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最近のバンドマンはもはやアイドル化している。

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初期のAIR JAMくらいからロックが好きだった人、あるいはミッシェルとかブランキーとかをリアルタイムで聴いていた人、あるいはくるりやナンバガやスーパーカーに衝撃を受けた人はついついそんなことを言ってしまう。

これについては同意する部分もあれば、ちょっと違うんじゃないの?と思うところもあるのだが、せっかくなのでこの命題を色んな切り口で考えてみたいと思う。

1.昨今のバンドマンがアイドルしたと言われる理由。

こういう指摘をする人は、ジャニーズのアイドルと接するようなノリでバンドマンのことを受容する女のファンが増えたというふうに思っているのではないだろうか。

「KEYTALKとマンウィズの推しメンは○○です」とか「キャーTaka!!かっこいいー!」とか「えのぴょん!とか「藤くんの脇の匂いをくんかくんかしたい」とか「TOSHI-LOWに踏み潰されたい」とかとか。

音楽の良し悪しを語る上で成り立つバンドマンのキャラクター受容はまだわかるが、もはや音楽とはまったく切り離してそのバンドマンのことを語るファンが一定数いて、その数が無視できないくらい増えており、音楽通からは「ゴミ」と思えるような音楽が氾濫しているから、昔からロックが好きな人にとって「そういう受容の仕方は違うでしょ」と思ってしまうわけだ。

けれど、バンドマン側もそういう風潮に乗っかっているフシは強いと思う。

これをみてほしい。

なんだこのヤクザは。

そうお思いの方もいられるかもしれないが、彼は前述したAIR JAMに過去に何度か出演したことがあるSLANGのKOさんである。

昔のAIR JAMはまさにちょっとガラの悪い感じだった。

ロックは反体制の象徴であり、ヤンキー崩れが好むアウトローな音楽だったのだ。

別にSLANGに限らず、DragonAshのKjでもいいし、RIZEのJESSEでもいいし、Ken yokoyamaでもいいけど、昔のロッカーって悪ぶってなんぼみたいなとこがあった。

悪そうにすることがかっこいいとマジで思われていた。(そういうかっこよさとは対極にいるようなスピッツやくるりだって、一度はそういうかっこよさを志向している)

けれど、いつしかそれって逆にダサくない?みたいな空気が生まれてくる。

若い女の子にモテることを志向し出したバンドマンたちは、どういう佇まいでいるべきか模索し、そしてその姿を変えていった。

そして、行き着いたのが、可愛くなるという結論だった。

つまり、今のバンドマンはかっこいいと思われるよりも、かわいいと思われた方が勝ち、みたいな空気になりつつあるのだ。

BUMPでもいいし、ユニゾンでもいいし、KEYTALKでもいいし、マンウィズでもいいし、フォーリミでもいいし、ドロスでもいいし、星野源でもいい。

彼らはかっこいいと思ってもらう以上にかわいいと思ってもらうことに精を出している。

インスタなんかにあげてる写真を見ればわなる。

かわいいと思ってもらいたいという願望があるからこそ、隙だらけのオフショット風の写真をインスタにあげちゃうし、ダサい感じの部分も堂々と世間に公開するのである。

逃げ恥で、みくるが「かわいいは正義です」と言っていた。

かっこいいだとダサい部分を見ると幻滅するけれど、かわいいだとダサい部分もプラスになるから最強なんです、という理屈だったわけだが、 バンドマンも基本この価値観を則っている。

かっこいいというイメージより、かわいいイメージを全面に押し出している感があるわけだ。

つまり、バンドマンもアイドル的に扱われることに対して満更じゃないし、ビジネス的に考えたらむしろ正攻法くらいに思っているというわけだ。

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2.そもそもアイドルってなんだろう。

ももクロでもいいし、ベビメタでもいいけど、最近のアイドルはアイドルを超えがちである。

少なくとも一般的なアイドルの枠組みを超えた活動をしているアイドルは多いと思われる。

つまり、アイドルがそもそも錯綜してきているというわけだ。

アイドルという言葉について考えてみたい。

アイドルといっても色々ある。

例えば、①その人の存在を指して「アイドル」というのか、②その人の実力を指して「アイドル」というのか、③その人をジャンル分けするうえで「アイドル」というのか。

その人に対し、憧れの眼差しがあれば①だろうし、「miwaは歌も下手だし演技もできないのに、売れててムカつく。顔以外ダメ。あいつはただのアイドルだわ」みたいな文脈であれば②になり、ももクロやベビメタってどんなグループって訊いて「アイドル」と返答されるときのアイドルは③になるという感じ。

で、バンドマンがアイドル化といわれる場合、大方は①のニュアンスが強いと思うが、バンドとして大したことがないのに女どもからはチヤホヤされている、みたいな言い方で批判されると②の要素が強くなり、SCANDALって何と訊いて「あれはアイドルでしょ」という場合は②の要素を掠めつつも、本当に彼女の職業はアイドルとして認識していれば③になるわけだ。

ワンオクであれば、「キャーTakaかっこいい!!抱いて!!」は①、「ワンオクって演奏下手なのに人気でムカつく」となれば②、ワンオクってロックにおいてその地位ってどんなの?「アイドルっしょ」と皮肉なしで答えたら③って感じだ。

どういう文脈で、どういう意味合いで「アイドル」という言葉を使うかによって、それは変わってくる。

3.なぜバンドマンはアイドルであろうとし、アイドルから抜け出そうとするのか。

アイドルになろうとしているという言い方が間違いであれば、実年齢より若く見せようとしているという言い方に変えてもいい。

40を過ぎても高校生からキャーキャー言われるように若作りをしているバンドマンは多い。

いや、おれ、おっさんでいいし、って簡単にドロップアウトする人間は少ないし、良い音楽鳴らせば見た目なんてどうでもいいねんと割り切っているバンドマンはもっと少ない。

ケンヨコも、もんげーとキャラ付けをすることで、若い人の取っつきやすさを探している気がするし、アイドル化的キャラ消費にちょっとした憧れを持っていることがわかる。

その一方で、ワンオクのTakaは少しでも黄色い声援を少なくするべく、あえて身なりを汚くしたり、短髪にしたり、高い服は着ないようにしてきている。

ワンオクはもっともアイドルというものから距離を置こうとしているバンドなのに、アイドル的眼差しで彼らをみるファンを誰よりも多く抱え込んでいるバンドであるというのはなかなかに皮肉である。

でも、大丈夫だ。

時が全て洗い流してくれるはずだ。

もっともアイドルとは対極にいそうな奥田民生率いるユニコーンですら、昔はアイドル的な売れ方を目指していた。

ほら。これである。

でも、それは失敗し、今はただのおっさんになった。

ファンが要請すればアイドルになるし、そうじゃなければその空気は消え去るわけだ。

なによりわファンがバンドマンに「アイドル性」「若々しさ」を求める時代はそのうち終焉を迎えるはずだ。

その頃には、怒髪天あたりが天下を取っているかもしれない。

世の中、何が起こるのかわからないものなのである。

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