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SHISHAMO「 ほら、笑ってる」の歌詞について書いてみたい。

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歌詞

空回って つまずいて
私はいつだって傷だらけなの
だけど走り続けなくちゃいけないのは
一人じゃないこと 知ってしまったから

恥ずかしくて 繕ったりしてた
頑張ったつもりなのに報われなかった自分を
恥ずかしく思ってた
そんな自分が嫌だった

思ってもないこと言っちゃったり
みんなが出来ること出来なかったり
いつもどこかで間違える
そんな自分が嫌だった

でも こんな私でも
ほっといてくれない人がいて
そんな人のために
笑っていたくて 走っていたくて

奇跡なんて起きない
そんなことはもう分かってる
でも 悲しくなんてないよ
小さな幸せ あなたと数える
奇跡なんていらない
そんなものよりキラキラしたもの
もう私はたくさん持ってる
ほら、空も笑ってる

もう痛くなんてないのに 痛いフリしてた
私が思うよりきっとずっと
私は弱くなんてない

みじめで 情けなくて
それでもこれが私だから

奇跡なんて起きない
そんなことはもう分かってる
でも 悲しくなんてないよ
小さな幸せ あなたと数える
奇跡なんていらない
そんなものよりキラキラしたもの
もう私はたくさん持ってる
ほら、空も笑ってる

空回って つまずいて
私はいつだって傷だらけなの
だけどそんな私、好きになれますように
この空に負けないくらい 笑っていよう

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雑感

この歌は映画「ミックス」の主題歌である。

新垣結衣と瑛太のツーショットのビジュアルから漂う、そこはかとないコテコテな恋愛映画臭。

スタバのキャラメルマキアートくらいコッテリとした恋愛模様を、爽やかな役者陣のキャスティングにより中和し、結果、松屋に出てくる味噌汁くらいの味付けなっているのではないか?と勝手に思っている恋愛映画。

それが僕の「ミックス」のイメージ。(まあ、見てないんですが)

ところで、王道な恋愛映画の世界観を上手く形にしてくれるバンドは誰だろう?と考えたとき、その選択肢はいくつかあると思う。

例えば、トコトン女子高生ウケを狙い、おまけにお涙頂戴する気満々だったりすると、バクナン辺りが白羽の矢に立つ。

あるいは、女子高生だけでなくもっと上の世代の取り囲みたいという意欲があれば、ミスチルやスピッツのブッキングが見えてくる。

もう少し変わった恋愛模様を描く気だったりすると、クリープハイプのブッキングも見えてくる。

そんな中、「ミックス」の製作陣が選んだのはSHISHAMOだった。

爽やか×恋愛という二つの要素を完璧なまでに抑えているSHISHAMOをブッキングするそのセンス、役者のキャスティングのみならず、ミックスの製作陣は「分かっている人」がいるんだなーと痛感する。

まあ、そんなことはどうでもいいんだけど、SHISHAMOの今作は、映画の書き下ろしということもあり、また、映画の脚本を見ながら書いたということもあり、見事に映画の世界観とマッチした作品になっている。

ただ、あまりにもマッチしている故、もはやこの歌詞は<ネタバレ注意>のお触れをつけてもいいのではないか?と思っちゃうレベルである。

だって、オチも含めて映画の概要を完全に語ってるじゃん、これ?昔のアニメの次週予告のナレーションばりにネタバレしてるぜ、これ?

まあそれくらいに、この歌詞は映画の主人公である多満子の心情を上手く描いているわけだ。

ただ、その一方で、単に多満子の歌になってしまうのではなく、SHISHAMOのリスナーの等身大の物語としても受け止められるような作りになっているのは流石である。(全体のサウンドが無駄に壮大になっていないのもポイントであるように感じる)

そもそも、SHISHAMOの歌における「私」って、すごく透明性が高いように感じる。

その透明性たるや、ギャルゲーの主人公ばりである。

要は、「私」という一人称に聴き手自身が代入しやすいわけであり、それ故共感しやすく、それぞれの生活に機能しやすい歌になっているわけだ。

まあ同じ歌詞でも、その辺のアイドルがこれを歌っていれば「いや、お前なんてどうせ男を手玉にとって人生イージーモードで生きてるんでしょ?非モテを舐めんなよ、この尻軽ビッチ脳が!」なんて文句が出てしまう可能性だってある。

が、SHISHAMOが歌うからこそ、こういう歌詞にリアリティーが生まれるし、刺さる歌詞になるのだと思う。

ところで、個人的にこの歌で気にいってるフレーズがひとつある。

それはラストのサビにある「だけどそんな私、好きになれますように」というフレーズ。

このフレーズをみて、SHISHAMO「魔法のように」という歌を歌を思い出した。

というのも、前述の歌には「鏡の中の私はきっと誰よりもかわいい そう思えますように」というフレーズが出てくるのだが、そのフレーズとの親和性を感じるのだ。

SHISHAMOはあくまでも「あなたはだれよりもかわいいよ」なんて無責任な言い方はしない。

あくまでも「そう思えますように」という、微妙なラインからそっと背中を押すのである(これまたSHISHAMOが言うからこそ、響くフレーズなのである)

SHISHAMOの歌に出てくる主人公は、少年漫画の主人公のように、すごい力を持っているわけでもないし、超人的なメンタルを持ち合わせているわけでもない。

だから、辛いことがあると凹むし、上手くいかない日々ばかりで嫌になることもある。

けれど、なんだかんだで最終的には、柔らかい前向きな心を持って生きていくのだ。

その前向きさ加減が絶妙だからこそ、SHISHAMOの歌は「共感」を生むわけである。

そういや、この歌、冒頭は「空回る」という言葉で始まり、最初のサビ終わりは「空も笑ってる」という言葉で締めくくっている。

実は「空」というキーワードで繋がっているのだ。

「空」をキーワードにして、心と景色を繋げるだけでなく、歌詞全体の冒頭と終わりまでもを繋げるわけである。

空回っていた心がいつしか空のように笑っている、なんて素敵な話ではないか。

ただ、あっけらかんポジティブに行こうよ、なんて安い話ではない。

色々辛いこともある。

自分の嫌なところを飲み込むのだってけっこう辛い。

それでも、笑っていこう、と決めるわけだ。

微力ながらも、確かな前向きさを持ち合わせているからこそ、刺さるのだ。シシャモの骨のように。

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