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あいみょんの「マリーゴールド」について書いてみたい。

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作詞:あいみょん
作曲:あいみょん

二人の関係性って何だろう?

この歌には「君」という単語が5回出てくる。

一方、一人称は一回も出てこない。

しかし「君が恋しい」や「大好きさ」や「アイラブユーという言葉じゃ足りないからキスして」というフレーズから、この歌の主人公と君は、恋仲の関係にいることが想像される。

君に対する描写は「麦わら帽子を被っている」というその一点だけであり、それがマリーゴールドのようだという表現しか記されていないが、たったこのワンフレーズで、なんとなく君がどういう人物なのかをイメージさせる奥行きがあるのは、あいみょんならではだなーなんて思う。

君の設定がそうであるため、主人公は男の子なのかなーなんて思うわけだが、この主人公の心理描写を読んでいたら、男のくせに流石にピュアすぎるだろ、いかにも「女目線で描写した男主人公だわー」って感じがしちゃうんだけど、それも良い意味でいつものあいみょんっぽさがあって、個人的には好きだったりする。

ただ、この歌は楽曲全体の雰囲気がノスタルジックなこともあって、なんだか全体的に切なさを感じさせるような仕様になっている。

ラブラブな二人のはずなのに、どこかその関係性に儚さを覚えるような、そんな歌になっているわけだ。

「幸せだ」「大好き」というワードがあるように、二人は幸せ絶頂な関係であるように読める。

可哀想なふりしても希望の光は目の前にある、と言い切ってみせるほど、僕は君のことをとても大切に思っていることがわかる。

けれど、サビのこのフレーズが気になるわけだ。

「あれは空がまだ青い夏のこと
懐かしいと笑えたあの日の恋」

つまり、そういう幸せなシーンを過去のこととして回想しているのではないか?そんなことを思ってしまうわけだ。

その後に続く二番では「目の奥にずっと写るシルエット」なんてフレーズを挟むことで、君という姿は「そういうところにしか観ることができないモノなのでは?」という気分にさせられるわけである。

そういうことを踏まてCメロのフレーズを読むと、なんだか全てが意味深に聞こえてしまい、まるで二人は死別したのではないか?なんて想像までさせられるのである。

だから、空や雲を意識させるフレーズばっかり出てくるのではないか?君は天国に行ってしまったから的な。

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サウンドの話

一番最初アコギの音が切断されたようなイントロでこの歌が始まる。

この音で、僕は途切れた何かを繋ぎとめ直すような、そんな印象を持ってしまい、なおのこと、前述のような印象を持ってしまう次第。、

イントロとアウトロでは、エレキギターのソロが象徴的に響いており、これがまた切なさを喚起している。

夏とか純愛をテーマにしているならば、もっとアゲアゲなハッピーチューンにすることもできたはずなのに、あえて切なさを押し出すアレンジを選んだことで、より歌詞が意味深に響いていたりするわけだ。

まあ、それは深読みらしいが

あいみょんから言わせれば、死別なのでは?という発想はただの深読みであり、この歌は単純なハッピーエンドとして書いたつもりだったとインタビューでは公言している。

ただ、あいみょんは歌詞というのは各々が自由に解釈するものであるべきとも述べているし、色んな解釈をすることができるようなフレーズを並べるあいみょんって、センスがあるよなーという話。

個人的には、スピッツに似た世界観があるよなーと思っていて、だからこそ、二人の関係性に危うさを感じるような歌詞世界になっているのかなーなんてことも思ったりしている(あいみょんはスピッツに大きな影響を受けていることも公言している)

ところで、この歌は君に麦わら帽子を被らせた時点で勝利だよなーなんて思っている。

あいみょんの代表曲である「君はロックを聴かない」では、君に与えたアイデンティティはロックを聴かないというたったそれだけで、ロックを聴くこと/聴かないことという軸だけで、僕も君も色濃くキャラ描写していったわけだが、今回の歌では君に麦わら帽子という個性のみを与えることで、この歌がどこまでもピュア性を宿らせる歌になっているように思うわけだ。

でっかい雲が広がる青空の下で、麦わら帽子を被る少女というイメージがどこまでも想起されるし、このイメージがこの歌の解像度をどこまでも鮮明にしているように感じるわけだ。

だってさ、そんな絵を描いたらさ、いやでも青春の恋、純愛って感じが出てこないですか?違いますか?そうですか?

ただ、歌詞を通して「空が青かったことはあの頃」と形容しているように、僕も君も空が表情を変えるのと同じように、いつかは変わっていくことを予感させる構造になっているし、だからこそ「ぎゅっと抱きしめて離さない」というフレーズさえも、どこか切なさを覚えてしまうのかもしれない。

いつか、君はピュアの象徴である麦わら帽子を捨て去り、ギャルとかになったりするのかもしれない。

そんな僕と離れ離れになる未来すらもうっすらと見えてしまうのが、あいみょんの歌詞が一縄筋でいかない感なのかもしれない。

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