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スピッツの「ハチミツ」がリリースされて20年が経った。

それを記念してトリュビュートアルバムがリリースされる。

オリジナルアルバムがまったく同じ曲順でトリュビュートされるなんて滅多にないことである。

というわけで、それを記念してこちらもハチミツの楽曲の歌詞解説というか、歌詞考察みたいなものをしてみたいと思う。

あくまでも個人的な解釈なので、ご理解頂ければと思う。

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まずは最初のフレーズからみていこう。

忘れられない小さな痛み 孤独の力で泳ぎきり
かすみの向こうに すぐに消えそうな白い花

ここでわかるのは主人公は昔、なにかで傷つき胸に痛みを抱えているということである。

肉体的な傷ではなく、心の傷であることを傷に「小さな」という言葉をくっ付けることで強固にしている。

孤独の力で泳ぎきり、なんて書いているから主人公は早速失恋でもしてしまったのかなんて疑いたくなるが、ここはスピッツの歌詞世界。

あまり早い結論を出すのは危険だ。

続きをみていこう。

すると、白い花という言葉が出てくる。

これは何だろうか。

白い花と言えば、おそらくユリを連想するのではなかろうか。(ハチミツの楽曲にはアジサイの歌もあるからそっちという線も否定はできないが)

で、ユリの花言葉をみてみると、「純粋」「無垢」「威厳」といった言葉が出てくる。

白い花がユリであり、これは無垢の象徴として使用しているのだとすれば、それがかすみの中で消えそうになっているのもなんとなく理解できる。

(まあ、穿った見方をせずに考えていけば、白い花は「君」になるのだろうけども)

さて、次のフレーズをみてみよう。

思い疲れて最後はここで 何も知らない蜂になれる
瞳のアナーキーねじれ出す時 君がいる

まあ、これで蜂=主人公、白い花=君ってことがわかるんじゃなかろうか。

思い疲れるっていうから、この主人公は君に振り回されているのがわかるし、孤独の力で泳いでいるから単純にラブラブムードというわけではないのだろう。

で、瞳のアナーキー。

なんじゃこりゃ、って感じである。

瞳が無秩序ってどういうことやねん、と。

まあ、真っ直ぐに君のことをみている、ってニュアンスの言葉を草野的に捻じ曲げた結果の言葉なんだろうけど。

ただ、その目線が捻れないと、君が出てこないって時点で随分と倒錯した空間に僕と君はいるような気がする。

さて、サビのフレーズをみてみよう。

二人で絡まって 夢からこぼれても まだ飛べるよ
新しいときめきを丸ごと盗むまで ルナルナ

先に明言しておくと、ルナルナという言葉には意味がないということにしておく。

たぶん、二人でいれば現実世界でも飛べちゃうくらい幸せな日々が過ごせるよ!みたいニュアンスなのだろう。

けれど、僕と君がただ「ラブラブ」なら新しいときめきを盗む必要はないのではなかろうか。

どうやら僕は君のことが大好きだが、どうにもこの思いは一方的クサイことがここまででなんとなく感じ取れるのではなかろうか。

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さて、2番にいってみよう。

羊の夜をビールで洗う 冷たい壁にもたれかかる

このフレーズがくる。

草野の歌詞の特徴で、2番の冒頭は実に現実クサイ言葉が並ぶことが多いのだ。

それを踏まえてみてみると、羊の夜、というのは羊を数えてなんとか寝ようとしている夜=なかなか寝付けない夜というふうに考えられないだろうさ。

なんとか寝ようと試みてビールを飲んで眠ろうとしているのだ。

だから羊の夜をビールで洗うのである。

だけど、それがそれがうまくいかないことを冷たい壁にもたれかかるというフレーズが表しているのだ。

壁が冷たいのだから、おそらくここには君はいない。

およぐとか、飛べるとかいうのは妄想で、主人公は眠れない夜に壁にもたれかかっているのがここでよくわかるわけだ。

で、ちゃかしているスプーキーというフレーズに繋がる。

スプーキーってなんぞやとなるが、ここはおそらくアナーキーと同じ感じで本来形容詞的な言葉を名詞的に使っている。

そして、この言葉は気味悪いとか、お化けのようなという意味であり、オカルト的世界にグッと引き寄せるのだ。

みだらで甘い 悪の歌、ということは、結局、君とラブラブの妄想で満足して、結局、一歩も踏み出せていない主人公を指しているのではなかろうか。

次のサビでほら 眩しいというフレーズがあるが、これがいかに虚しいものかもうお分かりであろう。

僕にとって、不思議な出来事は君へと繋がっているのかもしれないが、まだ君にとって、僕は何でもないのかもしれない。

だからこそ、最後のサビは新しいときめきを丸ごと盗むまで ルナルナ となるのだ。

結局、前に失恋して小さな傷を負っている僕は君に恋したが、怯えてなかなか前に進めないであて、君が白い花で、僕が蜂になれば何も考えずに君に近寄って、アナーキーに見つめることもできるのに、と妄想に耽っているわけである。

けれど、現実は眠れない夜に冷たい壁にもたれかかりながらビールを飲むだけの寂しい男なのだ。

でも、いつか夢からこぼれて(覚めても)二人で絡まっていけると信じ、君が誰かにときめきそうな感情を奪い去るくらい鮮烈に登場し、いつか君のハートを奪い去るのである。

そんな夢がルナルナという擬音に収斂されるのだ。

たぶん。

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