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ゆずの新譜についての感想。

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爽やかフォークデュオという肩書きでデビューしたのも20年前の話。

毎回アルバムごとに色んなサウンドにチャレンジする彼らであるが、今作の特徴は打ち込みサウンド(電子音)が効果的に使われているところではなかろうか。

とはいえ、こってりEDM仕様になっているかというとそうわけではなく、電子音の美味しいところだけを取り込んでいるようはサウンド作りをしている。

思えば、ゆずのサウンドが大きく変わったのは同期といっても差し支えのないコブクロが台頭してきた頃ではなかっただろうか。

コブクロはスピッツの黄金期にプロデュースを担当していた笹路正徳プロデュースの基、デビュー曲「YELL」で鮮烈なデビューを飾る。

が、そのあとはこれといったヒット曲をつくることができず、そろそろ静かに消えていってしまうのではないかと危惧されていたおりであった。

セルフプロデュースで「永遠にともに」をリリース。

これが某お笑い芸人の結婚式で歌われたのともあり、大ヒットを記録するのである。

2004年10月の頃である。

そう。

ゆずはまさしくコブクロの2度目の台頭のタイミングで大きくサウンドの方向性が変わったのである。

それまでのゆずは寺岡呼人との共同プロデュースの基、フォークとポップスを見事に融合した上質な音楽を作っていた。

もちろん、「トビラ」のようにアルバムごとにの特色は違っていたが、「音の根本」にアコギとハープ(ハーモニカ)ことは間違いないわけだ。

閑話休題。

ゆずが2004年の最後に全国流通CDとしてリリースしたのが「栄光の架け橋」。

そして、次のリリースが1年4ヶ月後の「超特急」となるのだ。

ゆずのリリースで1年以上ものの間が空くのは初めてである。

しかもこの後の2016年の頭に「リボン」というアルバムをリリースするが、リリースされたシングル曲はこの「超特急」だけなのである。

つまり、ゆず史上もっともリリースされた曲が少ない一年なのである。

このリボン後、ゆずのアルバムとしての路線は明らかに変わった。

「WONDERFUL WORLD」「FURUSATO」「2-NI-」。

大量にシングル曲を収録、インストソングを採用、タイトルは英字になり、若干のアイドル路線も含めつつ。

プロデュースも今までは寺岡呼人と組み行って行っていたが、蔦屋好位置をメインにプロデューサーとして起用するようになる。

また、この蔦屋プロデュースの時期あたりからそれまでほとんどメディアの露出にしてこなかった彼らが音楽番組に出演するようになる。(北川にいたっては月9の主演まで務めたのだからすごい話である)。

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と、長々とゆずの遍歴を綴ってしまったが、要はゆずの「戦略」が明らかに変わった理由のひとつとして、コブクロの躍進は少なからず影響していたのではないか、という話である。

だが、今回の「TOWA」はそういう文脈とはまた違う意味で今までの彼らのアルバムと違う感触があったりするのだ。

まず、彼らの今回のアルバムの表題曲「TOWA」であることは間違いない(アルバムタイトルになっているわけだし)わけだが、今回その曲が11番目というなんとも中途半端な位置に収録されている。

今までのゆずのアルバムなら表題曲は基本的にアルバムの先頭か一番後ろに主演されることが常だったのに。

この理由はアルバムの発売のタイミングに大きく関わっている。

当初、10月ごろに発売される予定だったこのアルバムはツアーが終わってから発売されることな決まった。

アルバムツアーでありながら、そのアルバムはツアーが終わってからという異例のやり方を行ったのだ。

この理由は音楽雑誌などに語られているので参照してほしいところであるが、ライブをやっことにより、TOWAは最後ではなく、早めに持ってきたいということになったということである。

また、北川は今までアルバムのコンセプトということをすごく大事にしてきていたが、「た Ri ナ ぃ」という楽曲を通じてメッセージを発している。

曰く、「言葉の持つ意味がどんどん希薄化して記号として受け取るようになっている」。

故にタイトルのTOWAもアルファベット表記をしたのではないかという気もする。

たしかにゆずがメジャーデビューした1998年はもっとも日本でCDが売れた年であり、それ以降どんどんCDの売り上げが減少してきている。

この20年間、常に音楽の第一線で活動してきた彼らは音楽の消費され方の変わり方をダイレクトで感じてきたのであろう。

その解答のひとつが、このアルバムなのだと思う。

今となっては世代を横断できる数少ないアーティストであり、ライブで老若男女が楽しめるパフォーマンスができる稀有な存在となった。

音楽そのものが島宇宙化してしまい、その年で「みんなが知っている曲」が限りなく0になってきた今だからこそ、色んな世代にファンを抱えるゆずがどのようなメッセージを出すのか興味深いのである。

そんなゆずが音として出してきた答えは流行りの電子音になるということだった。

でも、それは単に電子音にのるのではなく、フォークと二人の歌声があるからこそ成立するアルバムだったようにも感じるわけだ。

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