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邦ロックという名の泥沼に浸かってる人間のほとんどはこの事を口走っているだろう。

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「WANIMAとかSHISHAMOとかエレカシとかが出演するとか、今年の紅白やばwwww」

わかるよ、わかる、

それまでは、紅白といえば「NHK」というよりも「血と精子」って感じだったあのWANIMAが紅白に出るんだから、そりゃあ凄い話である。

司会がウッチャンで、彼らのキャッチフレーズである「ワンチャン」となんとなくゴロが似てるから起用しておこう!的な感もなくはないかもしれないが、これほどに喜ばしいニュースもないと思うのだ。

確かに、邦ロック畑から紅白出演を成したバンドは今までにも幾つかいる。

けれど、今年のそれは、過去のそれとは少し様相が違うように個人的に感じるのだ。

何がどう違うのか?

その辺を引っくるめて、今から話をしていきたい。

日本におけるロックの影響力はさらに大きくなった

そもそも、いつくらいからフェスで名を馳せたバンドが紅白に出演するようになったのだろうか?

ここで、過去に紅白に出演してきた、フェスとそれなりに親和性のあるバンドやアーティストを振り返ってみたい。*連続出演は割愛して、初出演の年のみ表記している。

2013年
サカナクション 

2014年
SEKAI NO OWARI

2015年
星野源 ゲスの極み乙女。
BUMP OF CHICKEN

2016年
RADWIMPS

2017年
WANIMA、SHISHAMO
エレファントカシマシ

こう並べると、セカオワはちょっとジャンルが違うでしょ〜とか、え?BUMPなんて今年全然フェスに出てないじゃん!とか色々ツッコミはあるとは思う。

でも、フェスとは無縁のバンドではないと思うので、とりあえず名前を挙げてみた。

ちなみに、2012年以前に関しては、ロックバンドの出演自体はないこともないのだが、あまりフェスに馴染みのあるバンドの出演は見られない。(もちろん、細かく言えばPerfumeとか色々いることはいるのだが)

さて、なぜセカオワなんかの名前も挙げたのかというと、それはWANIMAやSHISHAMOの紅白出演が今までのバンド出演とどう違うのかを浮き彫りにさせるためである。

というのも、サカナクションを初め、過去の出演バンド一覧を見てもらったらわかるが、ほとんどのバンドはどのフェスに出演してもヘッドライナーとして出演するようなバンドであり、フェスシーンにおいて「特別扱い」されがちなわけだ。

もっと言えば、フェスだと特別扱いせざるを得ないほど、圧倒的な人気バンドだったからこそ、紅白に呼ばれたという感覚が近いと思う。

つまり、フェスシーンで活躍するバンドが、紅白というマスなメディアに出演する指標としてあったのは、文句なきメガ・フェスでのトリ出演するほどの人気、だったのではないか?と思うわけだ。

確かにゲスは色々とイザコザがあったので少し伸び悩んでしまったが、何事もなければ、どのフェスでもヘッドライナーを務めるようなバンドになっていただろうし、2013年~2016年に出演しているバンドたちはロッキンレベルのフェスでヘッドライナーを務めるレベルだし、実際一度は務めている。

けれど、今年のWANIMAやSHISHAMOは、ほとんどフェスでヘッドライナーを取ったことがないと思うし、別にトリに収まるべきバンド、というほどの認識を持っている人は少ないのではないかと思う。

そんなバンドが紅白に出演したわけだ。

それこそが、今までとの大きな違いなわけである。

もちろん、勘違いしてはならないのは、彼ら彼女らがヘッドライナーをとれるほどの人気がない、というわけではない。

それでも出演したら絶対ヘッドライナー!みたいなバンドじゃないバンドが紅白に出るような時代になった、ということは紅白的にもフェス的にも、大きな変容を遂げたように感じるのだ。

つまり、日本の音楽シーンにおいてロックシーンの存在感が大きくなったこと(ロックというジャンがかなりマスに通用するようになってきたこと)と、フェスシーンが盛り上がりをみせており、ヘッドライナーじゃなくてもマスに通底するようなバンドの数が増えてきたことを証明するわけだ。

結論。

日本において、ロックの影響は大きくなっているということである。

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紅白とフェスのシンクロについて

元々、紅白はフェスと少し似ている部分がある。

というのも、紅白は長丁場な音楽番組であり、番組そのものをずーっと集中して観る人は少ないと思われる。

フェスと同じように、ライブを観るときはライブを観るし、メシを食うときはメシを食うし、わりと自分で時間を区切って、つまみ食いをしながらそのコンテンツを楽しみがちである。

なぜそれを可能にしているのかといえば、紅白はフェスと同じようにタイムテーブルを発表しているからである。

だから、観たいアーティストの時だけチャンネルを合わせ、つまみ食いのような楽しみ方を可能にするわけである。

ほら、フェスと紅白は似ている。

また、ブッキングに関しても似ているところがある。

ロッキンやCDJのようなメガ・フェスは、たくさんのお客さんを集客することを念頭に置いているため、でかいステージには世代を超えた人気を誇るバンドを集めたり、ロックバンドだけでなく、アイドルやポップス畑の人にも積極的なブッキングすることで、より幅広い音楽好きに関心を持ってもらうように調整している。

紅白だって同じなわけだ。

基本、年配の方がコアな視聴者層となる紅白において、少しでも若者に関心を持ってもらいたいからこそ、WANIMAやSHIAHAMOのようなバンドをブッキングしたわけである。

フェス(ロッキン・CDJ)の場合はロックの中にアイドルやポップスを、紅白の場合はアイドルやポップス(演歌)の中に、ロックをブッキングしたという構図。

いずれにせよ、ジャンルをごちゃ混ぜにする狙いはどちらも同じで、よりたくさんの人に関心を持ってもらいたいというその一点にある。

だからこそ、紅白とフェスシーンは少しずつ近づいたわけだ。

そして、よりフェスと紅白がもっとも接近したのは、2015年のBUMP OF CHICKENによる、フェス会場からの紅白生中継だろう。

あの瞬間、まさしく両者はシンクロしたのだから。

色々な思惑があってそれは実現したわけだが、狙いとしてあったのは、お互いの、普段はなかなかリーチができない層・年代に、こういうメディア(あるいは現場)があるのだということを伝えたかったというその一点にあると思う。

お互いが意固地になってお客さんを取り合うのではなく、もう少しフラットになって、共謀するべきところでは共謀して、幅広い層にリーチすることが得策であることを承知したからこそ、ああいう「シンクロ」は起こったわけだ。

そんな流れのなかでの、WANIMAやSHISHAMOの紅白出演。

ライブハウスで切磋琢磨してきた若手バンドが、ライブハウスなんてものを知らない方にもその存在を知ってもらう意義というのは、想像以上なのではないかと思う。

ライブハウスはアンダーグラウンドなものであり、アンダーグラウンドだからこそカッコイイ、なんて価値観はもう死滅した。

変なプライドは捨てて、結託するべきところでは結託することこそが、日本の音楽シーンを豊かにしていくのだなーと、そんなことをぼんやりと思ったり思わなかったり。

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