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カミコベ2017が終わった。

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僕は関西の人間で、去年やその前の年なんかは足を運んだんだけど、今年は用事があって行けなくて、悔しい想いをしながらもTwitterなんかでカミコベの感想を見ていたりしていた。

で、SNSをみていると、色んなことが話題になっていた。

正直、ネガティヴな話題が多かった。

・リストバンド交換まで2~3時間かかる
・スマホを使い回しての入場が相次ぐ
・メイン会場のアリーナからスタンドへよじ登る人現る
・『モノを投げるな』とアナウンスする自体にねり、けれどタオルやらペットボトルがステージが投げられる
・喫煙所の地面は吸い殻だらけ
・ヘイスミはじまるくらいの時の出入口で混雑により、ドミノ倒しが起きた

なとなどなど。

Twitterでもネガティヴな話は伸びがちだから、そういうツイートばかりが目についてしまい、外野であるまとめサイトもPVを稼ぐために悪意ある編集をして、その惨状を取り上げる。

僕もブログをしてるからネガティヴな記事の方が食いつきが良いことはよくわかるし、アクセス稼ぎを優先するならネガティヴに舵をきりがちになってしまう。

そして、ひとつひとつのバンドの素晴らしさや、ちゃんと募金してる人の姿は隠してしまい、まるでカミコベはひどいフェスであるような印象操作をしてしまうのである。

こういう自体になったのは運営のせいだなんて声もある。

けれど、カミコベは無料のイベントであり(そもそも、ただの無料フェスではなく、チャリティーイベントなわけだが)潤沢にスタッフを配置することはできないし、ボランティアとしてやってるからあまり有能ではないスタッフが持ち場を担当することもある。

性質上そうなるのは仕方ないのだから、お客さんのモラルやマナーに任せないといけない場面も多々出てくるわけだ。

でも、今回はそれができなかった。

そういうわけである。

こんなことになるくらいなら、来年は有料にしてイベントを開催したらいいのではないか、という意見もあるが、それに対する是非は後ほど書きたい。

とにかく思うのは「カミコベ」という志高いイベントなのに、これだけのネガティヴなワードを溢れかえさせ、そういうネガティヴな要素に目をつけて食い物にされてしまう一連の流れに、違和感というか辟易とした感情を覚えたわけだ。

カミコベはチャリティーイベントである。

カミコベの主催は松原さんという神戸音楽シーンに絶大な影響力をもつイベンターのドンなのである。(まあ、厳密にはイベント以外も手がけてる会社のドンなんだけどね)

この松原さんが震災から10年経って、神戸という街に恩返しをしたい、復興支援をしたいという想いからカミコベは開催されている。

2005年、“神戸からありがとうを伝えよう”“震災を風化させずに伝えよう”というふたつの趣旨のもとに開催されたのだ。

松原さん曰く「毎年フラフラになって、来年こそはやめると必ず手帳に書きます(笑)。でも人間って忘却の生き物ですから、終わったら忘れてね。気づいたらまた、来年の「COMIN’ KOBE」の準備をしていて、今、すでにだんだんしんどくなってきています(笑)。でも、毎年たくさんの感動をもらっていますし、やりがいも感じています。続けてねって言ってくれる人にも応えたいし、助けてもらった人への恩返しもしたい。その人たちの顔が浮かんだら、徹夜がしんどくても頑張らなきゃってなる。みんなにみこしを担いでいただいて、10年間なんとか頑張れているのかなと思いますね。

<中略>

2015年から、さまざまな理由で新しい会場を使用することになりました。震災から20年目という節目の年ですし、どうしてもやりたいのでずいぶん探しまわったんですが、4万人を収容できる場所ってなかなかないんですよね。いろいろ考えた結果、ワールド記念ホールに加えて、神戸国際展示場3号館をすべて借りることにしました」

このとき、新たにかかる費用は、なんと2,000万円だったとのことで、このお金を捻出するためにクラウドファンディングに挑戦することになる。

これには、単なる資金集めだけではなく、「COMIN’KOBE」をこれからも無料でやり続けるにあたって、参加者へ意義を問いかけるという意味合いもあったのだとか。

「このイベントが毎年開催されているのは、当たり前のことじゃないんです。表には出せないストーリーもいっぱいあって、毎年、奇跡の積み重ねでどうにか成り立っています。実は、お客さんに聞くと「それだったら有料にすればいい」という声がとても多いのだそうです。無料でやってもらうために3,000円を寄付するのか、有料にして3,000円のチケット代を払うのか。同じ3,000円でも大きな違いがあります。
どちらがいいということはないと思います。無料でやれば間口が広くていろいろな人が来られるし、有料であればイベントのことをより考えてくれるお客さんが集まります。でも、なにせずっと無料でやってきたから、無料で続けたいと思っています」

以上、http://1995kobe20th.jp/2014/12/1647/から勝手ながら抜粋させてもらいました。

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そんな松原さんの思いと、氾濫するネガティヴな情報を読み比べていると、僕は勝手ながら鬱屈とした気持ちになっていた。

現実ってこんなもんなんだ、みたいな気持ちに押しつぶされそうになっていた。

そんなとき、僕の気持ちががらっと変わったのは、とある3人組がカミコベのステージにシークレットゲストとして登場したという情報を知ったときである。

ハイスタである。

タイムテーブル的に言うと、Ken yokoyamaとThe BONEZの間に「松原さんのすべらない話」という時間があり、そこで松原さんが一人でトークをするという時間になっていたのだが、ここにハイスタが登場したのだ。

最初、一人でステージに出てきた松原さん。

松原さんは登場するやいなや「すべらない話じゃなくてみんなを笑顔にできる話がある」と切り出す。

そこから始まったのは、松原さんは癌であることが発覚して、そこで余命が2年であると宣告されて血吐いてた時期があったけど、ハイスタが突然リリースした新曲を聴いて、それに勇気貰い、不思議なことに血もピタリととまったという話。

松原さんは言う。

「ハイスタのシングル発売にめっちゃ興奮して!生きてるうちに聞けると思わなかった!」

あまりの興奮にフライングして、11月末にカミコベやるって決めたなんて話もしたのだとか。

そして、松原さんは健さんに連絡するのだ。

「Hi-STANDARDで出てもらえませんか?」

健さんはその願いを聞くと、「わかった。難波さんとつねさんに伝えておくよ」と返事したのだという。

ハイスタが出演しなければ、その事をつまらない話として話そうとしていたらしいが、それはつまらない話ではなく笑顔にできる話になったというわけだ。

そうなのだ。

カミコベの主催者である松原さんは末期ガンになり、余命が2年と宣告されたのだ。

けれど、余命宣告から1年以上が経ったが、松原さんはまだ元気でステージに立ってこうして話をしている。

すごいって思った。

音楽の力と凄さを勝手に僕は感じたのだった。

そして、ハイスタが観れないことは当然悔しかったんだけど、不思議と悔しいよりも嬉しいの気持ちが優ったのである。

なぜか、カミコベにまつわる鬱屈とした想いも知らないうちに消えていたのである。

たぶん、それは難波さんがSTAY GOLDを演奏するとき、よくMCで言うこの言葉が脳裏に浮かんだからだと思う。

「辺りが暗闇ならば光を探せばいい。光が見つからないなら自分が光になればいい」

カミコベにまつわる呪いの言葉。

もちろん、マナーやモラルのない奴が自分から気づいて改善できたらそれが一番だ。

けれど、それができないなら仕方がない。

それぞれが光になり行動に移せば、絶対に場を変わるんだって、その時思った。

Twitterに呪いの言葉をつぶやき、ネガティヴを助長させて、それを食い物にさせるんじゃなくて、もっと具体的な行動を。

僕だって、そんな光のひとつになったらいいんだ、ってその時思った。

来年、カミコベがあるかどうかはわからない。

松原さんが同じように元気でいるかもわからない。

でも、もし来年もカミコベがあるなら、その時
は胸をはって、カミコベって本当に素晴らしいフェスなんだよ、と言いたいし、そういえるような行動を心がけていくようにしたいと思う。

そんな一年後の未来に向けて、記憶を忘却させないように、この記事を上梓する。

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