており、そこにコミットするかしないかが、若者の人気の「差」を生んでいるような気がするという話。

まあ、そんな中で異端なバンドがいくつかあって、ゲスの極み乙女。、SHISHAMO、そしてクリープハイプはこのカテゴライズからはみ出たりするのだが、この話を掘り下げるとまたややこしくなるので、今回は割愛する。

まあ、もちろんこれは僕の見立てであり、あくまでもざっくりとした言い方ではあるため、異論もツッコミも、いくらでも入れようはあると思う。

が、これは先ほどのATMCの話とも繋がると指摘だと思うのだ。

先ほど、昔のATMCで「夜ダン」や「ヤバT」は客を集めまくったという話をしたが、なぜ彼らだけがたくさんのお客さんを集めることができたのか。

すごく雑に言えば、彼らは「速いテンポ」と「分かりやすいサビ」をしっかりおさえていたからである。

これさえあれば、若者は「盛り上がってくれる」というポイントを抑えた曲をアンセムしまくったから、オーディエンスは熱狂し、人をたくさん集めることができたわけだ。

けれど、今回のATMCではそういったフォーマットに音楽を落とし込んでいくタイプのバンドはほとんどいなかった。

だから、客の入りもそんなに伸びなかった。

そういうことなのではないか?と僕は思うのだ。

サカナクションの山口は、「フェスを中心にシーンが動いている昨今だからこそ、様々な実験をして、今まで以上に新しい感覚のミュージシャンを生み出し、異端な音楽にさえ、ステージを用意する母体になっていって欲しいなぁと、僕個人的に感じております」と先日ツイートをしていたが、少なくとも若者への「刺さり方」をみていくと、シーンはその逆を言っているように感じる。

実験は不要であり、ベタに徹してほしいというのが大方のライブキッズの本音であり、そのベタとは「高速テンポ」と「わかりやすいサビ」に尽きるのではないかと思う。

それが良いとか悪いとか言うつもりはないけれど、WANIMAが天下をとっている間は、そういうシーンが続くのではないか?という気が僕は少ししたりする。

そんなことを感じるラシュボなのでした(こんな言い方をするとすこく悲観的にフェスを観ているように見えるけど、内実すごくラシュボは楽しんでおりますので笑。悪しからず)

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