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BUMP OF CHICKENが2月10日におよそ2年ぶりのリリースとなる8枚のオリジナルアルバム「Butterflies」。

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今回はその表題曲である「Butterfly」の歌詞を見ていこうと思う。

で、先に答えをかくと、この唄は天体観測やプラネタリウム、あるいは宇宙飛行士からの手紙と同じように、僕(あるいはネガティヴな感情)ともうひとりの僕(あるいはポジティブな感情や衝動)という、本来であればもっとも近いはずの両者の距離の「遠さ」を歌った唄だと思うのである。

どういうことか。

みていこう。

※当記事について著作権違反という申し出があったため、歌詞の引用部分に関して一旦全て削除にしますが、お手数ですが、歌詞に関して別サイトでご参照になりつつ、当記事をお読みください。お手数おかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

Aメロ~Bメロについて

基本的に藤原基央は内面とか心の世界を意識させる。

冒頭、今回は「内側」という言葉を使っている。

この言葉によって、きっとこの歌は人の心とか内面について歌う唄なのだろうと想像させるわけである。

その後のフレーズでは「自分は他人の痛みに積極的に気付くような人ではないが、そんな自分も人から気づかれない痛みをもっていること」を伝える。

これも結局、先ほどの内面の話と噛み合っていて、傍目からみると元気そうに見える人も、内側をみたら色々と悩みを抱えているんだよ、と言っているわけである。

次の「いつか知った何かの言葉~動きを鈍くした」というフレーズは、ネットやSNSが発達した今の世代はついつい情報ばかりを頭に詰め込み、頭でっかちになって動けなくなってしまうことが多く、このお店はダメだとか、この仕事をしたら苦労するぞ、とかそんな批判の言葉をすぐに見つけてしまうようになってしまっていることを例えているのである。

情報収集すること=重い鎧

というわけだ。

批判が目に付くものはどうしても避けたくなってしまうだろう。

結局、情報収集に徹してしまい、理屈をつけて行動に移さない人がとても多くなってしまうわけだ。

そんな現代人を揶揄するような言葉がここで紡がれているわけである。

みんな、頭でっかちになってしまっているよ、と言いたいわけだ。

そして、このフレーズがこの唄のポイントだったりする。

というのも、今回は比喩のイメージは最終的に蝶々の成長の過程に繋がるように巧みに作られてるのである。

だから、ここでは蝶々になる前の「サナギ」をイメージを想起させる言葉を使っているのである。

次のフレーズをみてみよう。

「光らなくなった~決めている」のフレーズについてであるが、「光らなくなった靴の事」というフレーズは「昔はキラキラした夢に向かっていたが、今は歩くことを止めてしまった僕」を指して書かれている。

忘れてしまった唄のこと、とは夢をみていたときに大好きだった唄のことを指しているのだろう。

大人になるということは大切にしていた夢を諦め、何事も受けれていくことなのだろう。

そういう気持ちを失くさないで運ぶ、そんなやり方はないのだ、と一番のフレーズは諦めきってしまっている。

次のフレーズをみてみよう。

「誰にも聞こえない~誰だろう」の部分である。

藤くんの歌詞はセカイ系とも通じるところがあり、必ず歌詞はふたつの方向に向かう。

ひとつは壮大な宇宙、そしてもうひとつは僕と君というとても小さな距離。

とても大きなことを歌っているように見せかけて、とても小さなこと、繊細なものを歌うというわけだ。

今回の歌詞ではまだ「君」は出てこないが、「誰だろう」というフレーズを使うことで、もうひとり、ここに誰かがいることを予感させる。

内面世界にいる君とは一体何者なのか。

歌詞の続きをみてみよう。

サビについて

自分というのは簡単に変わるものじゃないけど、心を変えて見方さえ変えれば世界自体は意外と簡単に変わるのだ、とここで指摘する。

ポイントなのは、ここまでこの歌詞は一切外側の話はしないで、自分の内側の話に終始していることである。

先ほども書いたが、それはまさしく蝶々が羽化する前、サナギになってじっとしている光景に似ている。

内面世界=サナギの中という方式を徹底しているわけだ。

ところで、気になるのが量産型という言葉である。

この言葉は何を指しているのだろうか。

それについては後述するので、先の2番の歌詞をみていこう。

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2番の歌詞 Aメロ~Bメロについて

最初のフレーズは歌詞の意味を読み取ること自体はそこまで難しくはないと思われるが、ここは一番と違って内面世界からは少し離れた記述をしているように見える。

「旗」という言葉や「歩く」という言葉がそう感じさせるのだろう。

ここでは、夢とか想いという言葉の比喩に「旗」という言葉を使用しているわけだが、なぜ、この言葉をチョイスしたのだろうか。

今まで流れからみると、「旗」という言葉は少しだけ浮いているような印象がある。

まあ、藤くんは旗という言葉が好きだからぽろっと使っただけなのかもしれない。

fire signやsailing dayなんかでもこのモチーフは登場させているわけだし。

この段階では理由はわからないので、次のフレーズをみてみよう。

「光らなくなった~上手に出来ている」の部分である。

似たようなフレーズを使い、一番と二番の対比を明確にしたうえで、1番では絶望や失望を歌い、2番では勇気や希望を歌うのは、藤くんのお家芸のひとつであるが、このワードをこういうふうに輝かせるのはさすがである。

同じ言葉を付け足しただけなのに、そこに与える意味がまったくもって違うわけだ。

失くさないで運んでいく、という作業を「やり方」という言葉で表現しているのはとっても独特である。

これはひとつのポイントで、後半のフレーズに結びつく。

2番~3番のサビについて

ここで具体的に「君」が登場する。

この「君」って誰だろうか。

この唄は内面を歌った唄であり、他人である可能性は低い。

そこで量産型=僕=君ではないかと想像するわけだ。

もちろん、涙の羽を与えるのだから、この君という人物は只者ではない。

しかも、君がみたものから心が生まれるとかいているのだから、この君の凄さは相当なものである。

冒頭のフレーズで僕は悲鳴をあげたと書いているが、その悲鳴を聞いて、ため息を胸に手を当てさせた張本人は君なのだろう。

この君とは、キラキラしたもうひとりの僕、という言い方もできるが、もつひとりの僕、というよりは僕の中にある別の感情という捉え方をした方がしっくりくるかもしれない。

自分の中に眠っていたキラキラとした感情、とでも言おうか。

要は自分の心の中に光を宿してくれる「何か」を指して、藤くんは「君」と呼んでいるのである。

だから、この君というのは、厳密な意味で正体はないのかもしれない。

誰?というのは野暮な言い方なのだ。

だって、これは内面の話なのだから。

サビをみていくと「飛んだ」という言葉が使われているのだが、これはまさしくサナギが羽化すれば綺麗な蝶々になって飛んでいくサマを想像させるような描き方である。

そして、サナギのときは、それこそ量産型のように見た目に違いなんてほとんどない。

だけど、蝶々になったとき、それぞれの蝶々は羽に綺麗で個性的な模様を付けて、空を飛ぶわけだ。

量産型だった僕は、新しく生まれ変わる瞬間である。

でも、その羽は簡単に生えてくるものじゃない。

流した涙の分だけ、それが自分の「羽」となって、より高く自由に飛べるわけだ。

ここでいう涙とは悲しい過去や苦労や苦しみを引っくるめて指しているのだろうが、自分のキラキラした感情に触れることでそれは「羽」になると言っている。

飛ぶのあとに「踊る」と表現したのは、その飛び方がいかに自由なものであるのかを表現するためだろう。

涙が羽をもらって喜んで飛んだ踊った、というモチーフは、実はRAYにも見受けられる。

それがこの部分。

「あまり泣かなくなっても ごまかして笑っていくよ
大丈夫だ あの痛みは 忘れたって消えやしない」

誰だって痛みがあることは当たり前だけど、その痛みこそが君を形付くる大切なものだと藤くんは言うわけだ。

流した涙や消えない痛みがあるからこそ、より僕たちは「キラキラした未来」を生きていける、と言ってるわけだ。

だから、その痛みや悲しみを悲観する必要なんてない。

これは幸せの序章なんだよ!受け入れてあげよう、といっているわけだ。

この唄の僕がネガティヴな僕なら、この唄の君はキラキラした僕なのである。

やはり、僕=君なのだ。

さらに言えば、僕も君も感情のことを指しており、感情というものは量産されるから、この唄は僕も君も量産型だといっているのだ。

負の感情は愛されなかった量産型かもしれないが、この感情のおかげで飛んで踊れるように羽ばたけるのだ。

ジャケットを思い出してもらえば、バタフライの周りを色んな色が埋め尽くされていることがわかる。

喜怒哀楽という言葉だけでは言い切れないほど、人の内面には色んな感情が渦巻いている。

それを示したのがあのジャケットであり、そんな内側の感情の変化を、僕と君、あるいはサナギや蝶々というモチーフを使うことで、丁寧に表現したのがこの唄なのである。

この唄は、君の中の感情同士の話だから、外側のことはあえて一切語らない。

そして、だからこそ、最後にこう問い掛けてこの唄は終わるのだ。

本当はもっと知っている ずっと、と。

君の内側の感情は今、君に何を語りかけているだろうか。

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こちらの記事にも藤くんの歌詞をかいています。

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