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バンドのライブのウリは体験である。

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その場でしか味わえない興奮と感動を体験できるということである。

それはつまり、ライブというのはただ音楽を聴くのとはまったく違って、五感で語りかけてくる何かがあるというわけである。(YoutrubeとかアベマTVでライブ映像を観るのと実際にライブ行くのが全然違うことは行った人ならばわかることだろう)。

とはいえ、その体験の種類は2極化が進んでいるように感じる。

ひとつはSiMやCFなんかで代表されるようなモッシュ&ダイバーまみれ系のライブ。

これは5感の中でも触覚を優先させているライブである。

音に身を任せて自由に動く快感があり、普段は吐き出せない衝動を形にする、ライブだからこそできる貴重な体験を与えるわけである。

もうひとつはセカオワやサカナクションなんかで代表されるような映像重視系のライブ。

主に光を使って音に合わせて芸術的な仕掛けを施すことで、耳だけでなく視覚に訴えかけるようなライブを演出をするわけだ。

いずれにしても非日常的な体験を与えるという工夫をこなしているわけだ。

もちろん、視覚的演出はお金がかかるので、普通はアリーナ級のアーティストにしかできない芸当なわけだが、ライブハウスレベルのバンドでも、amazarashiは前方のビジョンにひたすら歌詞を映すことで神秘的な空間を作るし、打首は自分で用意した画面に歌詞に合わせて面白いムービーを流したりする。(打首はちょっとケース違うんじゃねというツッコミは快く受け取る)

まあ、少なからず照明を効果的に使ったり、特殊なSEをライブの途中で挟むことで、幻想的な空間を作ろうと工夫しているバンドは多い。

また、照明なんかは使わなくても、BRAHMANのTOSHI-LOWはステージ上でキビキビと身体を動かすことで(これは口では説明しにくい)、他のメロコアバンドではあり得ないような独特の空気感をステージに作り出している。

また、四星球は衣装を変えたりステージ外を走り回ったり、時にはコントをしたり踊ったり、することで、ステージ上のエンタメ性を強くし、ライブ+αにすることで、視覚的な楽しみを増やしている印象がある。

昔はぶっきらぼうにライブをやっていたBUMPですらチームラボの力を借りたり、みんなに光るブレスレットを付けさせることで、視覚的な美しい光景を作り出す作戦をとっている。

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で、この流れは今後も加速すると思われるわけだが、音のみで勝負するバンドはどうなってしまうのか?という不安があると思う。

しかし、そんな不安に風穴を開けたのがSuchmosだった。

ライブ中のYONCEは無駄にクネクネと身体を動しているが、それは視覚的に効果を与えているわけではないし(要はそれがなくても成立するという話)、「みんな一緒になって盛り上がろうぜ」というような、みんなで一緒の動きを共有させるようなこともしない。

演奏のグルーヴ、音の快楽を一番にしたライブを行っているのだ(とりあえず、今の所は)。

Suchmosのヒットで一番大きいのは、スペクタクル化しつつあるライブという空間、2極化しつつあるライブの潮流に、タンマを与えることができたということだったのではないかと思う。

バインやバンアパみたいなバンドが若者に受けなくなりつつあると、どうしても酒飲みながらゆったりライブを見る、みたいなスタンスの楽しみ方をしたい人間の肩身が狭くなるのだが、少なくともSuchmosはその流れを止めてくれた。

ジャンルがどうとかそんなんじゃなくてライブのスタンスというものに対して、今後に大きな影響を与えることができたというのは、わりと大きいと思うのだ。

無理して5感を研ぎ澄ますようなライブしなくてもいいんだという話であり、音だけに身を酔わせることができるライブでもいいんだ、それでも成立するしヒットするんだよ、という話である。

とはいえ、Suchmosがアリーナ級になるときにはバンバン照明を使ったりする気もするけれども(笑)

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