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スピッツの「さらさら」の歌詞について書いてみたいと思う。

一番、二番、Cメロからラストのサビに分けて、個人の主観や偏見を交えながら考察していきたい。

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作詞:草野正宗
作曲:草野正宗

一番の歌詞の考察

歌詞をみてもらったら、この歌のフレーズは全て現在形で構成されている。

普通、文章というのは性質上、未来から過去の回想という構図を取りがちなのに、この歌ではそれを意図的に回避しているわけだ。

なんでだろう。

まあ、それは今のところいい。

さて、まず「素直になりたくて言葉を探す」とあるが、これは頭の中に言葉がありそうで、何にも言葉がない、というわけである。

すると、そこに満ちるのは沈黙であり、雨の音が部屋を埋め尽くすのも構図としてはよくわかると思う。

ただ、その後の接続詞として<だから>と繋げるのはわりと謎である。

無言を貫いてるから雨の音がうるさい。だから、側にいてほしい。眠りにつくまで側にいてほしい。

こう言われたら流石にぶちぎれると思うのだ。

いやいや、なんかお前も喋れよ。わがまま言うなよ。そんな話になるのではないかと思うのだ。

さらに「側にいてほしい」と言いながら「見てない時は自由でいい」という、相反するようなことも言ったりする。

トドメに「まだ続くと信じてる 朝が来るって信じてる 悲しみは忘れないまま」である。

んん??

どういうこと?

けっこう今回の歌はイメージのし辛い歌ではないだろうか?

見えづらい理由は2点あって、ひとつは、一番には一人称も二人称も登場しないからだ。

もうひとつは、登場人物の身体性が希薄だからだと思う。

要は、誰も何の行動もしておらず、観念めいた言葉ばかりが並べられるからイメージがしにくくなっているのだ。

難しいところは悩んでもしょうがない。

こういったことを踏まえながら、二番の歌詞をみていきたい。

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二番の歌詞についての考察

的外れを言って謝っているのは主人公だろう。

そのことを「ゆがみ」と表現し、そのままでいることを「甘え」としているのも主人公だろう。

的外れなことって何を言ったんだって話だけど、君に対して見当違いの予測をたててしまったことは間違いない。

うーむ。なんだかハードルの高いコミュニケーションだなーと思っていたら、あっという間にサビが始まる。

ここでポイントなのは「君の指先」という言葉と「手紙が届く」というフレーズだと思う。

先ほど述べたように、この歌、えらく身体性が希薄なのだ。

主人公と君がコミュニケーションをしているはずなのに。

会話をしているのに、二人はすぐ側にいないような、そんな感じ。

そんな感覚に補助線を引くのが、先ほど述べだ二つの単語。

手紙はメールという言葉にも置き換えられる。

そして、メールは指先だけでできるコミュニケーションである。

ここで、見えてくるもの。

二人は対面しているのではなく、メールでコミュニケーションをしているのではないか、と。

だから、いつも(メールを)気にしていたいんだ、と言いながらも、「見てない時は自由でいい」と言うわけである。

当たり前だけど、メールの場合、相手の返信が返ってくるまでは次の返信なんて考えなくていいんだから、自由でいていいわけだ。

けれど、自分が寝るまで側にいてほしいから、主人公は頑張って次の返信を返そうと躍起になる。

まだ続くって信じながら。

そんな往復の手紙のやり取りを夜通し繰り返しているのだ。

Cメロ〜サビの考察~まとめ

身体を水に作り変えるのは僕、僕が水になることで魚の君を泳がせるわけだが、そんな風にして僕が君を大きく包み込んで君を導いてあけだら光が差して、夢オチじゃない本当の答にたどり着く。

もちろん、これは比喩で、彼らの100回の答とはメールのやり取りの数なのではないかと思う。

やり取りをするごとに疑心暗鬼になったり傷つけそうになったりしまがら、でも最終的に僕が君を包むような言葉を投げかけ、100回目のやり取りで「ここで安心して終われる決着地点」を見つけるのである。

ふたつの意味で「朝が来ると信じながら」メールをやり取りする長い長い一夜のお話。

ただ「悲しみは忘れないまま」というフレーズがあるように、これは単なる恋人あるいは付き合う前の単純の男女のメールのやり取り、という話ではないのかもしれない。

それこそ、震災と絡めたもっと細い糸がほどけそうなギリギリの二人の関係を歌った歌という可能性はありうる。

全てを現在形でまとめたのは、この作品が東日本大震災後の作品であり、時系列をズラして登場人物が死んでいることを予感される感を払拭したかったからではないか?そんなことを僕は思うのだ。

タイトルはさらさらだけど、実はそんなにさらさらしていない。

実はそんな歌なのかもしれない。

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