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Suchmosの「808」について書いてみたい。

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前置き

「STAY TUNE」以来、2度目となるHonda『VEZEL』のCM楽曲となった今作。

ホンダ側もCM中に登場する車に「808」のナンバープレートをこしらえてたりして、ホンダ側も協力的タイアップを展開している感じがあるわけだが、楽曲自体はあくまでもSuchmosの楽曲。

オンリーワンな俺たちを目指すぜ、ということに対しては一切のブレを見せない作品となっている。

「STAY TUNE」と同じようにレコードがある種のモチーフになっていることや「ゾンビ化している社会への問題提起をしながら、そのまま流されるじゃねえぞ!」的なメッセージを放つ部分は、前作などにも通底しているように感じる。

どこまで意図して狙っているのかはわからないが、そういうことも踏まえながら改めて歌詞をみていきたい。

兄弟という仲間意識

彼らの代表曲である「MINT」でも出てきた「兄弟」という言葉。

それが、今作にも登場している。

よくSuchmosはオシャレ音楽の代表とかシティーポップのカテゴリーの入れたりしている人がいるけれど、それは間違った認識である。

Suchmosは仲間のことを「兄弟」と言っちゃうセンスの持ち主であり、どう考えても「シティ」とか、いわゆる「オシャレ」からは距離を置いているバンドである。

すんげえ俗な言い方をすれば、DQNだったり、ヒップホップ的な精神と近いものがあったりする。

大体、Suchmosのカルチャーの神髄にあるのは、アンチカルチャーな精神であり、言い換えれば、それはカテゴライズされた音楽に対するアンチの姿勢である。

というか、今回の歌詞でも「おまえたち、思考停止になって流されるままに生きているけど、ちゃんと『自分』を持って生きていけよ」みたいなことを話しているわけで、そういう大きなことをメッセージとして歌う彼らだからこそ、流されたような音楽はできないわけで。

まあ、そういうことがグルグル回ったうえで、仲間のことはついつい「兄弟」と言ってしまうんだろうなあ、って話。

Suchmosの精神性が「兄弟」という言葉によく現れてるよねーという話。

英詞の意味について

Everything is Everywhereは直訳すれば、「全てはどこにでもある」という言葉になる。

で、これってある種の現代の皮肉なのだと思う。

それこそネットで探せば聴きたい音楽は簡単に聴けるし、お金を払えば簡単に欲しいものが手に入る時代。

現代ほど何でも簡単に手に入る時代はないわけだけど、手に入ることが簡単になればなるほど、その興は拙いものになってしまうという皮肉。

そうなると、愛のない商売が氾濫しちゃうようになるし、それに振り回されるようになりがちだし、だから進む未来に恐怖感を抱いちゃうし。

どれだけ欲しいものを手に入れても満たされない苦悩から解放されるためには「自分」を持つことがすごく大事だよねーという話。

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808の意味について

タイトルにもなっている「808」。

これってどういう意味なのだろうか?

808という数字はエンジェルナンバーとも言われており、豊かさを示すナンバーだったりもする。

また、名機として高く評価されているローランドが発売したリズムマシンも「808」の数字が使われている。

ミュージシャンの間では「やおや」なんて呼ばれているこのリズムマシン。

おそらく、今作のタイトルは、この「やおや」である808から拝借して使用していると思うのだが、(ヒップホップなんかの歌でも「808」の言葉を使う場合は、大体このリズムマシンを指すことが多いし)なぜこの単語をタイトルとして用いたのか、というところまで踏み込むと、その答えを出すのは難しくなってくる。

仮説をたてるならば、この歌はタイアップありきの楽曲であり、車のナンバープレートに楽曲名を入れたいからタイトルは数字にしてよ、みたいな大人な発注があったから808というナンバーを使ったという可能性もある。

あるいは「STAY TUNE」や「MINT」はアナログレコードから着想を得たタイトルだったので、今作もアナログ・音楽などのキーワードを踏まえたうえでタイトルをつけたいと考え、そこで「808」という言葉が候補に上がり、そのまま採用したという可能性も多いにある。(ジャケットもレコードをあしらうようにして、808という数字を作るようなデザインがされているのもポイントである)

結局のところ、この歌は周りの価値に流されすぎて、己の見失ってしまうのではなく、古いところにも良さがあることを忘れず、きちんと自分をもって生きていこうぜ、って話になると思うので、そういう「自分の価値」を示すシンボルとして、808、というキーワードを使ったというのはあるのかもしれない。

革新性とある種のノスタルジーのバランスをとり、唯一無二の存在として君臨するSuchmosだからこそのタイトルセンスなわけだ。

ほんとこのダサさとオシャレと格好良さの絶妙なバランス感=センスは流石だなあと思う。

ただし、ヨンスの金髪だけはどうかと思うけどね。

個人的に。

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