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KANA-BOONがメジャーデビュー後、4枚目のフルアルバム「NAMiDA」をリリースした。

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今作はわりと原点回帰してる感じも相まって、良作だなーという印象なのだが、あんまり話題になってる感じがしない。

多くの人の認識だと、KANA-BOONは2013年〜2014年がピークでそこから緩やかに人気が下がっていった、という認識なのではないかと思う。(実際、セールス的にもそうだと思う)

己のメジャーファーストシングルのタイトルが「盛者必衰の理、お断り」だっため、図らずも「盛者必衰」の道を歩んでしまった、ということなのかもしれない。

ところで、KANA-BOONが人気を持続させず、すぐにピークを迎えてしまった理由は、大きく分けて3つあると思う。

この記事ではその3点を細かく見ていきながら、KANA-BOONのカナブームを再来させるには、どういう一途を辿ればいいのかを考えてみたい。

1.サークル史上主義に対するNoを突きつけたカナブン

そもそもKANA-BOONが人気になったのは、わかりやすい四つ打ちのリズムと、高速なビート感を楽曲に散りばめたからだと思う。

この頃から、多くのライブキッズはやたらとサークルを作りたがるようになり、盛り上がる=サークルをたくさん作る、になったり、でっかいサークルを作る俺すげえーという、音楽とは全く関係ないレベルで盛り上がるキッズが増えた気がする。

自分の演奏なんて目もくれず、サークルで盛り上がるキッズを観て、違和感を覚えるバンドが多かった。

カナブンも、そんなバンドのひとつだった。

で、カナブンはこういう空気に対して、Noを突きつけるべく、以後にリリースする楽曲のテンポを極端に下げることで(ミディアムテンポの曲を増やした)対抗したわけだ。

盛り上がれるからカナブンが好きだったのに!

そういうリスナーからしたら、メジャーデビュー後のカナブンの方向性はつまらなく見えたのではないかと思う。

おまけにBPMの早い、サークルの作りやすい今日を生産しまくる若手バンドがどんどん出てくる。(ブルエンはこういう文化に表面的にはコミットした楽曲を生産してる印象がある)

カナブンのライブ行くほうよりも他の若手バンドのライブの方が楽しいし、こっちの新譜の方がかっこいい!!

そんなふうにして、少しずつ彼らの人気に陰りが生まれたわけだ。

カナブンがブレイクした2013年から4年ほどの歳月が経つが、その後も基本的にはライブキッズのノリは変わっておらず、フェスで人気のある音楽の方向性はここ5年、大きな変動は見せていない(ただし、ネクストブレイクするバンドは単純に踊らせる音楽を作るだけでなく、メディア戦略や炎上商法を巧みに使うことで、少しでも自分たちに注目を集めるように腐心してるキライはある)

言い方を変えれば、ただフェスで盛り上がりそうな曲を作るだけでは脚光を浴びにくくなってしまったとも言えるかもしれず、よ売れるためには、より戦略が必要になったとも言える。

2.個性がなかった

若手バンドの中にはカナブンのメソッドはパクって派生させたバンドもたくさんいると思うし、あれなら俺でもマネできると感じて、高速ビートを量産し始めたバンドだっていると思う。

つまり、カナブンの「個性」は他のバンドにもマネされやすいものであり、量産型四つ打ち高速バンドがたくさん出ると、カナブンから個性が感じられなくなってしまった、というのはあると思うのだ。

量産型がたくさん出ても、量産型との比較により、むしろその唯一性が際立つバンドもいて(例えば、ハイスタなんてその筆頭だろう)、そういうバンドはパクられることで、むしろ存在感が際立つわけだが、カナブンにはそこまでのカリスマ性はなかった。

すごくギターがカッコいいとか、ボーカルの声に中毒性があるみたいな、このバンドじゃないと満たされないと多くのリスナーが感じる要素があれば良かったのだが、ディープなファンはともかく、ライトファンはカナブンからそれを見いだすことはできなかった。

だから、知ってる曲を歌ってくれたらテンションが上がるが、それ以外は興味がない、というタイプのバンドになってしまったのだ。

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3.新作「NAMiDA」について

おそらく今作は原点回帰をモチーフにしたアルバムなのではないか?と聴いていて感じた。

カナブンのメロの良さを生かしつつも、疾走感のあるナンバーを取り揃えた感じで、昔からカナブンが好きな人からすれば満足できる作品になっているのではないかと思う。

が、メジャーデビューしてたった3年で「原点回帰」は、正直早いと思うのだ。

原点を回帰する意味って、色んなタイプのアルバムを出したり、アルバムごとにまったく違うタイプの曲をリリースして、その度違うリスナーを獲得してきたことにより、古参が「あ〜あ。あのころのアルバム聴きたいなー」なんて文句を垂れ始めたときにリリースする意味が生じるのであって、カナブンはそこまでの変化を生み出してきたようには思えないわけだ。

だって、カナブンの過去の3作品のチャレンジレベルなんて、大したものではないと思うのだ。

確かにファーストからセカンドに移行するにあたって、楽曲全体のBPMを落とした印象を受けたり、意図的にミディアムテンポの楽曲を増やした印象はあった。

が、それはチャレンジというほどの「変化」には見えなかったし、言葉を悪く言えば小手先の変化にしか見えなかったわけだ。

どうせ方向性を変えるならば、極端に毛色を変えてしまって、ファンを総入れ替えするくらいの気概を持つべきだったのではないか?なんて思うのだ。

例えば、メンバー全員がライブに行って感動した述べていたBUMP OF CHICKENの4枚目のアルバムは「COSMONAUT」である。

このアルバムもBUMPのひとつの到達点であり、ユグドラシルくらいまであった荒削りなバンドサウンドは完全にナリを潜め、彼らの新たな境地を見せた意欲作となっている。

しかも、これ以後、BUMPはキラキラモード(チャマが急にオシャレ化していく)に転じていき、ファンを総入れ替えするような勢いで、楽曲の色も、メディア戦略も変更していき、常に「進化」していくサマをみせているわけだ。

BUMPのメジャーデビュー後の4枚のアルバムとカナブンのメジャーデビュー後4枚のアルバムの「変化の具合」を比べてみれば、カナブンがいかに同じ所をグルグル回っているだけなのかがよくわかると思うのだ。

せめて、やってる音楽は同じでも演奏とか歌がどんどん上手くなって上達しているのが手に取るように分かればいいが、良くも悪くも、カナブンは最初からそれなりに「上手かった」せいで、そういう上達の変化もあまり見られないわけだ。

バンドの音に「物語性」を感じられないのは少しきついと思うのだ。

あるいは、ギターの古賀くんがライブに行って感動したと言っていたサカナクションのメジャー4枚目のアルバムは「sakanaction」である。

サカナクションもリリースごとに、極端に毛色の変わるバンドであり、かつ毎回「史上最高」を叩き出してしまうとんでもないバンドである。

そりゃあ、音が変われば、古参からは嫌な顔をされてしまうと思う。

けれど、誤解を恐れずに言うならば、バンドが躍進するうえでもっとも大切なことは、古参に良い顔をしないことであり、態度や振る舞いではなく、音楽的な意味で、古参を裏切っていく必要があるわけだ。

BUMPやサカナクションはそれができているから、ずっと第一線で活躍するわけである(もちろん、クオリティが伴っているからこそ成り立つわけだが)

カナブンは良くも悪くもアットホーム感がありすぎるのだ。

だから、伸びないのだ。

そういう意味では、カナブンの見てる地平はまだまだ狭い気がすることを痛感した今作。

別にグローバルになれと言うつもりはないが、サークルわちゃわちゃ文化にコミットするつもりがないのならば、もっと違う射程を見据えて作品を作るべきだし、「原点回帰」なんてラベリングされるようなアルバムを作り続けていたら、古参が大人になって現場から卒業してしまったら、カナブンというバンドは消えてしまうと思う。

まあ、音楽の毛色を変えても、チェコとかミイラズみたいに伸び悩むバンドもいるので、あまり勝手なことは言えないんだけどね。

でも、カナブンにはもう少し極端なレベルで殻を破ってもいいのではないかーという気はする。

それが無理なら、WEBまわりにメディア戦略は気合いを入れるくらいしかない。

あざとい顔のサムネのMVをあげるとか、立タンクトップをどんどん破るMVを作るとか。

まあ、全ては結果論ではあるわけだが、ないものねだりをして、どんどん貪欲に吸収することが、フルドライブな未来に繋がるのではないか?と思うわけである。

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