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宇野さんがくるりの本書いたし、僕もくるりのこと書きたくなった。

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ってことで、くるりの「ばらの花」の歌詞について考えてみたい。

作詞:岸田繁 作曲:岸田繁

雨降りの朝で今日も会えないや
何となく でも少しほっとして
飲み干したジンジャーエール 気が抜けて

僕が会おうとしているのは君だと思うけれど、雨降っているくらいで会うことを諦めるなんて、ちょっとだらしないと思うわけだ。

会いたいと思っているなら雨の中でも君に会いに行けよ、と思わなくもない。

けれど、会えないことに少しほっとしているということは、君との関係がすごく微妙なものであることを匂わせている。

二人の間柄は気の抜けたジンジャエールのようにぬるいものであることを予感させるフレーズを追加させつつ。

続きをみてみよう。

安心な僕らは旅に出ようぜ
思い切り泣いたり笑ったりしようぜ

そんな僕と君のことを「安心」と表現しているのはどういうことだろうか。

そして、思い切り泣いたり笑ったりが二人でできていないからこそ、それを「やろうぜ」とわざわざ宣言するのである。

理由はわからないけれど、マンネリで微妙な関係を過ごしていそうなふたりなのだから、そう考える方が筋が通る。

旅に出るのは雨が上がってからだろうか。

ってことは雨あがったら会うつもってことだろうか。

一番だけだとわからないことだらけのこの歌詞。

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まあ、歌詞の続きをみてみよう。

愛のばら掲げて遠回りしてまた転んで
相づち打つよ君の弱さを探す為に

ばらは確かに愛を表現するの適した花のような気がする。

実はこの二人の微妙な関係性は「遠回りしてまた転んで」の繰り返しであり、むしろマンネリと対極の、お互いまだ本音をさらけ出せない、気の使った状態だからこそ、会えないことが逆に少しほっとしたりもするし(会うときは緊張しまくりで相手のこと考えっぱなしなのだろう)、君に対する愛の気持ちは明確にあるんだけど、それを伝えるのがいつもうまくいかない感じなのかもしれない。

君のことをまだちゃんと理解できていないからこそ、僕は相づちに徹して君にいっぱいしゃべってもらい、君の感じていること、想っていることを探ろうという作戦なのである。

君の弱さというのも、君の本音という言葉に言い換えができるかもしれない。

要は一番立てた仮設はむしろ逆で、二人の関係とはぬるいとは真逆だったのだ。

むしろふたりの関係はぬけてなくなった「炭酸」に近いと表現してもいいかもしれない。

安心な僕らは旅に出ようぜ
思い切り泣いたり笑ったりしようぜ
僕らお互い弱虫すぎて
踏み込めないまま朝を迎える

お互い、しっかり相手のことに関心がある状態だからこそ「安心」な僕らなのかもしれない。

そして、このフレーズで出てくる「旅」という言葉はどちらかというと比喩に近くて、色んなことをこれからふたりで経験しようよ、みたいなニュアンスに集約されるのかもしれない。

で、旅のような色んな経験を繰り返せば、わからないだらけの君のことも少しずつわかってきて、心の底から笑ったり泣いたりすることができるようになるし、そういう関係を築いていこうぜと言っているわけである。

とはいえ、お互い弱虫なので、なかなかそこまで踏み込めないけどね、テヘッ、って感じだろうか。

まあ、朝を迎えたってことは一夜を一緒に過ごしているわけで、そこまでできるんならあともうちょっとだよ、と思わなくもない。

暗がりを走る 君が見てるから
でもいない君も僕も

暗がりが具体的に何を指すかはわからないけれど、踏み込もうとして、でもやっぱりなかなか踏み込めないでいる、常にリスタートし続けるふたりの関係を象徴するようなフレーズになっているような気がする。

最終バス乗り過ごしてもう君に会えない
あんなに近づいたのに遠くなってゆく
だけどこんなに胸が痛むのは
何の花に例えられましょう
ジンジャーエール買って飲んだ
こんな味だったっけな
ジンジャーエール買って飲んだ
こんな味だったっけな
安心な僕らは旅に出ようぜ
思い切り泣いたり笑ったりしようぜ

最終バスに乗り過ごしたというのはひとつの比喩であり、何かしら僕が君に不信に思われるようなことをしたのだろう。

だから、せっかく近づいた心の距離もまた遠くなってしまうのである。

それまでは愛のばらを掲げていた僕の手元には愛の象徴であるばらはもうなくて、傷んでいる胸には別の花が宿っているのだ。

それは何の花と呼ぶべきなのかはあえてここでは明言せず、それは聴き手に委ねられている。

安心の象徴だったジンジャエールの味はこの時にはもう変化しており、安心な僕らが安心ではなくなってしまう未来を予感させるフレーズとなっている。

ところで、ここで味が違うように感じるのはジンジャエールの気が抜けていないからなのかもしれない。

甘かったジンジャエールは辛くなっていたのだろう。

つまり、この先のふたりの未来が辛く苦いものになってしまうということの示唆なのかもしれない。

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