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NEWSポストセブンにて、落語家の桂歌丸がある芸人に対して苦言を呈していた。

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曰く、「言葉を生かさずにお盆もって踊ってるだけの何が<芸>なんだ」とのこと。

「あんなもんは酔っ払いがお座敷でやるようなもんであり、裸で踊ってるだけの彼は芸で『お客を笑わしている』のではなく『客から笑われているだけである』。お笑いを舐めんなよ!」みたいな感じの指摘をしていた。

ここで槍玉に挙げられているのが誰か、もうお判りだろう。

アキラ100%である。

まあ、僕がこの言葉を聴くと週刊少年ジャンプで連載していた「いちご100%」が頭に浮かんでしまい、おまけに「裸体」なんて刺激的な言葉と合わさることで、より一層官能的な想像力を逞しくさせがちなのだが、その話は一旦横においておこう。

要は、歌丸はあんなふざけたお遊戯を「芸」と称して披露する奴も、そんな奴を持て囃すテレビ業界にも、そんなお遊戯にあろうことか「グランプリ」の称号を与えてしまうようなお笑い畑の人たちにも苦言を呈しているわけだ。

気持ちはわかる。

何をもって「芸」とするのか各々の美学があるにしても、あんなものを「芸」と言い切ってしまうのは、やはり抵抗がある気持ち。

たとえ、そういう「身構え」を老害のたわ言であると非難されたしても、失ってはならない美学と誇りはあるものである。

そのジャンルにプライドと誇りを持っている人ならば、なおのこと。

ところで、アキラ100%はなんであんなネタをするようになったのだろうか。

詳細はぶっちゃけ知らないのだが(ちゃんと調べろよ!というツッコミはありがたく頂戴してむしゃむしゃして食べます。ご馳走様)、ただアキラ100%は元々は役者志望だったということ、そして、役者志望時代に芸能人の付き人の仕事(平たくいえばマネージャー)をしていたときは、死ぬほどその仕事ができなくて、迷惑をかけまくっていたとのこと。

要は、器用な人間ではなかったわけだ。

そして、芸人という観点からみても彼は器用な人間ではなかった。

だから、言葉巧みな漫才も、アイデアと演技力が満載の実力派コントもできなくて、それでもなんとか芸人としてメシを食いたい、売れたい、という思いがあり、どうしたらいいのか試行錯誤した果てにたどり着いたのが、あの裸芸だったのである。たぶん。

なりたくて「笑われる芸」をやってるのではなくて、それしかできなかったから選んだのだ、みたいな話なのだろう。

と、ここまでお笑いの一幕についての話をしたわけだが、これって音楽にも当てはまることだと思うのだ。

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例えば、パンクロックの扱いなんてまさしくこれに近い。

つまり、楽器の演奏が上手ければフュージョン系だったり、コテコテのメタル系だったりを目指したのかもしれないが、自分にはそんな技術はなくて「自分でもできる音楽」という観点からジャンルを絞った果てにたどり着いた「パンクロック」だった、というバンドは多いのではないか、という話。

元々既存の音楽に対する「アンチ」として生まれたのがパンクであり、「反体制」が性質としてあるからこそ、「あえて」無教養でも作れるような音を鳴らし、「あえて」ビギナーでも簡単にマネができるような演奏をしているわけだが、いつの間にか、その「あえて」が抜け落ちてしまい、単に「これならおれでもできる」に変わってしまい、それが理由で「パンク」というジャンルを選んだバンドは、けっこう多いと思うのだ。

むしろ日本のパンクロックバンドにおいては、メタルからの逃避の果てにパンクというジャンルに行き着いたバンドの方が多いのではないかと思う、少なくとも動機だけでみれば。

こうなってくると、それはパンクではなくただの「流行」であり、流行=ポップスなわけだから、パンク=ポップなのではないか、と思わなくもないし、パフォーマンスや楽曲なんかみても、過去の焼き直しをしているだけのようなザマをみてしまったりすると、むむ〜なんて思いがあったりなかったりで。

ここで、むむ〜と思っちゃう精神は、おそらく冒頭に出てきた歌丸に通ずる精神なのであり、自分が老害になってしまった証左にしかならないのかもしれないが。

とはいえ、パンクであれロックであれ、そのジャンルの上澄みの美味しいところだけ汲み取り、それを使うのをみると「伝統」を舐めるなよ!という気持ちにはなるものである。

あくまでも仮の話だが、例えば、電車の地べたに座ってプチ炎上してしまったバンドがいたとして、それに対する擁護として「ロックってこういうもんしょ!」みたいな反論をしたとしたら、うるせえ!しばく!と言いながら中指突き立てたくなる人も現れるのかもしれない。

まあ、もちろん、上記のエピソードはただのフィクションであり、僕の妄想であり、あくまでも「例えばの話」でしかないので、そこだけは悪しからず。

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