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この話をすると、基本アーティストに対する還元の観点で語られたり、アプリの違法性がウンタラカンタラという話になりがちだけど、せっかくなので、もう少し音楽よりな観点からこの話を考えてみたい。

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というか、違法アプリが登場する前だって、多くの人は、極力お金を使わないようにしながら音楽を聴いていたんじゃないかと思うわけだ。

少なくとも、高校生くらいでバンバンCD買う奴はマイノリティーだったように思う。

じゃあどういうふうにして音楽を聴いていたのかというと、友達に借りたり、ラジオにリクエストしたり、そのラジオを録音してしまったり、テレビで満足してしまったり、有線に流れてきた音源をじっと聴いたりとか、まあ色々あったわけだ。

また、ネットが出始めた頃は、限りなくアウトに近いサイトからこっそりとダウンロードすることもよくあったように思う。

mp3って聴くだけで違法のように感じていた時代だってあったわけだ。

限りなくヤバイとはわかっているが、己の知識を駆使して、違法の網を掻い潜って、音源をコレクションしていた人間だっていたわけだ。

要は。

頭を使って、どうすればお金をかけずに音楽を聴けるのか、ということを試行錯誤して、あらゆる手段を講じ、無料で自分の聴きたい音楽にたどり着いてきた、というわけだ。

一人のアーティストを好きなタイプの音楽ファンならともかく、色んなアーティストが好きなタイプの音楽好きは、安いお金で自分の聴きたい音楽に触れるにはどうしたらいいのか、って試行錯誤してきたはずだ。絶対に。(まあ、ベタな方法はブックオフの巡回とかになるんだけど)

今と違うのは、無料で音楽を聴くために、ほとんどの人はそれなりに苦労したということである。

そして、今はあまりにも簡単に無料で自分の音楽を聴けるようになってしまった、ということである。

考えてみてほしい。

同じメシでも、満腹で食うメシと、空腹で食うメシなら、空腹で食うメシの方が美味しいはずだ。

音楽を聴くのだって、苦労して探り当てた方が良く聞こえるものなのである。

たとえ無料だとしても、(無料で聴くために)苦労をしたのであれば、その音楽は良く聞こえるものだし、大切な思い出になりがちなのである。

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けれど、楽してタダで手に入れた音源に愛着なんて宿るのか?といえば、すごく怪しいよなーって思うし、結局その人のなかでのその音源の価値って、苦労して聴いたときよりも低めに設定されるんだろうなーって思うわけだ。

だって、タダで簡単にヤらせてくれる女の人とヤったってそんなに感動はないと思うのだ。

苦労して口説き、色んな駆け引きした末に入ったラブホテルだからこそ、その時のその行為に燃えて興奮するわけだ。

昔ならネットで違法に無料で音楽をダウンロードするのも自分は悪いことをしているという実感とドキドキがあったからその音楽が良く聞こえたのに、今は何の緊張感もなく違法アプリで自由自在に音楽を聴けるから、音楽に対するドキドキも減っちゃてるのではないか、ということだ。

女の人との営みも音楽も、手に入れるまでの過程が大事だ、という話。

閑話休題。

某違法アプリって使ったことがないからよくわかんないんだけど、要はボタン押せば勝手に曲流れるし、歌詞流れるし、なんならジャケットまで表示してくれるんでしょ?

何の苦労も不要なわけだ。

アプリをダウンロードさえすればいい。

指一本でできてしまう。

簡単だけど、それってつまらないと思うのだ。

つまりは、美味しいご馳走を用意されたから腹を空かせて食った方がいいにも関わらず、その前にお菓子をバリバリ食って、そこそこお腹いっぱいになってから、そのご馳走を食うようなものなわけだ。

純粋にその音楽体験を切り取れば、違法アプリで音楽聴くことというのは、ずるいというより、むしろ勿体無いと僕なんかは思うわけだ。

だって、大好きなアーティストの音楽に触れ合う、一番ワクワクする瞬間を、そんな雑なプレイで済ましてるってことでしょ?

僕みたいな鈍感になってしまった大人ではなく、せっかく多感で色々とビンビンしている10代の子たちが、それをしてるんでしょ?

勿体ないというほかないよ。

だから、僕は思うのだ。

お説教のようなアーティストに対する還元が〜〜とかの話なんてどうでもよいし、音楽はCDで買った方がいいよとか、そんなレベルの話でもなくて、純粋に、音源と自分が接触する過程は色々とドラマチックにした方が、絶対にその音源はあなたとってより大切なものになるし、その体験は何事にも代え難いものになるよ、っていうこと。

だからこそ、好きなアーティストくらいは、新譜との出会いは、もっと劇的にした方がいいよ、と思うわけだ。

そりゃあ、やれたら誰でもいい、みたいな思春期の人間にエッチに至るまでの道が本当は大事なんだよ、と説いたところで、うるせーってなるのかもしれないけど、でも、それなりに年を重ねて振り返ったときにわかるのである。

過程って、やっぱり大事なんだーと。

というわけで、しょーもないアプリを使ってただで音楽を聴いている皆様は、好きなアーティストくらいは騙されたと思って、めんどくさい手順を踏んで音源を聴いてみてくださいな。

たぶん、いつもより感動すると思うからさ。

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