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昨今、夏フェスが各地で勃興しており、大型フェスの集客も基本的には伸びている。

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ただし、サマソニやフジロックのような海外アーティストメインのフェスはむしろ集客数を減らしているので、今の若者は洋楽にほとんど関心がなく、「邦ロック」が人気であるということかよくわかる。

チャートなんかをみても、かつて類を見ないほどに「邦ロック」と分類されるアーティストがチャートに顔を並べている。

つまり、かつてないほどにロックというものが民衆に親しまれているということである。

けれど、ken yokoyamaのフロントマンである健さんは「今はロックの人気がなく、活気がないので、なんとかロックの手綱を次世代に渡すべく、テレビに出たりロックフェスにも積極的に出るようにしている。ほら、若い子はダンスとかに流れてる子多いから」といった感じのことを喋っていた。

個人的にはの2000年代よりは今の方がロックは人気だし、バンド人口も増えている気がするので、少し腑に落ちない話であった。

これは単純に健さんが若者に対する認識を誤っているのだろうか。

もしかしたら、そうなのかもしれないし、そうではないかもしれない。

でも、健さんだって色んなイベントに出演して、お客さんがたくさん埋まっている景色は見ているわけで、若者はそれなりに邦ロックを嗜んでいること自体は理解しているはずだ。

あんなのはロックではない!と両断さえしていなければ。

2011年以降、(もっと言えば2013年からその流れが加速したような感じがするが)邦ロックを嗜み、積極的にフェスやライブハウスに足を運ぶ人たちの世代が変わってきているように感じる。

それまでになかったくらい、自分の音楽に若者が反応しないという場面を健さんだって体感したはずだ。

そして、そのあとに若者のなよなよした音楽でそのオーディエンスが「うおおおお」となっているのをみれば、それはまあやっぱり悔しいはずだろう。

健さんは世代が変わってしまったことを実感している。

そして、それを納得できる部分もあるけど、なんとか抗いたいと思ってるはずなのだ。

だから、昨年のラッシュボールではMC中にブチ切れちゃったし、今年のエアジャムはあのメンツを呼ぶことになったわけだし、パンクロックではあるまじき「センチメンタル」をテーマにしたフルアルバムをリリースしたりしたのだ。

その前に出したシングルなんてもっと懐古的な歌だったしね。

若者はダンス音楽に流れてしまったといったが、そのダンスとは必ずしもエグザイルのような音楽だけを指しているのではなく、カナブンや夜ダンやフレデリック、あるいはサカナクションのような音楽も指しているのかもしれないということ。

あんなのロックではない。

そして、これがロックなのだと自信を持って言えるバンドだけをエアジャムに呼んだわけだ。

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閑話休題。

健さんはロックの中で色々と意見があるような感じがするが、この先、そう遠くない未来では、そんな分断をすることさえ許されないような流れがくるのではないかと個人的に思っている。

というのも、今の中学生や小学生が音楽を受容するメインの世代になったとき、「邦ロック」あるいは「生のギターやドラムで音を鳴らすような音楽」は古いものと切って捨てられ、夏フェスの集客は右肩下がりになってしまい、今はメシが食えてる数々のバンドが姿を消してしまうことになるのではないかと危惧しているわけだ。

音楽のブームの移り変わりの速さは驚くほどに残酷である。

そして、近年その移り変わりがどんどんと速くなっている。

だって、今ちゃんとテレフォンズ聴いてる人ってどれくらいいるよ?

活動休止してまだ一年も経っていないのに早くも過去の人になりつつある。

たぶんあと3年後に再結成したとしても「誰それ?」的な空気になるだろうし、邂逅の対象にしかならないのだろう。

ほんとに恐ろしい話だが、わりと音楽の移り変わりとはそんなもんである。

で、そういう次の若い世代はどんな音楽に反応するのか?って話だけど、そもそも今の若者はより趣味が分断されていて、みんなが好きな趣味ってのが驚くほど少なくなっているのだろう。

趣味も多様になり、音楽を趣味にしている人間というのがそもそも少数派になるわけだ。

なのな、やれR&Bだの、フォークだの、ポップスだの、ロックだのと少ないパイであるはずの音楽をさらに細分化するのは悲しい話になるわけだ。

仮に音楽好きを自称する人が出てきたとしても、今とは少し事情が違うかもしれない。

例えば、今の小学生くらいの音楽好きの多くはギターの音が苦手なのだという話をよく聞く。

ギターの音はうるさく耳障りだというのだ。

そんな子供が好んで聴くのがボカロやEDMのような音楽。

思えば、こういう小学生の世代にも音楽を届けることに成功しているアーティストというのは意図的にしろ無意識的にせよ、ボカロやEDMに歩み寄っている。

BUMP OF CHICKENがロキノン界隈において圧倒的人気を博し、邂逅の対象ではなく、未だに若い世代に支持されているのは、これが理由であろう。

また、SEKAI NO OWARIも深瀬がギターロックを古いと貶したことでちょっとした炎上になったが、確かに彼らはボカロやEDM的な音に歩み寄っているゆえに、小学生や中学生から絶対的な支持を集めることに成功している点は見逃してはならない。

もちろん、BUMPやセカオワみたいにしたら売れるのかと言えばそういうわけではないのだが、自ずとそういう音楽しか受けつかないような世代がフェスのメインストリームになる可能性がくることは間違いない。

まあ、今、足繁くフェスに通っている人たちがフェスからリタイアしなければ、大丈夫だが。

しかし、次の若者を無視して、既存の客だけを喜ばせるようなフェスを作っていれば、自ずとフェスの動員数は下がるわけで。

音楽というのは生き物の進化のように不思議と変化し、若者に喜ばれる音楽は時代とともに変わってしまうものである。

それを止めることは誰にもできない。

そして、間違いなく、あと3年後、邦ロックの「今の流行り」は完全に衰退し、ボカロとEDMに親和性のある「音楽」が次のメインストリームへと移り変わることだけは、ここで予想しておこう。

抗いようもなく、その波はゆっくりとやってくるのである。

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