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そもそもファーストアルバムの「We love Tank-top」が飛び道具満載で、すき家の牛丼をオカズにマクドのビックマックを食うくらいの脂っこさがあった。もうお腹いっぱい。しばらく油モノはいらない。俺は刺身が食いたい。次は何出してくれんの?え?宇宙やのにタンクトップ?あ、無理。その時点で、もうギブ。連続の油モノはもうギブです。

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良い意味で前作が良かっただけに(インディーズ時代の良曲をたくさん再録したわけだから当たり前ではあるんだけど)そんな不安が僕にはあった。

けれど……既に発信されてる曲を聴くと、名盤っぽい匂いがしていて。

というわけで、今回はアルバム発売に先駆けて、ヤバTのことについてつらつら書いてみたい。

ちなみに事前にシングル曲についてはこんなことを書かせてもらっています。

「ヤバみ」についてはこちら

「ハッピーウェディング前ソング」についてはこちら

そもそも今までのヤバTってこんなバンドだった

僕の中でのヤバTのイメージって、ざっくり言えば、アンタッチャブル山崎のフリした10-FEETって感覚だった。

全体的にいい加減な感じを出しているくせに、根はすごくマジメで、やってることに対して全力で、すごくエモーショナルで。

だから、すぐにふざけたりして、コミックバンド感というか、芸人感を出して、普通の自己紹介だけでボケ倒して死ぬほど尺を使ったり、ボケた後にすぐつっこんで悪ノリを繰り返したりして、アンタッチャブル山崎のように、すぐにお茶を濁したりする。

けれど、実は熱血肌で、自分のやってることに誇りを持っているし、来てくれたお客さんは全員楽しませてやるねんって気概がムチムチに出まくっているし、仲間想いなところもあるし、メロコアバンドだし、ベースのボーカルがギターのボーカルより声高いし、もうそれ10-FEETやん、ってところが色濃くある。

ドラマの人が「オチ」になりやすいところも10-FEETと似ているかもしれない。事務所も一緒だし。

そんなヤバTだけど、彼らの凄いところって、本来陰キャラ(っぽい)三人が、背伸びのしない音楽とちょっとしたアイデアで、邦ロック系パリピたちを魅了し続けてることにあると思う。

これって、本当に夢があることで。

だってさ、普通、バンドのファンって「類は友を呼ぶ」って感じの広がり方をすると思うのだ。

EXILEのファンは精神的にも肉体的にもマッチョな人が多そうだし、西野カナのファンは「自分の取扱説明書を彼氏に渡して、自分のことをお姫様のように扱ってほしい」とお願いする人が多そうだし、BUMP OF CHICKENのファンは「孤独を知ったからまた出会えた孤独じゃない感」を出してる人が多そうだし、ホルモンのファンは色んな意味で腹ペコになっているデカイ奴が多いし、amazarashiのファンで根っからに明るい奴なんて見たことがない。(つまり、暗い奴が多い)

「好き」って感情は、共感から生み出されることが多く、故にバンドのキャラクター性とファンの性質はどこか似てくるものだ。

けれど、ヤバTは違う。

もちろん、ヤバTの3人がどういうタイプの人間なのか、僕ごときが安易にカテゴライズするのは御門違いだろうけど、でも、ヤバTのメンバーって、ファンとして誰かのライブに行ったとき、イキってサークル作ったり、ダイブする側の人間には見えない。

どちらかというと、そんなことしてる奴をみて「うわあ〜ちょっとそれはひくわ〜」と内心思ってるんだけど、友達にわりとそんな「ひくタイプ」の奴がいて、表向きにはその友達に合わせてヘラヘラしながら、めっちゃ今日のライブ良かったな!あ、お前のあの草ダイブヤバかったで!めっちゃおもろかったな、お前!みたいな卍ヨイショな発言をしちゃうタイプ。良く言えば、八方美人。悪く言えば、調子が良い。けど、分析的でどこか冷めてる。そんなイメージ。まあ、これは僕のただの想像と偏見ですが。

ここで言いたいのは、ヤバTは「類は友を呼ぶ」って感じではなくて、色んな人に届けーっと言わんばかりに、多様なフックを持った楽曲とアイデア満載のライブを披露してきたおかげで、自分たちとは違うタイプの人にも、しっかりと音楽を届けられたということにある。

だから、ヤバTのファンは「類は友を呼ぶ」感がないし、2018年の今、間違いなくブレイクしたのだ。

でも、今作のセカンドアルバムを買えば、まだ古参名乗れるらしいです。公式がそう言ってる。古参厨は今作、買いですよ、マジで。

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なぜ、ヤバTはブレイクしたのか?

ヤバTの演奏を下手って言う人もいるし、確かにお世辞にも「上手い」とは言えない。

けど、少なくとも、彼らがメジャーデビューして以降のサウンドは純粋に「カッコいい」。

「自分たちはメロコアバンドです」って言うだけあって、10-FEETとかdustboxなんかが好きな人がグッとくる「メロコア的フック」とか「パンクロックの持つ気持ち良さ」みたいなものをしっかりと音として抑えていて、今作はよりそれが洗練されている感じ。

歌詞に意識をもたずに楽曲を聴けば、普通にメロコアバンドとしてカッコいいわけだ。

アイデアも豊富だしね。

そういや、こやまくんはギターにエフェクターをかまさないことで有名だけど、同じ手法でカッコいい音を鳴らしてる人と言えば、ハイスタの健さん。

小道具に頼らず、心に響くサウンドを作るという意味で、ハイスタとヤバTは通ずるものがある。

ヤバTって全体的にふざけているようで、そういう線引きはしっかりしているし、自分のやってることに対する美学の徹底も凄い。

だから、ブレてるようにみえて、一切ブレないところがあって、だからメジャーデビュー後のアルバムタイトルはまさかの「タンクトップの天丼」ってボケをするわけだけど(天丼やかぶせというボケはヤバTがもっとも多用するボケのひとつだ)そういう姿勢もカッコよさに繋がっている。

そして、ヤバTの魅力は、カッコいい+面白いがあるところ。

ボケる姿勢とか、MCの感じとか、twitterの使い方とか、歌詞がテキトーとか、メロディーと音作り以外の部分で、ボケれるところは徹底的にボケる。

カッコいいがベースにありつつも、お客さん目線でどう魅せていくのかの視座が常にあって、そういう抜け目のなさが、彼らの良さ。

というか、アイデアだけなら枯渇するから、今のうちにカッコいいって部分も、気合いを入れて舵を切ってるのかもしれないけど。

末長くバンド活動を続けるために。

ヤバTの歌について

今作のアルバムに「サークルバンドに光を」って歌が収録されていて、この歌はヤバTらしくなく、やたらとエモいと評判の一曲。

わかる。確かにエモい。けど、わからない。

だって、そもそもヤバTの曲はほとんど全てがエモい。

どういうことか?

ヤバTの楽曲って、人の「生活」を丁寧に描いている。

例えば「天王寺に住んでる女の子」を聴くと「え?天王寺に住んでる女の子って男の家に泊めちゃったりするの?」という生活が垣間見えてドキドキしてしまうし、「ZIKKA」から「週10ですき家」を流れで歌を聴くと、実家の有り難みが見えてきつつ、自炊を面倒がる男の生活が垣間見えて、わかるわ〜って気持ちになる。

この臭そうな生活臭。

これをエモいと呼ばずして、何というか。

ただし、前作のアルバムから変わったところがあって、前作の楽曲は、当時大阪芸術大学に在学していた彼らの日常生活から派生・発展した歌詞が多かった。

だから、学生の「生活」に照準の当てられた歌が多かった。

けれど、今回は「バンドマン」になった彼らから派生・発展した「生活」の歌が多くなった印象。

まさしく、ヤバTというバンドの「生活」と対峙して作られたのが「サークルバンドに光を」という歌だったと思うし。

そしてこの歌を聴くと、彼らってヘラヘラしてるところもあるけど、当たり前のように苦労だって、たくさんしていて、それでもやっていくぜ!って気概が伝わって、マジで感動する。

ほんとヤバTって、良くも悪くもピエロな道を歩いてきたから、外からではなかなかわからない苦労もあると思うのだ。

もちろん、ここまでくるのに散々バカにされてきただろうし。

たくさんの人の「ネタ」にされてきただろうし。

それでも、逃げそうになりながらも、彼らはここまでやってきたわけだ。

そして、それは売れた今でもたぶん変わらないと思う。

メジャーになったからお金はバリ使えるようになった。バリ金かけてふざけられるわ!オモローって!と言いながらも、それは大人から色々期待されていることの現れで、自分から出した自信満々なアイデアがボツにされることもあったり、それでも納期が迫ってきて大人からウダウダ言われることもあったり、いざアイデアを形にしてtwitterとかで評判チェックしてみたら思った通りの反応がななくて落ち込んだりして、それでもクリエイトしないといけない日々が続いて、また孤独と対峙しながらモノを作ることに集中して。

俺は病みながらも命かけて曲作ってますから!って言えるタイプの人なら、わりと「逃げやすい」と思うのだ。自分の苦しみをツイートしたら頑張れー!って応援の言葉を送ってもらえるかもしれないし。

けれど、こやまはピエロになることを選んだ。

しんどくても、能天気なフリをする、そういう意味でのピエロ。

それは、想像以上に辛く険しい茨の道。

そんななかで生み出した「サークルバンドに光を」はこやまの悩みの部分がいっぱい出ていて、人間である自分と対峙して「生活」を描いているから、いつも以上にエモいわけだ。

「とりあえず噛む」なんかもそういうメッセージが詰まっているように思う。

「とりあえず」って言葉がエモいでしょ?え?それは違う?

ただ言えるのは、感動すらヤバTが味方につけたらそんな最強やんってこと。面白くてカッコよくて泣ける?それって完全に10-FEETやん?京都が誇るスリーピースバンドやん!日本が誇るスリーピースバンドやん。

そういうことである。

まあ、追記or新作に対しての記事は、アルバム聴いてからまた改めてしますってことで。

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